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しくみと技術オフィス向け複合機

オフィスワークをますます便利に
快適に。複数機能を1台に集約

コピーやプリント、スキャン、FAXなど、1台でさまざまな事務処理をこなす「オフィス向け複合機」。高画質、高性能プリントはもちろん、オフィス文書ネットワークの中核の役割を担う存在として、セキュリティ・クラウド機能の強化、ワークスタイルの変化にも迅速に対応しています。

2021/06/03

複合機のしくみ

 

複合機のハードウエアは、大きく分けて「スキャナー(読み取り)部」「プリンター(出力)部」の2つの機構から成り立っています。スキャナー部では、複合機本体で直接読み込んだ原稿をデジタル信号に置き換えます。プリンター部では、PCからのデータや読み取ったデータをレーザー光で円筒状の感光ドラムに画像描写。その上にトナーと呼ばれるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の粉状のプラスチック粒子を付着させ、静電気で紙に転写し定着させる「電子写真」と呼ばれる方式でプリントを行います。

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複合機の技術

電子写真プロセスの技術


小型長寿命ドラムカートリッジシステム

電子写真方式でプリントする複合機は、感光ドラムが消耗するなどの理由から、定期的なメンテナンスが必要でした。キヤノンはメンテナンス回数の低減と省資源への貢献をめざし、小型長寿命ドラムカートリッジシステムを開発しました。
このシステムに搭載されるE(Excellent)ドラムは、感光層の表面に独自開発の削れにくいコート層を加え、高耐久性・高安定性を実現しています。さらに、Eドラムの長寿命の特長を生かしながら、徹底した小型化、低コスト化のために新たに3つの機構が搭載されています。「帯電ローラークリーニング機構」は、帯電ローラーに清掃部材を加えることで汚れを軽減し、従来よりも大幅な長寿命化を達成。「クリーナー前露光機構」は、転写後の感光ドラムから残留電荷を除去する光源をLEDに変更し、小型なサイズと低コストを実現しました。さらに「トナー除去クリーナー機構」は、クリーニングブレードを最適な力で加圧することで感光ドラムの摩耗を軽減しています。


ドラムカートリッジ断面図

IH(Induction Heating)定着技術

高速複合機では従来、高速でトナーを溶融して紙に定着させるために高い圧力と高温が必要なため、長いウォームアップタイム(起動時間)が必要でした。強度が高く大きな熱容量を持つ大型の定着ローラーを搭載しなければならず、ローラーがトナー定着に必要な温度に到達するまでに時間がかかっていました。
キヤノンは電磁誘導(IH)方式と薄肉の定着ローラーを用いた効率のよい「IH加熱方式」を開発。コイルに高周波電流を流し、誘導加熱によってローラー自体を発熱させます。加熱効率に優れ、薄肉の定着ローラーでも十分トナーを溶融定着できるようになりました。


IH定着技術

ウォームアップタイム1/6(当社比)を達成し、国際エネルギースタープログラムに適合するための省エネ評価基準であるTEC値※は1/3(当社比)を達成しています。

※Typical Electricity Consumption(標準的な電力消費)
国際エネルギースタープログラムにおいて採用されている値で、標準的な使用状況における1週間の消費電力量をいう。

オンデマンド定着技術

中・低速の複合機では従来、トナー定着に「ローラー定着方式」が用いられていました。定着ローラーを内部のヒーターで温める方式で、すばやくプリントするためには待機中も通電させ、ローラーの温度を維持する必要がありました。キヤノン独自の「オンデマンド定着方式」は、熱伝導率が高く熱容量が小さい「定着フィルム」と定着フィルムを直接加熱する「セラミックヒーター」を採用。定着フィルムが回転する時だけヒーターを作動させ、フィルムを介してトナーに熱を与えて画像を定着させることで、加熱時間や温度維持を不要にし、すばやい立ち上がりと省エネルギーを実現しています。「定着フィルム」は、「基層」「弾性層」「表層」の3層構造になっています。基層は、熱伝導率が高く熱容量が小さい素材を使用。短時間で昇温し、熱を効率良くトナーに伝えることができます。さらに基層と表層の間にある弾性層は特殊なゴムを使用し、紙の凹凸に追従して熱と圧力を均一に加えることができます。表層は、フッ素樹脂により離型性を高めトナー付着を防ぎます。

「セラミックヒーター」は、セラミック基板上に抵抗体と保護層を設け、抵抗体に電流を流すことで発熱するしくみです。生じた熱を効率良く定着フィルムに伝えるために、セラミック基板や保護層を薄い層にし、セラミックヒーターを支えるヒーターホルダーは、断熱効果のある耐熱樹脂を使用しています。

