ニュースリリース

2005年8月25日
キヤノン株式会社

公開買付け開始及び子会社の異動(取得)に関するお知らせ

当社は、平成17 年8 月25 日開催の取締役会において、日本電気株式会社(以下「NEC」)の子会社であるNECマシナリー株式会社(コード番号6344 大証第二部、以下「NECマシナリー」)の株式を公開買付けにより取得すること(以下「本公開買付け」)、及びNECの保有するアネルバ株式会社(以下「アネルバ」)の株式の取得(以下「本株式取得」)に関する基本合意書を締結することについて決議しましたので、下記の通りお知らせ致します。なお、下記記載の通りに本公開買付け及び本株式取得が実現した場合、NECマシナリー及びアネルバは、当社の連結子会社となります。

I. 今回の目的

当社は、1996 年から長期経営計画として「グローバル優良企業グループ構想」を掲げ、真のグローバル・エクセレントカンパニーの実現を目指して参りました。同構想のもと、当社は、セル生産をはじめとした生産革新、3次元CAD導入などによる開発革新を中心としたあらゆる事業プロセスの革新に取り組みました。その結果、1995年から2004 年までの9年間で、連結売上は約1.7 倍、純利益は6.2 倍へと成長を果たすと共に、多くの主力事業が世界No.1となり、また新しい事業を創出する研究開発力と長期投資に耐えられる強靭な財務体質を作り上げることが出来ました。
当社では、次の10 年間を見据えて「グローバル優良企業グループ構想」を進化させ、さらなる健全な成長を目指しますが、そのためには、次世代に向けた事業の創出と新しい次元のコストダウンが必要であると考えております。そこで、当社は、本年を次の長期経営改革に向けた準備の年と位置づけ、本年7 月には研究開発力強化のための施策の一環として、次世代の事業創出の拠点となる新研究開発棟を下丸子本社内に完成させました。
そして今回、新しい次元のコストダウンを加速するために、NECの子会社であるNECマシナリーとアネルバの保有技術が大変有効であると判断し、両社の株式を取得することを決定致しました。NECマシナリーは、自動化機器の設計製作について高い技術を保有しておりますので、本公開買付けは、当社製品の生産工程における自動化をはじめとする生産革新活動のさらなる進展に大きく寄与するものと考えております。一方アネルバは、高真空技術をベースとした薄膜形成技術を保有しており、当社の新規事業であるディスプレイなどの製品差別化に欠かせない製造装置の内製化に大きく寄与するものと考えております。なお、NECマシナリー及びアネルバは、いずれも半導体製造装置などの事業展開を行っておりますが、当面は各社の現状の体制を維持しつつ事業の強化を進めるとともに、当社の事業とのシナジーを追求していきたいと考えております。
NECマシナリー及びアネルバの筆頭株主であるNECと当社は、従来からもカスタムICの生産などお互いの得意分野を活かしながら協力関係のもとに事業を展開しております。当該協力関係のもと、NECマシナリー及びアネルバは、当社の子会社になった以後も、NECとの取引を継続することが予定されております。
本公開買付け及び本株式取得にあたっては、その実行により両社のさらなる成長・発展が期待できるものとして、NECから同社の保有するNECマシナリー株式3,120,000 株(応募可能な全株)について本公開買付けに応募する旨とアネルバの全株式を譲渡する旨の同意を得ております。また、NECマシナリーの第2位株主であり、NECの連結子会社である関西日本電気株式会社からも、同様に本公開買付けの実行によりNECマシナリーのさらなる成長・発展が期待できるものとして、同社の保有するNECマシナリー株式1,120,000 株(応募可能な全株)について本公開買付けに応募する旨の同意を得ております。
また、NECマシナリーの平成17 年8 月25 日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議がなされております。
なお、NECマシナリーの株式は大阪証券取引所第二部に上場されておりますが、本公開買付けはNECマシナリーの上場廃止を積極的に企図するものではありません。しかしながら、本公開買付けでは買付けを行う株券数に上限を設定しないため、本公開買付けの結果次第では、大阪証券取引所の定める株券上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て、NECマシナリーの株式は上場廃止となる可能性があります。その場合には、当社は、株式交換等によるNECマシナリーの完全子会社化等も視野に入れて検討を行ってまいります。

II. 本公開買付けについて

1. 公開買付けの概要

(1) 対象者の概要

  1)商号 NECマシナリー株式会社
  2)主な事業内容 半導体製造装置のうち後工程(ダイボンダー等)及びFA装置等の開発・製造・販売
  3)設立年月日 昭和47 年1 月21 日
  4)本店所在地 滋賀県草津市南山田町字縄手崎85番地
  5)代表者 代表取締役社長 高崎勲
  6)資本の額 2,578,959 千円(平成17 年3 月31 日現在)
  7)発行済株式総数 7,870,800 株 (平成17 年3 月31 日現在)
  8) 大株主構成および持株比率
  日本電気株式会社 39.64%
  関西日本電気株式会社 14.25%
  NECマシナリー従業員持株会 4.47%
  NECマシナリー株式会社(自己株式) 1.69%
  酒井 直樹 1.07%
  大阪証券金融株式会社 0.89%
  株式会社三井住友銀行 0.76%
  株式会社東京三菱銀行 0.63%
  住友信託銀行株式会社 0.63%
  ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー505019(常任代理人 株式会社みずほコーポレート銀行) 0.41%
(注) 持株比率所有割合は、対象者の発行済株式総数 7,870,800 株(平成17 年3 月31 日現在)
      を基準に算出しております。
  9)当社との関係 資本関係:該当事項はありません
人的関係:該当事項はありません
取引関係:当社と対象者はカートリッジ自動機ラインのメカ製作、組立等の取引があります。
  10)最近事業年度における連結業績の動向
    (平成16 年3 月期) (平成17 年3 月期)
  総資産 14,414,568 千円 14,788,430 千円
  純資産 4,499,463 千円 6,400,325 千円
  売上高 16,312,639 千円 16,770,271 千円
  営業利益 764,730 千円 1,467,042 千円
  経常利益 620,342 千円 1,365,537 千円
  当期利益 549,348 千円 1,876,968 千円

