製品開発・設計技術
イメージコミュニケーション事業本部
本田 浩也ホンダ ヒロヤ
2009年入社
私の業務は一眼レフ・ミラーレスカメラのシャッター開発・検討です。
シャッターとは、カメラで動いている物の一瞬をブレなく撮影するためのメカユニットで、100万分の1秒単位で高速制御しています。
私の役割はシャッターが設計者の狙い通りに動いているか検討し、問題があればその原因を解析して設計にフィードバックを行うことです。
また、設計内容から問題が発生しそうなリスクの高い所を洗い出し、問題発生時の対策期間も考慮した検討計画の立案・報告や、シャッターの制御仕様書の作成、シャッターに関するカメラファームウェアデバッグ、他社特許調査、特許出願、品質評価部門との折衝なども行っています。
キヤノンとの出会いはインターシップでした。当時、関東の大きな企業というだけでインターンシップ先に選びましたが、キヤノンはカメラやプリンターだけでなく、さまざまな事業に挑戦し、結果を出していることを知り、まだまだ進化し続ける企業だと思いました。また、社員の方の仕事のできる集団という雰囲気がとてもカッコよく感じました。それをきっかけにキヤノンのことを調べると、実力主義という企業風土を知って、高専卒で入社する私にとってキヤノンの職場は理想的だと思いました。
仕事にやりがいを感じる時は大きく分けて2つあります。まずは、メカシャッターの検討業務そのものです。シャッターは折れたり摩耗するといったメカ的問題や磁石の吸着不良など電磁的問題などが発生するとても難しい検討業務です。しかし、チームで原因分析を行い、対策した結果が目に見えてわかるので検討プロセスの楽しさや、目的を達成した時の充実感がとてもあります。
もう1つは開発に携わった製品をユーザーが使用しているのを見かけたときです。旅行先で一眼レフやミラーレスカメラをもっている人をよく見かけますが、どんな人がどのメーカーのどんな機種を持っているのかとても気になるようになりました。その結果、他社製品だと悔しい反面どんなカメラが人気なのか意識し、キヤノン製であれば嬉しくなるというように一喜一憂し、それが普段の業務のモチベーションになっています。
現在、8人のチーム体制で業務を行っており、私はその中間の立場です。今は自分の仕事をミスなく行うことに集中するだけでいっぱいになってしまうことが多く、後輩への指導まで手が回らないことがあります。一方でチーム内のベテランの先輩は全体の牽引やトラブル時の相談、後輩が業務に集中できるようにフォローしてくれています。自分もそんな存在になることが目標です。
そのため私に一番不足しているのはトラブル対応能力だと考えており、その能力を身に着けるにはシャッターの構成、動作、現象の論理的根拠を把握できるようになる必要があります。先輩のカン・コツを吸収するとともに実際に物を触り、データを解析していくことを通して、必要な知識、スキルを身に着けていこうと考えています。
キヤノンは大学生でも高校生でもない高専生を必要としています。入社後は実力主義という理念の下に日々の業務実績や昇級試験で昇級できます。職場には高専卒だけでなく、大学院卒、学部卒の方もたくさんいますが、最終学歴で評価されることは一切ありません。仕事をしていくうえで大切なのは問題を事前に予想し、それに対して準備すること、また問題発生後の対応力と必要なコミュニケーションが取れる人だと思います。高専で身に着けた知識と技術があれば基礎は十分なので、後は現場で応用するだけです。皆さんの若い力で現場を活性化させ、より良い製品が出せるよう、ぜひ一緒にがんばりましょう。
※ 個人情報保護の観点から、仮名を使用している社員もいます。
※ 取材時の所属のため、異動している社員もいます。