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社会貢献活動

事業で培った技術や知識を生かして、地域社会の持続的な発展に貢献します

青少年の創造性と表現力を育む「Young People Programme」

キヤノンヨーロッパでは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、青少年の創造性と表現力の育成を目的とした「Young People Programme(YPP)」を欧州、中東、アフリカ地域において展開しています。このプログラムは、SDGsの考えをもとに現地のNPO団体と協力しながら、写真・映像撮影を通じて、若者に創造的な表現の機会を提供しています。2015年にプログラムを開始して以来、これまで4,750人以上の若者を支援してきました。2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため学校が閉鎖されるなどの影響もありましたが、オンラインでの授業を取り入れながら、イギリス、スペイン、ポーランド、南アフリカなど、各国でプログラムを実施しました。

キヤノンサウスアフリカは、YPPの一環として、NPO団体「Wild Shots Outreach」に機材提供や研修のサポートなどを行っています。この団体は、若者たちが写真を通じて野生動物について学び、自然保護の意識を高めることを目的に活動しています。これまでに600人以上の若者がプロジェクトに参加し、自然の大切さを学ぶとともに、写真撮影など職を得るためのスキルを身につけ、地域社会に前向きな変化をもたらしています。

「Young People Programme」に参加する学生たち

SDGsに向き合う若者たちを後押し

  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

キヤノンヨーロッパはYPPの流れをくみ、英国の持続可能性に関する表彰「Global Good Awards」の部門賞として新設された「Canon Young Champion of the Year賞」をサポートしています。この賞はSDGsに関連した社会・環境問題に取り組む世界中の若者を表彰し、後押しするもので、選考にあたっては、活動の主旨やSDGsとの関連をまとめた書類ならびに写真やビデオを、キヤノン社員を含む4人の審査員で審査しています。

活動に取り組む子どもたち

アフリカ地域において技術力向上と雇用創出をめざす「Miraishaプログラム」

アフリカでは若者の失業率が深刻な問題となっています。また、写真・映像の撮影や印刷需要が高まる一方、そのスキルが国際水準に達しておらず、ビジネスの大半を外国企業が担っているという現状があります。こうした状況を受け、キヤノンヨーロッパは、写真・映像撮影や印刷産業におけるアフリカ地域の若者の技術力を向上させ、雇用拡大をめざす「Miraishaプログラム」を進めています。「Miraisha」とは、日本語の「未来」とスワヒリ語の「マイシャ(生活)」を組みあわせた造語です。これまでケニア、ガーナ、ナイジェリア、エチオピア、ウガンダ、カメルーン、コートジボワールなどにおいて、地元政府機関や教育団体、イベント主催者、キヤノンアンバサダー(プロ写真家)などとともに、5,850人を超える参加者に対し、写真・映像撮影や印刷分野のワークショップを実施しました。また、地元の写真家や映像制作者をキヤノン認定のMiraishaトレーナーとして育成するため、指導者養成プログラムも実施しています。2020年までに26人がMiraishaトレーナーに認定され、うち2人はキヤノン社員として雇用されました。

ケニアのエンブで行われた「Miraishaプログラム」のワークショップ

インドにおける多角的な支援「4E’sプロジェクト」

キヤノンインディアは、NGO団体「Humana People to People India」と協働し、オフィス近隣の貧しい村を対象に「アイケア(Eye Care)」「教育(Education)」「環境(Environment)」「自立支援(Empowerment)」の側面からさまざまな支援を行う「4E’sプロジェクト」を実施しています。

特にアイケア分野では、キヤノンが重点事業戦略の一つに掲げ、強化・拡大を図るメディカル事業の技術を生かし、視覚障がい者を救済する眼科医療の充実に努めています。インドの視覚障がいの多数を占める白内障はその8割が予防や治療が可能といわれているにもかかわらず、医療のインフラが十分に整っていないため適切な検査や治療を受けられないという課題があります。そこで、対象となる村に「ビジョンセンター」を開設し、キヤノンの眼科機器を使用した検診を提供しています。2020年は1,578人が訪れ、うち270人に無償で眼鏡が提供されたほか、80人がさらなる診療のため病院で受診しました。

