ニュースリリース

2021年2月2日
キヤノン株式会社

後工程向け半導体露光装置“FPA-5520iV LFオプション”を発売
先端パッケージングの大型化に対応する広画角での露光を実現

キヤノンは、後工程向け半導体露光装置の新製品として、先端パッケージング※1向けに52×68mmの広画角を実現した解像力1.5µm(マイクロメートル※2)のi線ステッパー※3“FPA-5520iV LFオプション”を2021年4月上旬に発売します。

FPA-5520iV LFオプション

FPA-5520iV LFオプション

半導体チップの高性能化においては、半導体製造の前工程での回路の微細化だけでなく、後工程で行われるパッケージングでの高密度化が注目されています。高性能化を実現する先端パッケージングには、微細な再配線※4が必要で、近年では半導体露光装置が使用されるようになっています。新製品は、先端パッケージング向けの「FPA-5520iV」(2016年7月発売)の基本性能を継承しつつ、広い画角での回路パターンの露光を実現したことで、ヘテロジニアスインテグレーション※5などの幅広い先端パッケージングのニーズに応えます。

新投影光学系の搭載により広画角の一括露光を実現

新投影光学系の搭載により、前工程での露光装置の標準画角である26×33mmの4倍以上となる、52×68mmの広い画角を一括で露光することが可能です。これにより、複数の大型半導体チップを接合するヘテロジニアスインテグレーションへの対応が可能となります。また、1.5µmの高い解像力で、微細な再配線パターンの露光が可能で、さまざまな先端パッケージングに対応することができます。さらに、高解像力オプションを使用することで、1.0µmの高解像力で再配線パターンを露光できます。

「FPA-5520iV」の基本性能を継承

パッケージング工程での量産課題である再構成基板※6の反った形状に対する柔軟な対応力や、チップ配列のばらつきが大きい再構成基板でもアライメントマークを検出し稼働率を向上させる高い生産性などで好評を得ている「FPA-5520iV」で実現した基本性能を継承しています。

  • ※1繊細な半導体チップを外部環境から保護し、実装する際に外部との電気接続を可能にすること。
  • ※21µm(マイクロメートル)は、100万分の1メートル(=1000分の1mm)。
  • ※3i線(水銀ランプ波長365nm)の光源を利用した半導体露光装置。1nm(ナノメートル)は10億分の1メートル。
  • ※4半導体チップ間または半導体チップとバンプ(突起状の接続電極)の間をつなげる配線。
  • ※5CPUとDRAM、CPUとGPUなど異種チップを一つにするパッケージング。それぞれのチップを近くに置き、多くの回路でつなぎ一体化することで、処理能力を上げることができる。
  • ※6半導体露光装置の前工程で製造されたウエハーから個片化された複数の半導体チップを配列し、樹脂でウエハー形状に固めた基板。

半導体製造の後工程とは

半導体チップの製造工程において、半導体露光装置は、回路パターンを「露光」する役割を担っています。露光する一連の工程において、半導体チップをシリコンウエハー上に作る工程を前工程と呼びます。一方、繊細な半導体チップを外部環境から保護し、実装する際に外部との電気接続を可能にするためにパッケージに封じる工程(パッケージ工程)を後工程と呼びます。

半導体露光装置ウェブサイトについて

「露光装置」の仕組みや性能をイラストや動画で分かりやすく説明した「キヤノン露光装置ウェブサイト」を公開しています。露光の仕組みを分かりやすく紹介するキッズ向けページも用意しています。
URL: https://global.canon/ja/product/indtech/semicon/50th/

半導体露光装置の市場動向

近年急速に進むIoT化や、コロナ禍で増加したテレワーク、オンライン活動などにより、さまざまな半導体デバイスの需要が高まっています。そのような中で、微細化以外に高性能化を実現する技術の一つとして、パッケージの高密度配線化が提案されています。半導体デバイスのさらなる高性能化に対応できる先端パッケージングの需要が増加することで、今後も後工程における半導体露光装置の市場は拡大すると予測されています。(キヤノン調べ)

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FPA-5520iV LFオプション

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この件に関するお問い合わせ先

キヤノン株式会社光機営業統括センター

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