キヤノンは、大判(スーパー35mm相当)センサーを搭載した4Kカメラに対応する映像制作用ズームレンズの開発を評価され、テレビ芸術科学アカデミー(ATAS:The Academy of Television Arts & Science)より、今年、第69回目となるテクノロジー&エンジニアリングエミー®賞を受賞しました。
テクノロジー&エンジニアリングエミー®賞は、放送業界における技術開発およびイノベーションを評価するもので、放送業界の発展に目覚ましい貢献をした企業や団体、個人に対して授与されます。このたび、エミー®賞を受賞したのは、大判(スーパー35mm相当)・単板のセンサーを搭載した4Kカメラに対応する、CN-E※1、COMPACT-SERVO、CINE-SERVOレンズシリーズなどのキヤノンの映像制作用ズームレンズ群です。
今回高い評価を受けたレンズラインアップには、50-1000mmの世界最長焦点距離※2を実現した超望遠レンズ「CN20×50 IAS H/E1」「CN20×50 IAS H/P1」が含まれています。このレンズは、2015年4月の発売以来、ナショナルジオグラフィックの「Earth Live」※3を含む、多くの生放送番組や革新的な番組制作の現場で採用されています。
「CN20×50 IAS H/E1」「CN20×50 IAS H/P1」は、高倍率でスーパー35mm相当のセンサー対応のレンズに対する世界的なニーズに応え、4K/UHDでのネイチャーやドキュメンタリー映像制作において幅広い映像表現を可能にした製品です。100m以上離れた地点から12~15cmの被写体を画面いっぱいに映したいという要望に応え、望遠端焦点距離1000mmを実現するとともに、小型・軽量を求める声にも応えています。さらに、筐体(きょうたい)の設計を飛躍的に向上させることで、遠隔地での野生動物の撮影など、厳しい撮影条件下でも簡単に持ち運びができるようにしてほしいという、強いニーズにも応えています。これらの条件を満たすために、最適な光学配置を可能にするキヤノンの優れた光学シミュレーション技術を駆使しています。
今回エミー®賞を受賞したレンズ群の設計において、キヤノンは長年にわたり培ってきたシステムデザインや最新の光学配置を可能にするためのノウハウを結集させ、機動性を確保しながら、4K光学性能と映像輝度の最適なバランスを達成しています。特に、焦点距離の広角側においては被写体を画面全域で高解像に映し出せるよう、高精度な設計により高い4K光学性能を実現しています。
テクノロジー&エンジニアリングエミー®賞は2017年10月25日に、カリフォルニア州のハリウッドで開催されるSMPTE 2017 Annual Conferenceの中で授与されます。