教育の分野では、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、子どもたちの学習に影響が出ないよう、オンライン授業や、感染予防策を講じた個別授業を支援しました。

ビジョンセンターでの眼科検診

アジアの教育支援

キヤノンでは、アジア各地で次世代を担う子どもたちの教育支援を行っています。

中国では、子どもたちの学ぶ権利を尊重し、就学機会を提供するための「キヤノン希望小学校」をこれまでに10校設立し、教育環境の改善に取り組んでいます。キヤノン大連では毎年、希望小学校の生徒を対象に、環境保護教育や市内の文化施設案内など、子どもたちの知見を広げる教育活動や寄付・支援活動を行っています。2020年は、4校に対して計約111万円相当の物品の寄付を行いました。

ベトナムでは、インフラが整わない貧困地域の学校を対象に、教室の建築、机や椅子、本などの備品を寄贈しています。支援先の学校を定期的に訪問し、トイレや手洗い場などの施設の修復や学用品などの寄贈を継続的に実施しているほか、地元の大学と提携し、学生が与えられたテーマに対して機械装置を制作する技術コンテストを開催するなど、ベトナムの技術基盤の向上に協力しています。

またタイでは、子どもたちの能力を高め、将来経済的に自立した人材を育成することを目的に小学校でのボランティア活動を継続して実施しています。2020年も50人以上の社員が小学校に出向き、農業体験や料理教室、アルコール手指消毒液や石鹸づくり教室など幅広い活動を実施しました。また新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学校に2カ所の手洗い場を寄贈しました。

このほかの地域でもマッチングギフト制度を通じた寄付活動を行っています。キヤノン(株)では、日本全国のキヤノンの従業員から、不要になった図書やCD、DVDなどを集めて行う社内バザー「チャリティブックフェア」を1997年より開催しています。収益金はマッチングギフト制度により会社から同額の寄付金を上乗せした上で、タイやラオス、カンボジアなどのアジア地域の教育・医療を支援する団体に寄付します。

キヤノン希望小学校へ物品を寄贈

復興支援活動

福島キヤノンは、東日本大震災の被害を受けた南相馬市(福島県)の鹿島地区海岸防災林の再生に向けて、福島県と協定を結んでいます。2020年も福島キヤノンの社員は、2018年と2019年に植樹した2,000本のクロマツ周辺の除草作業を行いました。未曾有の大津波が押し寄せたことを次世代に語り継ぎながら、復興のシンボルとして防災林を大切に維持していくことをめざしています。

次世代育成プログラム「光と色のじっけん室」

キヤノン(株)は公益財団法人日本科学技術振興財団と連携し、子ども向けの実験プログラム「光と色のじっけん室」を開催しています。子どもたちが楽しみながら学ぶ場を提供し、科学や技術へ関心をもつきっかけをつくることを目的に、キヤノン製品に搭載している「光」や「色」の技術について、さまざまな実験を通してショー形式で分かりやすく説明しています。2020年は1~2月の開催にとどまりましたが、1,153人が来場しました。

日本の文化を未来に継承する「綴プロジェクト」

キヤノン(株)は、2007年から特定非営利活動法人京都文化協会とともに文化財未来継承プロジェクト、通称「つづりプロジェクト」を実施しています。

この取り組みは、文化財として価値の高い屏風や襖絵などをデジタルカメラで撮影し、独自のシステムを用いて高精度なカラーマッチングを行った上で、大判インクジェットプリンターで出力。金箔や表装などの京都伝統工芸の技を加えて、オリジナルの文化財に限りなく近い高精細複製品を制作し、かつての所蔵者やゆかりのある寺社、博物館、地方自治体などに寄贈するものです。日本の貴重な文化財の保存と高精細複製品の活用を両立し、日本文化の継承と発信に貢献しています。