(2) 買付けを行う株券等の種類  普通株式

(3) 公開買付期間

平成17 年8 月26 日(金曜日) ~ 平成17 年10 月12 日(水曜日)の48 日間

(4) 買付価格  1 株につき、1,212 円

(5) 買付価格の算定の基礎

当社が提示する本公開買付けの買付価格(1 株あたり1,212円)は、対象者普通株式の市場価格、財務・資産状況及び買付数量及び当社のファイナンシャルアドバイザー(野村證券株式会社)による企業評価等を総合的に勘案して決定致しました。平成17年8月24日までの1ヶ月間の取引日の大阪証券取引所市場第二部における対象者普通株式の普通取引の毎日の終値の平均値(1,010 円)に約20%のプレミアムを加えた金額に相当します。

(6) 買付予定株式数  4,240,000 株

  • (注1)応募株券の総数が買付予定株式数(4,240,000 株)に満たない場合は、応募株券の全部の買付けを行いません。
  • (注2)応募株券の総数が買付予定株式数(4,240,000 株)以上の場合は、応募株券の全部の買付けを行います。

(7) 公開買付けによる所有株式数の異動

買付け前所有株式数 0 株 (所有比率 0.00 %)
買付け後所有株式数 4,240,000 株 (所有比率 53.87 %)
(注1) 買付け後所有株式数は、買付予定株式数 4,240,000 株を買い付けた場合の株式数です。
(注2) 所有株式数の比率は、対象者の発行済株式総数 7,870,800 株(平成17 年3 月31 日現在)を基準に算出しております。

(8) 公開買付開始公告日  平成17 年8 月26 日(金曜日)

(9) 公開買付代理人  野村證券株式会社

(10) 買付代金  5,138,880,000 円(予定)

  • (注)買付予定株式数 4,240,000 株を買い付けた場合の見積り額であり、応募株券の総数が買付予定株式数 4,240,000 株を超えた場合、買付予定株式数 4,240,000 株を超えた株式数に買付価格を乗じた金額が追加資金として発生します。

(11) 決済の開始日  平成17 年10 月19 日(水曜日)

2. 対象者との公開買付けに関する合意

本公開買付けについては、対象者の取締役会より既に賛同を得ております。

III. 本株式取得について

1. 本株式取得の対象会社の概要

  1)商号 アネルバ株式会社
  2)主な事業内容 半導体、FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)、磁気ヘッド・ハードディスクなど電子部品の製造用真空装置の開発・製造・販売および保守サービス
  3)設立年月日 昭和25 年10 月4 日
  4)本店所在地 東京都府中市四谷五丁目8 番1 号
  5)代表者 代表取締役社長 今村 有孝
  6)資本の額 1,800,000 千円(平成17 年3 月31 日現在)
  7)決算期 3 月31 日
  8)従業員数 1,025 名(平成17 年3 月31 日現在 )
  9)最近事業年度における業績の動向
    (平成16 年3 月期) (平成17 年3 月期)
   総資産 40,293,094 千円 37,745,108 千円
   純資産 2,668,783 千円 3,087,426 千円
   売上高 39,811,037 千円 46,437,637 千円
   営業利益 1,254,031 千円 1,938,137 千円
   経常利益 1,030,742 千円 1,788,125 千円
   当期利益 403,969 千円 416,077 千円

2. 異動の前後における当社の所有に係る子会社の議決件数及び議決権総数に対する割合

    (異動前) (異動後)
  1)当社所有議決権数 0 個 36,000,000 個
  (当社所有株式数 0 株 36,000,000 株)
  2)議決権の総数 36,000,000 個 36,000,000 個
  (発行済株式の総数 36,000,000 株 36,000,000 株)
  3)議決権の総数に対する割合 0% 100%
  (発行済株式の総数に対する割合 0% 100%)

3. 異動の内容及びその年月日予定

  1)内容 NECより36,000,000 株(発行済株式総数の100%)を取得する予定であります。
  2)異動年月日 平成17 年9 月30 日(金曜日)株券譲受け(予定)。

4. 株式の取得先

  1)商号 日本電気株式会社
  2)代表者 代表取締役社長 金杉 明信
  3)所在地 東京都港区芝五丁目7 番1 号
  4)主な事業内容 IT ソリューション事業、ネットワークソリューション事業エレクトロンデバイス事業

IV. 今後の見通し

本公開買付け及び本株式取得によりNECマシナリー及びアネルバは当社の連結子会社となる予定です。 また、当社の平成17 年12 月期の業績に与える影響は軽微です。

以上