キヤノンの仕事と人

機械系 生産装置開発・加工技術開発

生産技術本部

杉浦 啓太スギウラ ケイタ

2006年入社

生産装置の要素技術開発を担当しています

生産技術の基礎研究を行う部門で、生産装置の要素技術開発を担当しています。入社してから、測長センサーの超高精度化による次世代超精密加工機のステージ位置決め技術開発に携わった後、現在はカメラ用レンズを生産するガラスモールドレンズ成形機の型(モールド)構造開発に携わっています。超精密加工機の開発では究極の装置精度の追求が課題でしたが、型構造開発では高温でガラスに型形状を転写する際の加工条件が重要なので、装置と加工条件をセットで最適化する必要があります。このように生産技術の分野では特色の異なる幅広い開発ニーズがあり、特に装置を開発する技術者にはさまざまなニーズに対応できる柔軟なセンスが要求されます。実験データと理論データによる裏付けを取りながら、3D-CADを用いたメカ設計を行い、所望の性能を有する装置要素を開発するのが主な業務です。

世界最高水準への挑戦

装置の構造がどうあるべきか、仮説を設定し、それを裏付ける実験データと理論データを積み上げ、設計によって最適な構造を具現化する、一連の作業を担当しています。超精密加工機のステージ位置決め技術の開発では、このような一連の作業を積み重ねることで、目標としていた世界最高水準の位置決め精度を実現し、大きな達成感を得ることができました。また入社以来、超精密加工機のステージ、レンズ成形機の成形型と、それぞれの装置の心臓部とも言うべき重要なユニットを担当できていることには、大きなやりがいと責任を感じています。また、仕事を進める上では、「課題の把握」と「解決策の提示」をセットで行うことが重要だと考えています。いずれかが不十分な状態になっていないか常にチェックを行い、自らがイニシアチブをとって技術開発を前進させることを心がけています。

キヤノンの武器は生産技術

入社当時には想像できなかったことの一つは、私の部署では経験を積むにしたがい要素技術の開発だけにとどまらず、要素技術を組み合せた1台の生産装置全体、あるいは異なる工程を担う複数台の装置からなる生産システム全体の装置構想までを担当できることです。私の現在の目標は、生産装置や生産システムのコンセプトを構想できる人材となることです。入社以来、年次を積むにつれてより多くの自分のアイデアを装置開発に盛り込めるようになってきていますが、まだ担当領域がユニットに限定されています。経験を重ねて担当領域をユニットから装置、装置から生産システムへと広げていき、自分の独自性を出した上で他社と差別化でき、キヤノンに大きく貢献する生産技術を生み出すことができれば最高だと考えています。またキヤノンは将来的な労働人口減少への対応や、技術的優位性の維持を念頭に置き、生産自動化の推進や内製率(※1)の向上など、生産技術に関して先進的な取り組みを行っています。「キヤノンの武器の一つは生産技術」という認識がより一般的で強固となるよう、生産技術全体の技術力を高めていくことが夢であり目標です。

※ 個人情報保護の観点から、仮名を使用している社員もいます。
※ 取材時の所属のため、異動している社員もいます。