一流のプロが相手の
B to B ビジネス
だからこそ、
相手に満足してもらいたい
それがこの仕事の醍醐味

半導体量産技術としてのナノインプリントの開発

光学機器事業本部

井本 浩平

プロフィール

小学生の頃におもちゃの戦闘機の照準器を透明のプラスチック板などを用いて作り、精密機械や光学部品に興味を持つことになる。その後、精密光学を学び、大学院では仮説を立てて検証することで問題解決の基礎を学ぶ。
入社後、光学機器本部に所属、その後、次世代露光装置の開発で総合R&D部門に異動。次世代露光装置の排発から、国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡の開発・設計に5年間従事。その後、再び光機に戻りナノインプリントの開発に携わり現在に至る。

キヤノンを選んだ理由

子どもの頃から精密光学に興味を持っていて、それを学んできましたので、光学系の研究開発に携わりたいと考えていました。キヤノンはカメラを始め、光学系の製品の幅が広く興味がありました。また、世界でもトップクラスの企業であり、最先端の技術を開発しているので、そこで自分も仕事をしたいと思って入社を決めました。

わたしの仕事

半導体産業に大きな革命を起こすナノインプリント
より繊細な回路の製造をもっと広めるために

半導体の回路を製造するには、光を使って回路を焼き付ける露光技術が用いられてきましたが、その技術での製造に限界が見え始めました。限界を打ち破る画期的な技術がナノインプリントです。
ナノインプリントは、土台に回路パターンが埋め込まれた型を押し付けるような方法で半導体を製造する技術です。より微細な回路を実現することで半導体の能力を飛躍的に向上することができます。ナノインプリントを用いた 半導体の量産を可能にするための開発を行っています。
技術の開発には、多くの人の協力が必要です。使い手である顧客の意見に耳を傾けることも必要ですし、今、最先端の技術を持つ米国キヤノンナノテクノロジーズ社と協力しあい、開発を進めています。
半導体露光装置の開発においては、個々の技術力だけではく、お客様や社内、部品メーカーなど多様な人とのコミュニケーション能力が欠かせない仕事だと思っています。

キヤノンで働く魅力

製品への要求が厳しい顧客との技術ディスカッション
技術難度の高い産業機器ならではの現場
難題を解決することは、技術者にはやりがいなんです

私が関わっている半導体などの産業機器の研究開発は個々の顧客の顔が見える仕事です。顧客はプロ中のプロばかりで、私たちの製品に対する要求は非常に厳しくなります。技術難度が非常に高いんです。私たちはその要求に対して提案し、製品で応えていきます。技術者にとって、プロである顧客と技術に関するディスカッションをしながら進めていくことは、コンシューマ製品にはない魅力でもあります。
それから、産業機器の製品の開発は、できることは何でもやっていかないと他者に負けてしまいますので、その技術開発をする体力のある企業でないと難しいんです。キヤノンだからこそ出来ることも多く、大きな魅力です。
難題が目の前にあるほど、燃えるタイプなので、この職場は本当に気に入っています。

わたしのチャレンジ

すばる望遠鏡プロジェクトでの経験を生かし
プロが満足する使いやすい製品をつくり続ける

5年ほど、国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡のプロジェクトメンバーとして、大きな望遠鏡の鏡筒の製作に関わった時期がありました。
観測所はハワイといえど、高所で低温になることもあります。環境の厳しさにも耐え、大きな望遠鏡でレンズの精度を保つにはオールセラミックスの鏡筒が最適と提案したのですが、難題が多く、当時は誰も本気にはしませんでした。そのような厳しい状況でしたが、チームのメンバーと諦めずに取り組み、実現させました。国立天文台のメンバーにも喜ばれ、私の仕事の誇りの一つです。
また、この提案は、他の企業であればリスクを考え、止められたかもしれません。キヤノンがそれを後押ししてくれる企業であることも心強く思っています。
今後もこのようなプロである顧客に使い勝手がいいと喜んでもらえるような製品技術を開発し続けることが私の目標です。