資源循環の取り組み
廃棄物削減
事業拠点における廃棄物削減の取り組み
廃棄物の発生抑制についてキヤノンは、廃棄物の分別・回収による再資源化や廃棄物自体の発生抑制に取り組むなど、廃棄物排出量の削減活動を推進しています。特に、生産拠点における廃棄物の排出は各拠点の生産工程または部門ごとに、廃棄物の発生と関連の大きい要素を特定し、予実管理を徹底することで、廃棄物削減の取り組みを継続しています。キヤノンプラチンブリタイランドでは生産プラスチック端材をリサイクルし、要求特性を満たす部品において、素材の100%をリサイクル材で構成した部品を採用し、循環型ものづくりを推進しています。キヤノン大連においては研削液の濾過処理による循環再利用に取り組んでいます。また、福島キヤノンや取手事業所では、排出時における廃棄物データの自動収集・集計システムを導入し、排出職場の集計が容易になるなど、効率的な削減活動に取り組めるしくみづくりにも取り組んでいます。
2025年の廃棄物総排出量は8万5,753tとなり、2024年とくらべ8.7%の減少となりました。
- ※ カラーマスターバッジを除く
- ※ 回収した使用済み製品の廃棄は除く
- ※ 主にISO14001統合認証の取得会社を集計の範囲としています
廃棄物の社内循環利用と社外再資源化の取り組み
キヤノンでは、事業活動にともない発生する廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化を積極的に推進し、循環利用ができない廃棄物は法律などの定めに従い適正に処理しています。社内循環利用としては、ストレッチフィルムやビニール袋などの部品包装材を擬木ベンチとして再利用し、社内備品としてのリサイクルなど、各事業拠点でさまざまな工夫をしています。キヤノンから社外に排出せざるを得ない廃棄物についても資源ごとに再資源化処理を委託し、日本国内での埋め立て処理はしていません※。2025年は8万4,382tの再資源化処理を委託しました。
- ※ 行政の管理にもとづき処理される一部の事業系一般廃棄物を除く
使い捨てプラスチック削減に向けた取り組み
キヤノンは、持続可能な社会の実現に向けて包装材の脱プラスチック化を積極的に推進しています。プリンター用トナーカートリッジ「CRG070」シリーズでは、従来使用していた再生プラスチック製の緩衝材を、再生紙製の緩衝材に置き換えました。
紙製緩衝材の採用にあたっては、紙粉の付着防止が課題でした。従来は製品をプラスチック製の袋で紙粉から保護する必要がありましたが、緩衝材の表面に添加剤を施すことで、プラスチック袋を不要にしました。
この取り組みにより、製品の包装材(外装箱、緩衝材、保護袋)におけるプラスチック使用量ゼロ※1と100%再生可能資材の使用を実現し、資材削減と環境負荷低減を両立しています。さらに、同シリーズの緩衝材の原材料・製造に伴うCO2排出量※2を約65%削減することができました。
- ※1 ラベル、コーティングや接着剤に用いる材料は除く
- ※2 トナーカートリッジCRG070シリーズの緩衝材置き換え前後の比較
また、キヤノンは環境負荷低減に向け、産業用プリンターのインクタンク包装の革新を進めています。
キヤノンプロダクションプリンティングでは、従来のインクタンクはインク残渣によりリサイクルが困難でしたが、新たに「バッグインボックス」方式を採用。プラスチック製の柔軟な袋にインクを充填し、それをボール紙製の堅牢な箱で支える構造により、プラスチック使用量を60~80%削減、空容器の保管スペースを75%削減、さらにカーボンフットプリントを40~70%低減します。
加えて、プリンターへの接続はクリーンで簡単、充填時の泡立ちやインクロスを防ぎ、作業効率も向上。これにより、環境配慮と利便性を両立した持続可能なソリューションを実現しました。
オフィス向け複合機用梱包材の段ボール紙の使用においては、発泡スチロールと同等の機能を保持するために、段ボール紙の使用量が増えて梱包材の重量が増える課題がありました。そこで、機能を満足しつつ使用量の削減を行い、廃棄物量の削減と輸送時のCO2排出量削減に向けて、より軽量な組立式の段ボール紙梱包形態への切り替えに取り組んでいます。
メディカル事業における環境負荷低減と廃棄物の総排出量原単位の改善
今後は2030年50%メディカル事業の那須事業所では、環境負荷低減の取り組みとして、廃使用製品の分別を強化し、パーツのリユースや有価物の売却を推進しています。また、廃棄物総排出量原単位の改善については、1%以上の改善を目標に、納品パレットの持ち帰りや再利用を進めた結果、2024年比で4.2%の改善を達成し、目標を上回る成果を得ました。
イメージング事業におけるシングルユースプラスチック削減
イメージング事業では当該年に新発表されたレンズ交換式デジタルカメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラのうち、脱シングルユースプラスチック包装材※を使用した製品の割合を2030年までに100%にすることを目標としています。
2023年発売のPowerShot V10を皮切りに、EOS R50 V、RF75-300mm F4-5.6などアクセサリー類を含め、33機種で脱シングルユースプラスチック包装を実現しています(2025年末時点)。
- ※ 石油由来のプラスチック。ラベル、コーティングや接着剤に用いる材料は除く。