2020年は、東京国立博物館所蔵の国宝「松林図屏風」(長谷川等伯筆)、国宝「納涼図屏風」(久隅守景筆)、重要文化財「歌舞伎図屏風」(菱川師宣筆)、重要文化財「秋草図屏風」(俵屋宗雪筆)、九州国立博物館所蔵の「唐船・南蛮船図屏風」(狩野孝信筆)の高精細複製品を制作し、独立行政法人国立文化財機構へ寄贈しました。今期はキヤノンの最新機材で構成される撮影システムにより約54億画素の高精細データを取得するとともに、撮影時間や照明の強さなど、文化財への負担を最小限に抑えながらオリジナルにより忠実な高精細複製品を制作しました。

また、2018年に発足した国立文化財機構文化財活用センターとの高精細複製品を用いた日本の文化財活用のための共同研究プロジェクトにおいて、重要文化財「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」(尾形光琳筆・酒井抱一筆)など5作品の高精細複製品を制作。綴プロジェクトの寄贈作品とあわせて広く活用され、東京国立博物館で開催された「トーハク×びじゅチューン!『なりきり日本美術館リターンズ』」をはじめ、全国の博物館・美術館で大人から子どもまで楽しめる展覧会が開催されています。

国宝「松林図屏風」の高精細複製品を使用した展示(東京国立博物館)

  • 文化財未来継承プロジェクト「綴プロジェクト」は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会より「東京2020公認プログラム(文化オリンピアード)」の認証を受けています

インスタグラムを通じたCSR情報の発信

キヤノンは、写真共有に特化したSNSとしてグローバルに認知度の高いインスタグラムで、各グループ会社のCSR活動に関する情報を発信しています。キヤノンのCSR公式アカウントでは、各地域の活動現場の雰囲気や、参加者の生き生きとした表情が伝わる写真を公開し、キヤノンのCSR活動を身近に感じてもらい、活動への理解と共感を得られるように工夫しています。またそれぞれの活動をSDGsと関連づけて、社会課題にどう貢献しているか分かりやすく示しています。

キヤノンCSRインスタグラム公式アカウント
@canon_csr

「キヤノン財団」を通じた人類の持続的発展に資する研究助成活動

キヤノン財団は、科学技術の発展への貢献を目的に2008年に設立され、キヤノンの事業活動にとらわれることなく、幅広い分野で科学技術研究を助成しています。

キヤノン財団は、これまで11期12年間で177件、約32億円の研究助成を行ってきました。1件平均はおよそ1,800万円と比較的高額な研究助成を萌芽期の研究や、まだ実績の多くない若手研究者などに行い、特徴のある研究助成財団として、日本全国の大学や研究機関に認知されています。

社会の新しい価値を作り出すことをめざし、先端の科学技術に挑戦する研究を支援するというコンセプトのもと、2019年からは「善き未来をひらく科学技術」「新産業を生む科学技術」という2つの研究助成プログラムを実施しています。

人類社会が直面する課題克服への貢献をめざす「キヤノングローバル戦略研究所」

キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は、キヤノン(株)の創立70周年を記念して、2008年に一般財団法人として設立された非営利の民間シンクタンクです。

CIGSは、グローバリゼーションの時代にあって日本経済を積極的に世界経済の中に位置づけ、世界において日本がどうあるべきかという視点から現状を分析し、戦略的な提言を発信することを目的に、産学官各界の多様な研究者によってグローバルな活動と知識の交流を図っています。コロナ禍においても、オンラインを活用したイベントや研究会活動を通じ、科学的に価値のある調査・研究を行い、その結果に基づいた情報発信や政策提言を行っています。

2020年に新設された研究会

研究会名
超高齢化時代対応研究会
コロナ危機下のバランスシート問題研究会
コロナ危機下の医療提供体制と医療機関の経営問題についての研究会
エネルギー判例研究会
再生エネルギーと法研究会
地球温暖化問題研究会
次世代原子力をめぐる研究会
公共デジタル・トランスフォーメーション研究会
国と地方のあり方研究会
Empathy Robot(ER)Workshop