キヤノンは、後工程向け半導体露光装置の新製品として、先端パッケージング※1向けに52×68mmの広画角を実現した解像力1.5µm(マイクロメートル※2)のi線ステッパー※3“FPA-5520iV LFオプション”を2021年4月上旬に発売します。
FPA-5520iV LFオプション
半導体チップの高性能化においては、半導体製造の前工程での回路の微細化だけでなく、後工程で行われるパッケージングでの高密度化が注目されています。高性能化を実現する先端パッケージングには、微細な再配線※4が必要で、近年では半導体露光装置が使用されるようになっています。新製品は、先端パッケージング向けの「FPA-5520iV」(2016年7月発売)の基本性能を継承しつつ、広い画角での回路パターンの露光を実現したことで、ヘテロジニアスインテグレーション※5などの幅広い先端パッケージングのニーズに応えます。
新投影光学系の搭載により、前工程での露光装置の標準画角である26×33mmの4倍以上となる、52×68mmの広い画角を一括で露光することが可能です。これにより、複数の大型半導体チップを接合するヘテロジニアスインテグレーションへの対応が可能となります。また、1.5µmの高い解像力で、微細な再配線パターンの露光が可能で、さまざまな先端パッケージングに対応することができます。さらに、高解像力オプションを使用することで、1.0µmの高解像力で再配線パターンを露光できます。
パッケージング工程での量産課題である再構成基板※6の反った形状に対する柔軟な対応力や、チップ配列のばらつきが大きい再構成基板でもアライメントマークを検出し稼働率を向上させる高い生産性などで好評を得ている「FPA-5520iV」で実現した基本性能を継承しています。
半導体チップの製造工程において、半導体露光装置は、回路パターンを「露光」する役割を担っています。露光する一連の工程において、半導体チップをシリコンウエハー上に作る工程を前工程と呼びます。一方、繊細な半導体チップを外部環境から保護し、実装する際に外部との電気接続を可能にするためにパッケージに封じる工程(パッケージ工程)を後工程と呼びます。
「露光装置」の仕組みや性能をイラストや動画で分かりやすく説明した「キヤノン露光装置ウェブサイト」を公開しています。露光の仕組みを分かりやすく紹介するキッズ向けページも用意しています。
URL: https://global.canon/ja/product/indtech/semicon/50th/
近年急速に進むIoT化や、コロナ禍で増加したテレワーク、オンライン活動などにより、さまざまな半導体デバイスの需要が高まっています。そのような中で、微細化以外に高性能化を実現する技術の一つとして、パッケージの高密度配線化が提案されています。半導体デバイスのさらなる高性能化に対応できる先端パッケージングの需要が増加することで、今後も後工程における半導体露光装置の市場は拡大すると予測されています。(キヤノン調べ)
FPA-5520iV LFオプション
285KB(4000px×3000px)
本ページに掲載されている画像、文書その他データの著作権はニュースリリース発行元に帰属します。
また、報道用途以外の商用利用(宣伝、マーケティング、商品化を含む)において、無断で複製、転載することは、著作権者の権利の侵害となります。