オンデマンド定着方式(カラー)のしくみ

CVトナー

キヤノンは実際のプリントアウトを形づくるトナーについても、材料から開発を行っています。複合機用トナーにおいても色材の分散状態を微細に保ちながら、溶融特性の最適化を追求したCVトナーを開発し採用。大量印刷時も安定した色味で、オフセット印刷に迫る高い色再現性を実現しました。転写性・耐久性にも優れ、多様なメディアでも色ムラなどの「がさつき」を軽減。高精細で鮮明な画像を長期間にわたって維持します。



ネットワーク連携の技術



クラウドプラットフォーム技術

近年、社内外のファイル管理や、労務・人事・会計・営業などの業務システム、さらに教育、医療、金融、法務などの業種特有の支援ソフトウエアをクラウド上で利用するサービスが展開されています。キヤノンにおいても、複合機と外部のクラウドサービスをセキュアな双方向通信で接続する機能、複数の複合機から収集したデバイス情報をクラウド上で統合・管理する機能を持つクラウドプラットフォームを開発しました。クラウドサービスへの直接送信を実現するデータを加工する技術、複合機とクラウド間でデータの送受信を行う接続・通信技術、通信経路上のデータを保護する暗号化技術、ひとつのクラウド環境を複数企業が共同利用する状況下で、データ漏えいを防止するマルチテナント技術、複合機の使用者を限定する認証技術などの多くの技術により構成されるプラットフォームになっています。
「uniFLOW (ユニフロー)Online」は、複合機とクラウドとを連携してさまざまなサービスを提供する機能拡張プラットフォームです。個人認証をする、利用履歴を管理してレポートを作成する、スキャンデータを複合機から外部ストレージサービスへ送信する、クラウドでつながっている他の複合機で印刷する、モバイル機器から印刷するなど、業務の効率化に貢献する多種多様な機能を付加できます。

キヤノンの複合機クラウドプラットフォーム(イメージ図)

複合機同士やPCとの連携を強化

「imageRUNNER ADVANCE」は、ユーザーセントリック(顧客志向)をコンセプトに、キヤノンが他社に先駆けて開発した新しいタイプの複合機です。複合機としての使いやすさだけでなく、オフィス内のPCや他の「imageRUNNER ADVANCE」との連携による業務効率のアップも重視しています。
システム連携の中核を担う機能のひとつが「アドバンスドボックス」です。これは、複合機内部のストレージを利用し複合機としてのボックス機能※1と簡易ファイルサーバー機能を同時に持たせた機能で、OSファイルシステム上に新文書管理モジュールを構築することで実現しました。この新文書管理モジュールには、アドバンスドボックス、ネットワーク(SMB、WebDAV)、メモリーメディアの各リポジトリ※2に対する操作を制御するアプリケーションモジュールを組み込んであるため、各リポジトリの差異を意識することなくアドバンスドボックスが使用できます。

※1 ボックス機能
内蔵されたストレージにデータを一時保存して、必要なときにデータを取り出して使える機能。
※2 リポジトリ
システムの設計情報やプログラムデータなどの情報を保管するデータベースのこと。


アドバンスドボックスに関係するソフトウエアの模式図

アドバンスドボックス機能の活用にあたっては、SMBやWebDAVなど複数の一般的なプロトコルに対応させることで、クラウド時代に合ったさまざまなネットワーク環境への適応性を高めています。また複合機にサーバー・クライアントの両機能を持たせることで、PCとの連携だけでなく、「imageRUNNER ADVANCE」同士の機器間連携も可能にしています。
アドバンスドボックス機能により、PCに専用アプリをインストールしなくても、ファイルサーバーへのアクセスと同じ操作で複合機にあるデータにアクセスが可能になりました。たとえば、紙で配布されたPowerPointの出力をスキャンしてPowerPointファイルやPDFファイルとしてアドバンスドボックスに保存することで、別途ファイルサーバーを準備しなくてもPCから好きな時に利用が可能です。一方で、ストレージ非搭載の「imageRUNNER ADVANCE」でも、イントラネット内にあるほかの「imageRUNNER ADVANCE」に接続することで、アドバンスドボックスが存在するかのような利用ができます。
そのほかにも、オフィスで共通利用する宛先をイントラネット上にある1台の「imageRUNNER ADVANCE」に登録するだけで、どの「imageRUNNER ADVANCE」からでも登録情報を参照し、利用することができる「アドレス帳共有」機能を搭載しています。これは、キヤノンの複合機が提供するWebServiceプラットフォームをベースにアドレスブック・フレームワークを構築することにより、スケーラビリティ※3を確保した状態でネットワーク上の複数の複合機でのアドレス帳共有を可能にしています。
「imageRUNNER ADVANCE」は複合機同士やPCとの連携をさまざまな機能で強化し、オフィスのワークフローの大幅な進化を実現しています。

