ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
取り組み
女性の活躍推進
キヤノンは、性別を問わず能力に即した平等な機会を提供するとともに、公平な処遇を徹底しています。
日本においては、女性活躍推進法で定められている行動計画の策定と情報開示に加え、KPI達成に向けたキヤノン独自の取り組みを実施しています。キヤノン(株)では、女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施し、自律的なキャリアの描き方やリーダーシップについて学ぶ機会を設けています。受講生は、2012年の開始から累計で315人となりました。これらの取り組みの結果、女性活躍のKPIである「女性管理職比率を2025年末までに2011年比で3倍以上とする」という目標を2024年に、前倒しで達成しました。2026年からは、「女性管理職比率を2030年末までに10%以上にする」という新たな目標を設定し、達成に向けて取り組みを開始しています。将来的には、女性管理職比率を社員総数における女性比率(2025年末17.1%)と同等にすることをめざしています。また、経団連の「2030年30%へのチャレンジ」※に賛同しています。
- ※ 2030年末までに役員に占める女性比率を30%以上にする
さらに、育児休業から復職した社員とその上司を対象としたオンライン復職セミナーや、管理職によるメンタリングのほか、女性役員による講演会やインタビュー、女性管理職の体験談の紹介などを通して、仕事における心掛けやライフイベントとの両立についての気づきを得る機会を提供しています。
国内グループ会社においては、社長と女性社員の座談会やアンケートによる意識調査のほか、社内外の女性リーダー候補者との交流会、キャリアアップ研修、育児休業取得者を対象とした研修など、女性のキャリア形成支援に取り組んでいます。
海外においても、2020年より中東・アフリカの各グループ会社で国際女性デーにあわせて、女性の活躍を支援する社内キャンペーン「SHE RISE Program」を開始しています。また、キヤノンヨーロッパでは、統括地域を対象としてダイバーシティ&インクルージョン・コミットメントを策定し、ダイバーシティへの意識向上に向けた啓発活動の実施や、多様な人材の採用などに関してモニタリングとレビューを行っています。
キヤノン(株)では、従業員の性別によらず、同一の報酬体系を適用しています。男女の賃金差異は、男性にくらべ女性の管理職比率が低いことが主な要因です。今後も、前述の女性の活躍推進施策を通じて、女性管理職比率を向上させ、差異解消をめざしていきます。
2025年従業員一人当たりの基本給と報酬総額の男女比[キヤノン(株)]
| 女性:男性 | ||
|---|---|---|
| 基本給 | 管理職 | 100:105 |
| 一般社員 | 100:113 | |
| 報酬総額 | 管理職 | 100:108 |
| 一般社員 | 100:121 | |
女性リーダー研修参加者の声
第12期生として2024年に女性リーダー研修を修了しました。新規事業創出のアクティブラーニングを通じて、リーダーシップに加え、経営戦略的な視点や実践的スキル、市場原理と顧客価値の本質を見極める力を習得しました。多様な価値観を尊重し、相互理解を深めながら合意形成を図る経験は、自身の価値観を見つめ直す契機となり、研修後のインクルーシブなリーダーシップの礎となっています。また、ともに研修を受講した仲間は、今後も互いを支え合い、高め合う貴重な財産です。
デジタルプリンティング
事業本部
社外からの評価
キヤノン(株)、キヤノン・コンポーネンツ、福井キヤノンマテリアル、福島キヤノンは、女性の活躍に関する取り組みが優良であると評価され「えるぼし」の3つ星に認定、またキヤノンマーケティングジャパン、キヤノンITソリューションズは2つ星に認定されました。
「えるぼし」は、女性の活躍推進に関する状況が優良であり一定の条件を満たした企業に対して厚生労働省より認定されます。
男性の育児参画支援
キヤノンでは、男女共同参画社会の実現に向け、男性の育児参画支援の取り組みを進めています。
キヤノン(株)や国内グループ会社では、育児関連制度を利用した男性社員の座談会やインタビューのほか、育児関連制度を紹介するセミナーなどを実施しています。これらの取り組みの結果、2025年のキヤノン(株)の男性の平均育児休業取得日数は、94日となっています。また、キヤノン(株)の男性の育児休業取得率は、2011年の1.9%から2025年には86.3%まで大幅に増加し、「男性の育児休業取得率を2025年までに50%以上とする」という目標を2023年に、前倒しで達成しました。2026年からは、「男性の育児休業取得率を2030年末までに100%以上にする」という新たな目標を設定し、取り組みを加速させていきます。
LGBTQ+など性的マイノリティへの対応
