資源循環の取り組み
リサイクル

消耗品における取り組み

トナーカートリッジのリサイクル

キヤノンは他社に先駆け、1990年から「トナーカートリッジリサイクルプログラム」を継続して行っています。回収した使用済みトナーカートリッジはキヤノンのリサイクル拠点に集められ、機種ごとに選別されます。リユース可能な部品は必要な洗浄やメンテナンスを施した上で、新しい製品の部品として再利用されます。一方リユースできない部品や材料は破砕され、帯電性や比重などの物理的特性を利用して素材ごとに分別されます。トナーカートリッジの主要素材として筐体などに使われるHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)は、クローズドループリサイクルによりトナーカートリッジの材料として繰り返し活用されています。

さらに近年は、外部から調達した再生材の新製品への利用を推進し、資源循環の幅を広げています。

こうした取り組みにより、2025年末現在、世界24カ国で回収を実施し、累計回収量は約48.2万t※1、国内外の4拠点※2でリサイクルを行っています。また、2025年までに新規資源の消費を約34.9万t※1抑制することができました。

クローズドループリサイクルイメージ
クローズドループリサイクル
  • ※1 OEM製品を含めた数値。クローズドリサイクル材および外部から調達した再生材の利用を含む。
  • ※2 日本:キヤノンエコテクノパーク、米国:キヤノンバージニア、フランス:キヤノンブルターニュ、中国:キヤノン大連

トナーカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-T)

キヤノンエコテクノパークに導入されているトナーカートリッジの自動リサイクルシステム「CARS-T:Canon Automated Recycling System for Toner Cartridge」は、使用済みトナーカートリッジを破砕して、素材の物理特性を利用して素材ごとに自動分別し、選別純度99%以上で再生プラスチックを生産するシステムです。このCARS-Tは、密閉型装置のためトナーの飛散もなく、さらに音も静かなクリーン&サイレントな作業環境を実現しています。

  • ※ 当社が定める選別方法による。
トナーカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-T)(3分11秒)
  • ※ 画像をクリックすると動画をご覧いただけます。

インクカートリッジの回収・リサイクル

キヤノンは、使用済みインクカートリッジの回収・リサイクルを1996年から開始、2025年までの累計回収量は3,085tとなりました。日本では、他のプリンターメーカーと共同で「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を実施、郵便局や図書館などに回収箱を設置しています。また、ベルマーク運動と連動し、学校などでも回収活動を行っています。他の国や地域では、量販店、企業、学校などで回収を行っています。回収されたカートリッジは、日本では主にカートリッジの部品としてクローズドリサイクルしています。

「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の回収ボックス
「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の回収ボックス

インクカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-I)

キヤノンエコテクノパークに導入されている自動リサイクルシステム「CARS-I:Canon Automated Recycling System for Ink Cartridge」は、ベルトコンベアで流れてくる使用済みインクカートリッジをカメラにより自動で識別し、選別することができます。選別後は、解体、粉砕、洗浄までの工程を一貫した自動化ラインで行っています。素材ごとに分けられた材料は、インクカートリッジの部品に再利用されるほか、製品積載用パレット、文房具の材料としても再利用されています。

インクカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-I)(2分28秒)
  • ※ 画像をクリックすると動画をご覧いただけます。

使用済みトナーボトルの回収・再利用

日本においては1998年から使用済みトナーボトルを回収し、容器そのものの「再使用」、プラスチック材としての「材料リサイクル」を実施しています。

キヤノンブルターニュ(フランス)においては2022年から回収した使用済みトナーボトルにトナーを再充填し、欧州市場に供給するシステムを構築しました。従来以上にプラスチックの使用量を削減できるだけでなく、トナーボトル成形時のエネルギー削減にも貢献します。

最新鋭の自動リサイクル工場 キヤノンエコテクノパーク

これまでのリサイクル工場のイメージを覆す「クリーン&サイレント」をコンセプトにした「キヤノンエコテクノパーク」は2018年2月に開所しました。キヤノンエコテクノパークでは、リサイクルの効率性をさらに高めるため、最新鋭の自動リサイクルラインを整備。「CARS-T:Canon Automated Recycling System for Toner Cartridge」は、使用済みトナーカートリッジをカメラにより選別した上で、破砕して自動的に分別し、主要素材であるHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)を再生するシステムです。各分別工程でさまざまな分離技術を駆使することで、再生プラスチックの選別純度を99%以上に高めています。「CARS-I:Canon Automated Recycling System for Ink Cartridge」は、使用済みインクカートリッジをカメラにより機種ごとに選別し、解体、粉砕、洗浄の工程を自動化ラインで行います。素材分別された材料は、インクカートリッジの部品や包装材にも再利用されています。製品に戻せない資源は、材料として利用するマテリアルリサイクル、熱利用するサーマルリサイクルなどにより有効利用しています。

このほか、オフィス向け製品のリマニュファクチュアリングやキヤノンの環境への取り組みを紹介するショールームも設置しています。

  • ※ 99%以上:キヤノンが定める選別方法による
トナーカートリッジ自動リサイクルライン「CARS-T」
トナーカートリッジ自動リサイクルライン「CARS-T」

再生プラスチック材料の開発と活用

キヤノンエコテクノパークでは回収された複合機の樹脂部品を選別、洗浄後に破砕し、リペレットしたPCR率70~100%の再生プラスチック材料を生産工場に出荷しクローズドリサイクルを実現しています。2025年末までの累積出荷量は101tになっています。

  • ※ PCR(post-consumer recycling)率:再生素材中の市中回収材料の割合

独自技術でリサイクルに革命をもたらすプラスチック選別装置と分析機器

近年、循環型社会の実現に向けてプラスチックリサイクルの促進・拡大が重要なテーマとなっています。

キヤノンはトラッキング型ラマン分光技術を用いたプラスチック選別装置を開発し、従来は選別が難しかった黒色プラスチックにも対応可能としました。さらに、この技術を応用した「ラマンプラスチックアナライザー」を新たに製品化し、リサイクル工程における材料分析や品質管理の高度化に貢献しています。

キヤノンは、リサイクル技術による生産性向上とプラスチックリサイクルの最大化を通じて、循環型社会の構築に引き続き貢献していきます。

(左) ラマンプラスチックアナライザー TR-A100、(右) キヤノンの高精度ガルバノスキャナーにより、トレイ上に並べた複数のプラスチック片へレーザーを順次照射、その際に生じる材質特有のラマン散乱光を分光解析することで材質を判別
(左) ラマンプラスチックアナライザー TR-A100
(右) キヤノンの高精度ガルバノスキャナーにより、トレイ上に並べた複数のプラスチック片へレーザーを順次照射、その際に生じる材質特有のラマン散乱光を分光解析することで材質を判別

複合機由来のリサイクルプラスチックを原料とした3Dプリンター用フィラメント

キヤノンエコロジーインダストリーは、プラスチック資源循環を推進する新たな取り組みとして、リサイクルプラスチック100%の3Dプリンター用フィラメントを開発しました。リサイクルプラスチックの原料は、プラスチック材料として信頼性と実績があり、複合機の外装カバー、カセットなどに多く使われているPC+ABS、HIPSです。キヤノン製品のリサイクルで培った技術を応用し、市場から回収した複合機の外装カバー、カセットを最適な技術を用いて破砕、洗浄、押出成形し、リサイクルプラスチック100%でありながら安定した線径精度のフィラメントの製造が可能になりました。

キヤノンでは、こちらのフィラメントから造形した部品を製品輸送時の保護部材に活用しています。

リサイクルプラスチック100%の3Dプリンター用フィラメント