※3 スケーラビリティ
コンピューターシステムの持つ拡張性のこと。システムの規模によらず、柔軟に性能や機能を向上させられることを意味する。

ファイル共有環境イメージ

セキュリティの技術



情報セキュリティ技術

キヤノンオフィス向け複合機の情報セキュリティ技術の概要

オフィスにおいてドキュメントの入出力をつかさどるハブとなる複合機。ネットワークへの依存度やドキュメントの重要性が高まれば高まるほど、PCなどと同様に高いレベルでのセキュリティが必要になります。キヤノンは安心して複合機を使っていただくために、数々のネットワークセキュリティに加えて情報セキュリティ機能を搭載し、その強化を図っています。



機密情報漏洩防止技術

複合機はPCやサーバーと同じように、パスワードや暗号鍵などの多くの機密情報をストレージ内に保持しています。複合機の物理的解析やネットワーク越しの不正アクセスから、これらの機密情報を守るためには、TPM(Trusted Platform Module)チップ※が重要な役割を果たします。すべての機密情報はTPMチップ内のルート鍵で暗号化してから保存され、ルート鍵はチップ外に出ることがないので、複合機内の機密情報が安全に保たれるしくみとなっています。

鍵管理モジュール

※ TPM(Trusted Platform Module)チップ
PCや複合機などの内部にハードウエアとして設置されたセキュリティチップのこと。チップ内で暗号・復号化処理、デジタル署名の生成・検証などを行うことができる。



機能制限による不正使用防止技術

Access Management Systemはユーザーごとに使用できる機能を制限することにより、機器の不正使用を防ぐ技術です。IT管理者があらかじめユーザーごとに使用できる機能を決めておけば、操作が許可された画面のみを表示させることができます。またPCから複合機へプリント指示を送る時には、ACT(Access Control Token)※1を利用することで、プリントの制限、プリントデータの改ざんやリプレイの防止などを行えます。
キヤノンにはオフィスの業務に複合機を最適化するためのアプリケーション・プラットフォーム「MEAP」がありますが、MEAP対応のアプリケーションを利用することで社員管理システムやICカード認証、Active Directory※2など、既存の社内セキュリティシステムとの連携を容易に行うことができます。

※1 ACT(Access Control Token)
PCから発行されるユーザーごとに印刷の実行や禁止を制御するためのアクセス制限情報。

※2 Active Directory
PCを使用するユーザー情報やPCの構成要素となるソフトやハード、CPUなどコンピューターリソースを管理するためにマイクロソフトによって開発されたディレクトリサービス。大規模なコンピューターネットワークで利用されることが多い。

Access Management Systemのシステム構成


改ざん防止技術



ファームウェアの改ざん防止

複合機では、ファームウェアの更新時や、MEAP アプリケーション※ のインストール時に暗号化と署名による検証を行うので、不正なプログラムのインストールを防ぐことができます。



※MEAP アプリケーション
キヤノンの複合機上で稼働するアプリケーション



稼働時の改ざん検知

さらなるセキュリティ強化のための機能です。本体稼働時、ファームウェアやMEAP アプリケーションが改ざんされていないかをホワイトリストと呼ばれる信頼リストと照合することで、不正な未知のプログラムの起動を防ぎます。



起動時の改ざん検知

さらなるセキュリティ強化のための機能です。本体起動時にファームウェアやMEAP アプリケーションなど、システムソフトウェア全体に関してプログラムが改ざんされていないか検証を行い、安全性を確認します。万が一、改ざんを検知した場合は起動を停止することで、不正プログラムの動作による被害を未然に防ぎます。現在想定できない未知の攻撃に対しても有効で、より強固なセキュリティを実現することができます。

コントローラーの技術



独自のプラットフォームMEAP

「MEAP」はキヤノンの複合機に搭載されたOS非依存のJavaアプリケーション・プラットフォームです。お客さまのご要望にあわせて、認証システムや出力管理、オフィス文書活用、業務フロー効率化などを実現するMEAPアプリケーションをインストールし、業務環境に最適化した複合機を提供しています。MEAPのソフトウェア構造は、主にアプリケーション実行環境を提供する基本プラットフォーム、複合機システム関連の機能を提供するシステムサービス、それらを利用して動作するアプリケーションの3つから構成されています。

