ものづくりプラットフォームとは
ものづくりプラットフォームとは、キヤノンがこれまでものづくりを通して獲得・強化してきた技術を、全社で活用しやすく体系化した技術基盤です。
魅力ある製品を世の中に送りだすためには、高度なものづくり技術が欠かせません。キヤノンでは、製品に適したものづくりを行うなかで、除去・型成形・成膜・組立という4つのつくり方を高度に実現する技術を獲得・強化してきました。そしてこれまで蓄積した技術を、部品のつくり方を考案するプロセス設計技術、装置の動作を制御する装置要素技術、これらの技術を装置化するシステム化技術に大別し、全社で活用できるものづくりプラットフォームとして体系化しています。このプラットフォームを活用して、精密加工装置や自動組立装置を内製し、キーパーツやキーユニットを生産しています。
キヤノンのものづくりの強みは、さまざまな装置を内製していることです。もともとカートリッジなどの消耗品生産のために始まったキヤノンの自動化技術。たとえば、以前は不可能だった組立精度のバラつきを、自動組立生産によって、極めて小さくすることができ、その分それまで諦めていた複雑な設計も盛り込めるようになるなど、お客さまに新たな価値をもたらしてきました。このような進化は、カートリッジだけでなく、カメラ、半導体製造装置、医療機器など、キヤノンのあらゆる事業領域に展開され、より付加価値の高い製品を生みだしています。

活用事例:
多品種のカメラ用レンズを1台で組み立てる自動化装置
自動化装置によって生みだす対象は、これまでインクやトナーカートリッジなど大量生産品が主流でしたが、今では多品種・少量生産の領域にも拡大しています。
キヤノンの自動化装置の特長は、精度の高さと絶妙な力加減です。その一例が電子部品の配線である「フレキケーブル」の組み付けです。薄くて柔軟性があるため、つかむ位置やタイミングが定まりづらいフレキケーブルを、絶妙な力加減で折り曲げ、必要な位置に素早く、精度よく組み付けることができます。これを可能にしているのは、ロボットアームの先端に取り付けたカメラによって、アームと部品の位置関係や組み付ける部品同士の距離をリアルタイムで認識しながらロボットアームを緻密に制御する技術です。また、ロボットアームの先端にかかる微小な力をセンサーによって高感度に検知することで、繊細な力加減が必要な工程にも難なく対応します。
こうした自動化技術の進化により、多品種のカメラ用交換レンズを1台の自動化装置で組み立てられるようになるなど、ものづくりプラットフォームの技術は、製品競争力の源泉となっています。

関連リンク
技術紹介PDF「キヤノンフロンティア」
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