製品をつくるために、
商品を届けるために
ロジスティクスで
キヤノンを支える

ロジスティクス統括センター

グループ会社のロジスティクス強化

竹内 健二

プロフィール

学生時代は、美術・芸術学を専攻し、数多くの美術・芸術作品を鑑賞。その中でも絵画や映画などの視覚芸術に興味を持つ。今も、美術館などへはよく出かけている。
また、フランス語修得にも時間をさき、日常生活に差し支えないレベルまで到達。
入社後は一貫してロジスティクス部門に従事。2003年入社後はアジアの海外工場から海外の販売会社への国際輸送・貿易手配担当。2006年から製品のみならず生産用部品・サービスパーツまで製造・販売に必要な多種多様な品物を日本へ輸入する業務を担当。またロジスティクスシステムの設計から業務システム運用立ち上げも行った。2008年から2009年にかけては、社会人大学院大学に入学し、仕事の傍ら、製品設計・品質工学・市場調査・プロダクトデザイン・プロジェクトマネジメントなどを学ぶ。
2010年にはキヤノンヨーロッパ(オランダ)へ出向。念願の海外赴任では輸入・企画部門で西欧・東欧・ロシア・中東・南アフリカという広範囲な市場を対象に販売物流を支援。2015年本社帰任。国内外の物流サービスとコスト情報を収集し、グローバルコストダウン活動事務局を担当。2017年から産業機器ビジネスのロジスティクスを担当する部門に。成長著しいグループ会社が扱う特殊装置の輸送を対象にグループ会社支援を担当し、キヤノンのロジスティクスを見続けている。

キヤノンを選んだ理由

学生時代から視覚芸術に興味があったので、視覚コミュニケーションに関連のある製品、サービスを提供し社会貢献している企業を探し、キヤノンにたどり着きました。フランス語を学んでいたので、海外での仕事にも興味がありました。海外赴任の機会が多いことも大きな魅力でした。

わたしの仕事

膨大な量のモノが動くキヤノン
輸送ロスを減らし大きく売り上げに貢献する

キヤノンでは、多くの商品、そしてそれらを作るための資材、部品など膨大な量のモノが世界中で動いています。それらのモノをどのような輸送モードで、どのルートで運ぶか。情報を集め、輸送に関わる会社と交渉し、最適な方法を選んでいきます。臨機応変に輸送サービスを提供し、輸送コストのロスを抑えることができれば、売上、利益に直接貢献できます。もちろんロスを出せば、利益が下がります。ロジスティクスは企業活動において重要な機能だと思っています。
また、モノの輸送には、世界に同一のモノを運ぶユニバーサルな面と、その国の規格に合うモノを運ぶリージョナルな面があり、想像以上に複雑です。広い視点から仕事を見つめることも必要です。
現在は、これまでの経験を生かし、成長著しいグループ会社のロジスティクス支援をしています。最近新しく発足したプロジェクトで、超大・精密な貨物を輸送する必要があり、輸送規制、輸送品質、顧客要件を調査し、最適解を追求しています。

キヤノンで働く魅力

物流は戦略が求められる時代へ
モノに対してどういうコトができるのか
ロジスティクスの腕の見せどころ

物流はモノを運ぶということで現場の仕事のイメージが強いと思いますが、実際は違います。いかにロスを減らし早く安全に運べるかという戦略が非常に重要です。
入社して間もない頃は、キヤノンのデジタル一眼レフカメラという一製品の輸送に関われることが面白かったりしましたが、今は企業活動におけるロジスティクスの機能と役割を理解した上で、コスト削減や輸送効率提案を行い会社に大きく貢献できることがわかり、非常にやりがいを感じています。
たとえばヨーロッパにモノを運ぶのにもロシアの陸路で鉄道を使うのか、インド洋、地中海を経由した船を使うのか、また時期によっても最良の方法が変わってきます。時には他社研究をしたり、物流会社の話に耳を傾けたりとリサーチを重ねます。
このような大規模な事例もありますし、一つの工場や倉庫の中でモノの流れを改善しただけで製品ダメージや販売機会損失を大きく減少することもあります。
モノに対してどういうコトを考え、行うかで変わるのです。私たちロジスティクスに関わる者の腕の見せどころです。

わたしのチャレンジ

スロバキアの倉庫で痛んでいたパッケージ
原因を追求し、輸送に最適なサイズを提案
これからは考えるロジスティクスへ

オランダ赴任時代に、スロバキアから「倉庫の商品のパッケージ破損が多く、売り物にならない」と連絡が入り、すぐ現地に赴きました。現物を確認したところ、商品サイズがスロバキアでモノを運ぶ際に使うパレットサイズと相性が悪く、はみだした部分が擦れて、商品として売れなくなってしまうことが多いことが判明しました。
国や地方によってパレットの規格が異なり、箱の大きさが少しでも小さければ、商品が痛むことがないということや、ひとつひとつの箱を縦に並べるか横に並べるかで運びやすさが変わったりすることに気づいたのです。
ここからが大きなチャレンジでした。ヨーロッパ、アメリカをはじめ、各国のパレットの規格などの情報を集め、それぞれに適合する商品サイズや積み方を本社に伝え、商品開発・製品設計につないでもらいました。そして、ついに商品の規格に物流の視点が反映されるようになったのです。
それまでのように、ロジスティクス部門だけで完結させたなら「ここの倉庫はロスが多いので気をつけて」となったことでしたが、行動を起こしたことで流れが変わりました。この経験で得たことはとても大きかったです。
他にも、製品の取扱説明書を何カ国も共通の仕様にして多くの国へも出荷できるようにするのか、また、どのタイミングでその説明書を入れるのが最適なのか、こういったサプライチェーンを考え、事業部に提案することもロジスティクスだからできること。ただ、物を運ぶだけでなく、全体視点で考え仕事に向き合っていきたいと思っています。
機会があれば、海外での仕事にも再度チャレンジしたいと考えています。
新興国など、まだまだ改革の余地のあるところにも惹かれます。