「MEAP Web」では、複合機に搭載したWebブラウザーと複合機を制御するService Provider(WebアプリにAPIを提供するMEAPのサービス)を提供しており、Webアプリケーションから複合機をシームレスに操作することができます。お客さまがご利用中のWeb型業務システムと複合機の連携を飛躍的に高め、お客さまの文書業務の効率化に貢献しています。

※MEAP Multifunctional Embedded Application Platformの略。


コントローラー・アーキテクチャー

プリント、スキャンなどコンカレント処理(同時並列複合処理)を実行するオフィス向け複合機では、そのデータ処理量が莫大になります。そのため、製品の心臓部では複数の機能を高効率に処理する必要があり、キヤノンでは製品に応じて専用のプロセッサーを開発しています。
「アドバンスドiRコントローラー」は、システム全体のパフォーマンス、ソリューション対応力を高めるため、イメージングプロセッサーを搭載した画像処理コントローラー部と、インフォメーションプロセッサーを搭載した情報処理コントローラー部で構成されています。この二つのコントローラー部を高速バスのPCI Expressで接続することで、処理能力を最大限に生かすだけでなく、それぞれのコントローラー部を最適化し、ドキュメントワークフローの進化に貢献しています。
イメージングプロセッサーは高度な画像処理技術を搭載するほか、複合機の基本機能であるプリント、スキャンなどの高速化を実現しています。一方、インフォメーションプロセッサーでは、ネットワーク・インターネット環境との優れた親和性を実現し、セキュリティ機能や外部システムとの連携により、多くの新機能を実現しています。

アドバンスドiRコントローラーの概念


VL圧縮技術

A4サイズの画像データを印刷するためには、600dpiフルカラーで100MBの画像領域が必要で、これを迅速に処理するためには、高速かつ高効率な圧縮技術が必要です。 VL圧縮(Visually Lossless compression)技術は、PDL※データの画質と圧縮率を適切なバランスで両立させるキヤノン独自の画像圧縮技術です。PCからPDLデータを印刷するように命令を受けると、プリンター側ではまずPDLデータをタイル状に細かく分割します。分割された画像データは順不同に送られますが、この時、画像データを自動的に二つのタイプに分けるのがこの技術の特長です。
自然画や複雑なCGが多く含まれる画像は、たとえ圧縮しても人の目には劣化が判断しにくいという特長があるため、圧縮率を高くできる符号化処理を行っても、十分に高画質な画像として認識できます。そこで、これらの画像データに対しては高い圧縮率で処理します。
一方、文字や線画が多い画像は、劣化すると元の画像との違いが目立つため、これらの画像データに対しては画質の劣化を抑えて圧縮します。このように画像データのタイプによって圧縮方式を自動的に使い分けることで、高速かつ高効率な圧縮を達成しています。

VL方式とJPEG方式の画像比較の一例

100MBの画像をVL方式とJPEG方式で約2.5MB(約1/40のファイルサイズ)まで圧縮したもの。JPEG方式の圧縮画像に比べ、VL圧縮画像の方が高画質。

※ PDL
ページ記述言語、Page Description Language の略。コンピューター上で作成された文書や画像などを印刷する際に、プリントアウトイメージを記述してプリンターに対して指示する言語のこと。代表的なものにキヤノンのLIPSやアドビシステムズ社のPostScriptなどがある。

プリンティングシステムの技術


LIPS LX/CARPS2

オフィス向け複合機やレーザープリンター・複合機には、キヤノンが開発したプリンター専用ページ記述言語LIPSの「LIPS LX」を搭載しています。LIPS LXは、プリントデータを構成する各データの処理をPC・プリンター間でバランスよく分散し、トータルプリント処理時間を短縮します。また、データの種類やプリンター環境が違っていてもパフォーマンスがほとんど変わらない、安定した高速プリント出力を実現します。
さらに、高性能化するパソコンのCPUを活用し、ローコストで最適なプリント処理を実現する「Canon Advanced Raster Printing System2(CARPS2)」は、これまでプリンターで行っていたレンダリング処理をPCで一括処理。キヤノン独自の技術を用いて高圧縮することで、大容量のデータもプリンター本体へのメモリー増設をすることなく、スムーズに印刷できます。

