キヤノンは、第8世代ガラス基板サイズ※1に対応したFPD露光装置(フラットパネルディスプレイ露光装置)の新製品として、解像力2.0マイクロメートル(L/S※2)で65型パネルの一括露光を実現した“MPAsp-H1003T”を2018年10月下旬より発売します。
MPAsp-H1003T
薄型テレビの普及が進む中、今後のテレビ市場のニーズは、65型を中心とした大型化、4K/8Kの高精細化に加え、有機ELに代表されるUltra HD Premium※3に認定された高品位なテレビに移行していくと予想されています。新製品は、テレビなどに用いるフラットパネルディスプレイ製造に用いられる第8世代ガラス基板で、高品位な65型パネルを、高い生産性で量産できます。
キヤノンのFPD露光装置は、ミラー光学系の一括露光方式「ミラープロジェクション」を採用しており、広い露光フィールドで大型パネルを効率的に生産することが可能です。新たに開発したミラー光学系、独自の加工技術により、従来機種「MPAsp-H803T」(2013年6月発売)と同等の解像力2.0マイクロメートル(L/S)を維持したまま、従来機種では最大58型だった一括露光範囲を65型まで広げました。これにより、従来機種と比較して65型パネルを露光するタクトタイムを約37%短縮※4しました。
プロセスの高精細化に伴い、オーバーレイ精度(重ね合わせ精度)が非常に重要になります。このオーバーレイ精度を悪化させている要因がプロセスで発生する非線形成分(ゆがみ成分)です。これに対応できる倍率補正技術と、同時多点アライメントシステムの組み合わせにより、オーバーレイ精度が従来機種に比べて約10%向上しました。
1台の塗布現像装置※6に対しFPD露光装置2台を並べるデュアルラインを構成することにより、ガラス基板に異なるサイズのパネルを配置できるMMG対応時の生産効率が向上します。従来機種「MPAsp-H803T」との構成もでき、第8世代ラインでラインタクトを崩さずに量産できます。
薄型テレビの普及が進む中、65型を中心としたテレビの需要が増え、大型化が進んでいます。また、4K/8Kなどの高精細化に加え、有機ELに代表されるUltra HD Premium認定を得る高品位なテレビの移行が進むと予想されます。今後、このような高精細大型パネルを効率よく生産できる装置が求められてくると考えられます。(キヤノン調べ)
MPAsp-H1003T
2.15MB(4000px×3000px)
本ページに掲載されている画像、文書その他データの著作権はニュースリリース発行元に帰属します。
また、報道用途以外の商用利用(宣伝、マーケティング、商品化を含む)において、無断で複製、転載することは、著作権者の権利の侵害となります。