綴プロジェクト作品(高精細複製品)「老梅図襖」 狩野山雪 筆

Vol.04

綴プロジェクト作品(高精細複製品)「老梅図襖」 狩野山雪 筆

  • 綴プロジェクト作品(高精細複製品)「老梅図襖」 狩野山雪 筆
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老梅に宿る、老いることのない山雪の技。

大蛇のような老梅。画面の枠を飛び出し、今にも動き出しそうな気配を漂わせる。太く大きな幹から突き出した枝は、空間を探るように伸びて行き、その先には、初春を告げる小さな梅花が生き生きと咲く。老梅は地面から横に伸び、天を向いて上昇するが、天に届くと下降をはじめ、何かを追い求めるように画面左へと伸び続ける。老い行く中にも生命力に満ち溢れ、山雪自身を投影したとも言われる。
この晩年の大作が、高精細複製品として、京都・天祥院に里帰りしました。原本は、昭和三十年代、米国に渡りますが、まだ、日本にあった頃の所有者の子息が、天祥院を訪れたとき、次のように話しています。「こうやって間近で見ると、うちにあった襖そのものです。襖を開けると、あの頃のままの家族が、そこに座っているような気がします。」貴重な文化財の里帰りは、日本人の心に帰る旅であるのかもしれません。

寄贈先:妙心寺 塔頭 天祥院 原本所蔵:メトロポリタン美術館
Facsimile of a work in the collection of The Metropolitan Museum of Art. May not be further reproduced or resold. The Metropolitan Museum of Art, The Harry G.C. Packard Collection of Asian Art, Gift of Harry G. C. Packard, and Purchase, Fletcher, Rogers, Harris Brisbane Dick, and Louis V. Bell Funds, Joseph Pulitzer Bequest, and The Annenburg Fund Inc. Gift, 1975(1975.268.48a-d)Photograph c 1983 The Metropolitan Museum of Art.

作品の特徴

綴プロジェクト作品「老梅図襖」(高精細複製品)で見ることのできる絵の特徴をご覧ください。

綴プロジェクト作品(高精細複製品)「老梅図襖」 狩野山雪 筆
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綴プロジェクト作品(高精細複製品)「老梅図襖」 狩野山雪 筆
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作品の情報

妙心寺塔頭 天祥院

綴プロジェクト作品寄贈先情報 妙心寺塔頭 天祥院

臨済宗妙心寺派。正保2年(1645年)、松平忠弘が、父・忠明の菩提をとむらうため、妙心寺154世乳峯義元(にゅうほうぎげん)を開祖として創建した。明治11年(1878年)に慈照院を併合 。明治19年(1886年)、土蔵と門を除くすべての建物を焼失した。明治22年より再建に着手。昭和51年、前住職・釈浩堂和尚の主導により本堂一棟を建立している。老梅図襖の高精細複製品が寄贈された2008年3月当時、釈浩堂和尚は104歳。「夢のようです」と喜んでおられた。通常は非公開。

〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町43

メトロポリタン美術館

原本所蔵元情報 メトロポリタン美術館

アメリカ合衆国ニューヨークにある世界最大級の美術館。1866年、ジョン・ジョンストンが設立構想を訴え、6年後の1872年に開館。絵画・彫刻・写真・工芸品ほか家具・楽器・装飾品など300万点を所蔵。その特色は、コレクションの幅がきわめて広く、古今東西問わずあらゆる時代、地域、技法による作品を収集していることにある。1986年より、日本ギャラリーを新たに公開。老梅図襖の展示スペースは、三井寺勧学院の写しを、日本の伝統建築職人・安井清が設計・施工したものである。

綴プロジェクトについて