キヤノンは、「キヤノングループ行動規範」に個人の尊重ならびに人種、宗教、国籍、性別、年齢などを理由とした差別の禁止を掲げ、LGBTQ+など性的マイノリティを包含した取り組みを行っています。職場におけるあらゆる差別の撤廃をめざし、管理職研修で差別防止に向けた教育を実施するほか、職場単位のミーティングなどの機会を活用し、従業員に対する理解の徹底を図っています。また、キヤノン(株)および国内グループ会社の社員を対象に、LGBTQ+など性的マイノリティに関する内容を含む「心のバリアフリー研修」を実施し、理解促進を図っています。「心のバリアフリー研修」とは、社会における「バリア」があることで生じている困りごとや痛みを社員一人ひとりが理解することを目的とし、障がいのある方や性的マイノリティの方が不便に感じていることや、配慮すべきポイントなどを学ぶeラーニングです。キヤノン(株)では、2023年から2025年の累計で2万5,346人が受講しました。
このほか、バリアフリートイレの設置など生活環境面での対応を行っています。さらに、社内相談窓口を設け、専任のカウンセラーがさまざまな相談に対応する体制を整えています。
シニア人材の活躍推進
キヤノン(株)では、60歳の定年後も社員が安心して働き続けられるよう、65歳までの5年間を対象とした「定年後再雇用制度」を導入しています。再雇用者が利用できる「定年後再雇用公募制度」は、再雇用者の主体的なキャリア形成を支援するとともに、豊富なスキルや知識をもつ人材を求めている組織のニーズに応えるしくみです。さらに、ライフステージに応じた働き方を実現するため、短時間勤務など柔軟な勤務体系を整備しています。2025年末時点では、2,730人の再雇用者が各職場で活躍しており、定年を迎えた社員のうち85%が再雇用制度を利用しています。
障がい者の社会進出を積極的に支援
キヤノンは、ノーマライゼーションの理念※1を尊重し、キヤノン(株)および国内グループ会社において、障がいのある方の採用を積極的に進めています。
キヤノン(株)の障がい者雇用率は、2025年では法定雇用率の2.5%を上回る2.7%となっています。採用過程においては、職場配属後に速やかに活躍できるよう、職場体験や職場見学なども行っています。
また、障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりにも注力し、バリアフリー対応をはじめとした設備面の改善に努めるとともに、配属可能な職場・職務の開拓を進めています。
キヤノンウィンド※2では、主に知的障がいのある方を採用し、高い就業定着率を維持しており、2025年末時点で、25人の社員が働いています。職場には、障がい特性を理解した福祉専門職を配置し、生活面も含めたフォローを行っています。また、技術部門の協力のもと、社員の作業をサポートするからくり治工具を作成することにより、職域を拡充しつつEOSシリーズのカメラの生産に貢献しています。これらの合理的配慮や関連部門の支援により、より効率よく確実に仕事を行うことができる労働環境を整備し、障がいのある社員の働きやすさと働きがいを実現しています。キヤノンウィンドは、先進的な障がい者雇用の事例として評価され、2020年には厚生労働省から障害者雇用優良事業所表彰を受けるなど、多くの賞を受賞しています。
また、2016年に改正された「障害者雇用促進法」における障がい者の差別禁止と合理的配慮の提供の義務化にともない、キヤノン(株)および国内グループ会社では各事業所に相談窓口を設置しました。各事業所では差別禁止を徹底するとともに、個別面談を実施し、避難訓練時の個別の声掛けや個別誘導など災害時の備え、施設使用に関する配慮など合理的配慮の提供に努めています。
また、キヤノン(株)および国内グループ会社では、聴覚障がい者と協働する職場を対象に、より円滑に業務を進めることを目的として、聴覚障がいについての正しい知識や手話などを紹介する集合研修とeラーニングを2004年から実施し、2025年までにのべ1,111人が受講しました。
- ※1 国連の国際障害者年行動計画が提起している理念で、「私たちの社会はさまざまな特質をもった人々の集まりであり、種々の場においても健常者と障がい者がともに存在することが人間にとってノーマルな状態であり、したがってそのような状況をつくり出すべきである」を主旨としている
- ※2 知的障がい者の雇用促進を目的に、2008年に社会福祉法人暁雲福祉会との合弁で設立された大分キヤノンの特例子会社
仕事と介護の両立支援
少子高齢化が進む日本では、介護を理由とする離職を防ぐことが重要な社会課題の一つとなっています。キヤノンは介護離職低減に向け、仕事と介護の両立を支援する活動を進めています。キヤノン(株)や国内グループ会社では、介護セミナーや介護従事者へのインタビューのほか、介護が必要になった際の初動対処方法や公的・社内の介護関連制度の紹介などを行っています。
2020年からは、自治体と協力して介護セミナーを継続的にオンライン開催しています。