4つの産業別グループにおける環境配慮の考え方と取り組み
プリンティンググループの取り組み
プリンティンググループは、オフィス・ホーム分野では、働く場所の制約を受けず高い生産性・利便性・セキュリティ環境を提供する商品サービスの強化、商業・産業印刷分野では、商品ラインアップ強化と省力化・付加価値向上を支援するワークフロー・ソフトの拡充に、グループ全体で取り組んでいます。
1992年より使用済み複合機のリマニュファクチュアリングを推進しており、環境特化型モデルでは、94%を超える部品リユース率を達成しています。2023年は、低温定着トナー を採用することで、従来機種にくらべ消費電力を最大約15%低減し、緩衝材にすべて段ボールを使用した複合機や大判インクジェットプリンターを発売しました。
グローバルで、資源循環率を2030年に50%、また複合機に占める再生機比率を2025年に5%へ引き上げ、製品ライフサイクル全体でグリーン・トランスフォーメーション(GX)を推進します。
目標
脱炭素(CO2削減)
プリンティンググループ全体で、スコープ1,2におけるCO2排出量を2030年までに対2022年比で42%削減、スコープ3(カテゴリー1、11)におけるCO2排出量を2030年までに対2022年比で25%削減することを目標としています。
資源循環
資源循環率は、プリンティング事業の販売総重量に占める再生材料や再生商品の割合を示す数値であり、2022年度実 績約16%に対し、2025年に20%、2030年に50%を目標に設定しました。販売総重量にはキヤノングループ全体での出入りで量を計測し、複合機の新造機や再生機、トナーやトナーカートリッジなども含まれます。
戦略
GX対応ものづくりの推進
“製品単独の仕様”を超えたライフサイクル全体での「脱炭素」と「資源循環」の施策の実行を基本方針としたGX対応ものづくりを進めています。
具体的には、製品単独での「再生材の採用率向上」、「小型軽量化の推進」、「省エネの推進」、「消耗品の長寿命化」に加え、「再生可能エネルギーの使用率向上」、「共通化設計でリユースを推進」などの施策をプリンティンググループ全体で実行しています。
このように製品を製造する環境や、市場での製品のライフを管理、そして保証する環境迄を含んだライフサイクル全体として、環境負荷の最小化を推進しています。
施策
① 原材料
「再生材」の採用率向上
再生プラスチックの導入、含有率の向上に取り組んでいます。製品本体だけでなく、製品本体に接続するアクセサリーや消耗品などにも再生プラスチックを使用することで、新規資源の使用量削減に努めています。さらに、再生鉄の積極的な使用についても今後推進していきます。
① 原材料
「小型軽量化」の推進
シミュレーションで物理現象を検証することで、開発時の資源の使用量削減に加え、製品の小型軽量化を実現。製品重量の削減で資源の使用量を削減し、コンテナ積載数の増加で輸送時の環境負荷も低減しています。
② 生産
「再生可能エネルギー」の使用率向上
プリンティング製品生産拠点における使用電力のすべてを再生可能エネルギー化することを目指しています。一部拠点で実施している太陽光パネルでの発電に加えて、再生可能エネルギーの環境価値を証書化した「再生可能エネルギー電力証書」も取得して推進しています。
③ 流通
「再生しやすい素材」を梱包材に使用
従来のプラスチック材料から紙材料(ダンボール材、パルプモールド材)などへ変更。
プラスチック使用量を削減することで、温暖化や環境汚染の低減に貢献しています。
④ 使用・維持
「低消費電力」施策の搭載
稼働時やスリープ時の消費電力を削減しています。操作部の電力制御、省電力回路や定着※時の省エネ技術など様々な施策を盛り込み、ものづくりメーカーとして培ってきた幅広い技術や知見を活用しながら、今後も更なる削減に取り組みます。
- ※定着:紙に乗っているトナーを熱と圧力で紙に融着すること。
④ 使用・維持
消耗部品の「長寿命化」
材料や構成の見直しなど、技術開発により、ドラムユニット、現像器、定着器などの消耗部品の寿命を大きく延ばしています。製品寿命や市場の交換頻度を考慮しながら、各消耗部品の寿命を延ばすことで、製造部品の数量を抑え、 新規資源の削減に努めています。
⑤ 廃棄・リサイクル
「共通化設計」でリユースを推進
部品の共通化など、できる限り再生しやすい設計を盛り込んでいます。新規部品の使用量を削減することで、脱炭素・資源循環に貢献しています。
⑤ 廃棄・リサイクル
「新品同等の品質管理」で製品の再生強化
日米欧の再生拠点では、各地域から使用済製品を回収し、製品本体や消耗品、部品への再生を実施しています。
⑤ 廃棄・リサイクル
「新品同等の品質管理」で消耗品・部品のリユース推進
市場から回収した消耗品や部品をリユースし、新品同等の品質を達成。洗浄・清掃、必要な部品の交換を行い、厳しい品質基準のもと出荷しています。今後もアイテムや実施拠点の拡大を推進していきます。
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