2017年11月10日(金)に、キヤノン主催の文化支援プロジェクト「写真新世紀2017年度(第40回公募)」のグランプリ選出公開審査会が、東京都写真美術館(東京都・目黒区)で行われ、トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏(受賞作品『17 toner hvitt』)がグランプリを受賞しました。
トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏のグランプリ受賞作品
『17 toner hvitt』(動画作品)
「写真新世紀2017年度(第40回公募)」は、4月20日(木)から6月15日(木)まで公募を行いました。従来のプリント作品に加え、一昨年からデジタル作品(静止画・動画)をオンラインで募集したことで、国内外から多くの作品が集まり、1,705名(組)の応募がありました。この中から、本年7月の優秀賞選出審査会で、優秀賞受賞者7組と佳作受賞者11名が選出されました。
11月10日(金)に行われたグランプリ選出公開審査会で、優秀賞受賞者7組は、それぞれプレゼンテーションおよび審査員との質疑応答に臨み、その後、審査員の合議により、トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏のグランプリ受賞が決定しました。
トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏には、奨励金として100万円ならびに副賞としてデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV・EF24-105L IS II USM レンズキット」が贈呈され、来年秋に予定されている「写真新世紀展2018」の開催期間中に、新作個展を開催する権利が授与されます。なお、グランプリ選出公開審査会の詳細は、今後、「写真新世紀」ホームページにて紹介予定です。
グランプリを受賞したトロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏の作品を含む、優秀賞および佳作の受賞作品は、東京都写真美術館にて開催中の「写真新世紀展2017」で11月19日(日)まで展示しています。
「写真新世紀」は、写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクトで、1991年にスタートし今年で27年目を迎えました。受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ホームページでの情報発信など、受賞者の育成・支援活動を総合的に行い、次世代の写真表現を切り開く新しい才能を発掘し、写真界に新風を吹き込む活動を展開しています。これまでの応募者総数は 27,406名(組)に上り、国内外で活躍する優秀な写真家を多数輩出するなど、新人写真家の登竜門として認知されています。
グランプリ受賞者 トロン・アンステン氏(右)
/ベンヤミン・ブライトコプフ氏(左)
優秀賞受賞者7組
この作品では、登場する人物たちが雪と鱈によって、時に奇妙な方法によって、その存在から生じる矛盾を何とか解決し、何かしら意味を見出そうとしています。この作品は、記録資料の場面や演劇のような場面を入れて比喩で例えており、現在の北極とは何かという問題と、地政学的に緊張が高まる地域における資源の取り扱いを課題として取り上げています。
グランプリを受賞したトロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏は、受賞の感想を次のように述べました。
「私たちは、今回の表現方法“動く静止画(moving still image)”が写真新世紀のグランプリ受賞につながり、大変驚いています。今回受賞できたことについて、作品に関係した全てのチームメンバーならびに写真新世紀関係者に感謝を伝えたいと思います。」
優秀賞選出審査会において、トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏を優秀賞に選出した審査員のさわ ひらき氏は、両氏のグランプリ受賞について、次のように述べました。
「今回は、審査員の合議で、トロン・アンステン氏/ベンヤミン・ブライトコプフ氏のグランプリ受賞が決まりました。二人の作品は、私の目にぐっと止まり、作家としての才能の高さを感じました。また、作品の映像の流れや編集技法に優れており、良い結果につながったのだと思います。これからも、新しい作品をどんどん作っていって欲しいと思います。」
日 時 | : | 10月21日(土)~11月19日(日)10:00~18:00 *木・金曜日は20:00まで 毎週月曜日は休館日 |
会 場 | : | 東京都写真美術館 地下1階展示室 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 JR線「恵比寿駅」より徒歩約7分 東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩約10分 |
入 場 料 | : | 無料 |
出 展 者 | : | 2017年度 優秀賞および佳作受賞者(計18組) |
主 催 | : | キヤノン株式会社 |
共 催 | : | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館 |
同時開催 | : | 2016年度 グランプリ受賞者 金 サジ氏 新作個展『満月の夜、男は墓を建て、女はぼっくりを食べる』 |
来年度に実施を予定している「写真新世紀展2018」については、詳細が決定次第、「写真新世紀」ホームページにてご案内いたします。