キヤノンは、第6世代ガラス基板サイズ※1に対応したFPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置の新製品として、さらなる高精細化が期待されている次世代の中小型ディスプレイ向けに解像力1.2マイクロメートル※2(L/S※3)を実現した“MPAsp-E903T”を2020年11月下旬に発売します。
MPAsp-E903T
ディスプレイは、有機ELの普及により高精細化が進むと同時に、スマートフォンでは薄型・軽量化、フォルダブル(折りたたみ)対応では大型化しています。一方、VR関連ディスプレイでは小型化が進み、多様化しています。新製品は、次世代ディスプレイ製造に不可欠なさらなる高精細化のニーズに対応し、多種多様なパネル生産に貢献します。
FPD露光装置として、初めて※4DUV(深紫外※5)波長を発光する新光源を搭載しました。波長が変化しても色収差の影響が少ないミラー光学系特有の利点を生かすことで、これまでに使われている紫外光よりも短い波長を実現した新光源と、新たに開発した投影光学系により、解像力1.2マイクロメートルでの露光が可能です。さらに、位相シフトマスクなどの超解像技術※6で解像力1.0マイクロメートルの露光も可能です。これにより、ディスプレイのさらなる高精細化に貢献します。
新投影光学系と新照明系の搭載に加え、露光モード数を増やしたことで、多様な回路パターンを効率的に、適した条件で照射できます。また、フォトマスクの大きさやインターフェースが共通の従来機種「MPAsp-E813H」(2014年9月発売)と組み合わせて使うこともでき、ユーザーのプロセスに適した生産ラインの柔軟な構築を実現します。
装置内レイアウトと温度調節システムの改良により、±0.25マイクロメートルの高いオーバーレイ精度(重ね合わせ精度)を実現しています。これにより、ディスプレイの高精細化を求めるユーザーのニーズに対応します。
新製品の技術動画を公開しました。新製品の特長について分かりやすく解説しています。
有機ELディスプレイの普及により高精細化が進むと同時に、スマートフォンでは薄型・軽量化や、フォルダブル(折りたたみ)対応による大型化が求められています。一方、VR関連ディスプレイでは小型化が求められるなどニーズが多様化しています。これを受けて、FPD露光装置にはさらなる高精細化とフォルダブルディスプレイなどの高付加価値ディスプレイの量産が期待されています。
製品仕様の詳細は、製品ページをご参照ください。
キヤノンが、露光装置事業に本格参入して今年で50周年を迎えました。50周年に際し、「露光装置」の仕組みや性能をイラストや動画で分かりやすく説明した「キヤノン露光装置50周年記念ウェブサイト」を公開しています。露光の仕組みを分かりやすく紹介するキッズ向けページも用意しています。
URL:https://global.canon/ja/product/indtech/semicon/50th/
MPAsp-E903T
3.76MB(4000px×3000px)
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