超音波診断装置

超音波を使って、リアルタイムで体内を映像化

超音波診断装置

人間の耳では聞くことのできない「超音波」が、組織の境目から反射された信号をとらえて、臓器の形や大きさ、血液の流れの速さなどを画像化することで診断に役立てることのできる超音波診断装置。被ばくがなく安心で痛みもなく、繰り返し検査できるため、診断装置として、日常診療から精密検査、治療のガイドから治療後の経過観察まで、幅広く活躍しています。

目次

超音波診断装置のしくみ

人間の耳で聞くことができない「超音波」。音には波の性質があり、人間には聞こえない超音波を利用して体内の様子を画像化するのが超音波診断装置です。体内に超音波を送り、臓器や組織からはねかえってくる反射波(echo=エコー)を受信して、その情報をもとに画像をつくりだします。

超音波診断装置のユニットを紹介する画像です。

超音波診断装置は、プローブ、ディスプレイ、操作部、制御部の大きく4つのユニットから成り立っています。
プローブは、超音波の送信、受信の役割を担い、超音波診断装置の画質を左右するキーパーツです。診断したい部位に向けて超音波を発信。臓器や組織からはねかえってくる反射波を正確に受信する必要があります。プローブは診断部位ごとに最適なものが開発され、必要に応じて使い分けられるようになっています。

部位ごとの画像の見え方を紹介する画像です。

操作部は、ボタンやトラックボールなどが配置され、明るさやコントラスト強調などの画像調整、過去に撮影した画像と並べての比較や経年表示といった機能の切り替えなどを行います。 制御部は、プローブで受信された超音波信号の処理・画像化を行う「頭脳」の部分です。画像をハードディスクやメディアに記録する役割もあります。

音の反射を画像化するしくみ

体の中を超音波が進むと、臓器や組織の境目で反射する波と通過する波の両方があります。超音波診断装置は、その性質を利用し、はねかえってきた超音波を受信し、その情報をもとに画像をつくりだします。超音波の反射がない場所は、画像上では黒っぽく表現されます。反対に、反射がある場所は、明るく(白っぽく)表現され、体内を画像化するしくみです。体の中の様子をリアルタイムで画像化でき、超音波は人体に無害で副作用ないため、繰り返し検査を行うことができます。

キヤノンの超音波診断の技術

細く、鋭い超音波ビームの送受信を実現し、繊細でクリアな画像を取得可能に

超音波は特性上、送る距離が長くなればなるほど、返ってくる音波が弱くなるため、体の深い部分を鮮明にとらえることができないという課題がありました。キヤノンでは、2つの異なる波形の超音波を組み合わせて同時に送信する技術を生み出し、深いところまで届く、新たな超音波を発生させるとともに、受け取る超音波のビームを細く、薄くすることで理想的な画像を得ることに成功しました。

【動画】 2つの異なる波形の超音波を組み合わせ同時に送信する技術を開発

また、超音波の受信においては、プローブで受信するビームの幅が厚いと、診たい部位以外の不要な情報も多くなってしまうことから、キヤノンでは半導体加工技術を応用して、センサー部分を垂直方向に三分割。それぞれの受信タイミングをずらすことで、受信する部位の範囲を細く、薄くすることに成功。さらに高速受信回路で、1秒に100枚以上の画像を取得できるようにしました。体の浅いところから深いところまで、鮮明な画像を診ることができるようになり、診断部位も大きく拡がり、内科や産婦人科のみならず、整形外科での診断など、幅広い分野で利用されています。

ビームの幅が厚いと不要な情報も多いことを説明するイラストです。
ビームの幅が厚いと不要な情報も多い
ビームを鋭く、薄くし、診たい部位の情報を受信することを説明するイラストです。
ビームを鋭く、薄くし、診たい部位の情報を受信

見ることができなかった血管の血流を可視化する独自技術「SMI」

かつて、超音波診断装置では、腎臓や肝臓内部など速度が遅い血流を見るときに、不要なノイズまで受信して、鮮明な像が得られず、画像処理によってノイズを取り除こうとすると、微細な血管など必要な部分も除去されてしまっていました。キヤノンが独自に開発した血流イメージング法「SMI(Superb Micro-vascular Imaging)」では、受信した信号を処理する際に、微細で速度の遅い血流はそのままに、不要なノイズだけを取り除くことを実現。これまでは造影剤を使っても見ることができなかった0.1mm未満の血管の血流も見ることができるようになり、がんや関節リウマチなどの早期診断や治療方針の決定をサポートできるようになりました。

【動画】 キヤノンが独自に開発した血流イメージング法