LIPS LX ロードバランシング概念図

高速RIP

一般的なプリンターのRaster Image Processor (以下、RIP)はソフトウエアで処理を行います(ソフトウエアRIP)。しかし、データ量の多いカラー機の場合、ソフトウエアRIPでは高速な処理ができないことが多いため、ハードウエアRIPでの処理が必要になります。キヤノンはプリンターのさらなる高速化・高解像度化の方向性を見据え、ソフトウエアRIPとしてもハードウエアRIPとしても利用できる高速RIPのコア技術を開発し製品に搭載。内部処理のさらなる最適化や並列化による高速対応、内部データの圧縮によって高解像度データを高速に処理する技術の開発も進めています。



ドキュメント処理技術

キヤノンの複合機は読み取った原稿をコピーするだけでなく、原稿を解析・処理して再利用可能な電子ドキュメントを生成する、「ドキュメント処理技術」を搭載しています。
ドキュメント処理技術では、スキャンした紙原稿からレイアウトを解析し、文字、図表、写真、グラフィックなどをオブジェクトとして抽出。それぞれの領域に分割し、属性や位置、大きさの基本データを生成するドキュメント解析を行います。その基本データに文字認識処理、ベクトル化処理※、画像処理、圧縮処理などを行うことで、高品位なドキュメントを再生成します。

※ ベクトル化処理
解像度に依存しない、形状情報を保存するグラフィック表現形式(ベクトルデータ)にすること。拡大してもなめらかな輪郭線を描くことができる。

ドキュメント処理技術に基づく電子ドキュメント生成


高品位ドキュメントと低容量を両立する「高圧縮PDF変換技術」

「高圧縮PDF※変換技術」は、ドキュメント解析技術により抽出された文字や画像データを複数のレイヤーに分離し、それぞれのレイヤーごとに最適な圧縮を行う技術です。これにより、解像度を保持したまま圧縮率を上げることに成功。従来は150dpiで約2MBに圧縮されていたA4カラー画像を300dpi相当で約1/10(200KB)以下に圧縮できます。キヤノンはこの技術を世界で初めて複合機に搭載し、特にデータ容量の大きなカラー文書画像データのネットワーク上でのハンドリング性能を飛躍的に向上させました。
※ PDF(Portable Document Format)
アドビシステムズ社が開発した文書交換フォーマットで、文書のやり取りやインターネット上の文書公開などに広く使われている。



画像PDFの文字検索を可能にする「サーチャブルPDF変換技術」

「サーチャブルPDF変換技術」は、ドキュメント解析技術で抽出、認識された文字データをテキストレイヤーとして画像に付加することで、PDFドキュメント中の文字検索を可能にします。処理速度はA4用紙で毎分20枚と高速で、精度も97.75%(日本語自社評価サンプル)と高精度です。また、日本語だけでなく英語をはじめ、欧州やアジアの各種言語にも対応しています。



精細な文字表示を実現する「アウトラインPDF変換技術」

「高圧縮PDF変換技術」をさらに進化させたのが「アウトラインPDF変換技術」です。従来は、スキャン画像から抽出した文字データ、背景データを合成していましたが、アウトラインPDFでは文字データをベクトルデータに変換して圧縮し、出力機器の解像度に依存せずに高精細な文字で表現することを可能にしました。
アウトラインPDFで変換したデータは、Adobe Illustratorを使用することで文字やグラフィックデータの再利用が可能で、文書画像の再利用の範囲が大きく広がります。

「アウトラインPDF変換技術」による、環境に依存しない、なめらかな文字表現


紙文書の再利用を促進する「Microsoft Officeファイル変換技術」

紙文書をスキャンする際に、文字データをテキストデータに変換して文字列の編集を可能にしたWord形式のほか、文字データや図形データをベクトルデータに変換し、画像や背景、レイアウトを保持したPowerPoint形式に変換することが可能です。従来のPDF変換に比べて文字や図形の変更を簡単に行うことができ、原本が紙のみの場合でも、入力や編集の手間を大幅に軽減できます。



パス両面同時読み取り技術

スキャナユニット

従来、原稿の両面を読み取る場合は、原稿を片面読み込んだ後にフィーダー※で反転させて再び読み込む必要がありました。キヤノンはバラバラに配置されていた光学系をひとつにまとめることで、フィーダー側と原稿台ガラス側の両方にスキャナーユニットを搭載することを可能にし、1回(1パス)で原稿の両面を同時に読み込めるようにしました。大幅な高速読み取りを実現し、紙詰まりをはじめ読み込む原稿にダメージを与える可能性も減少させ、原稿反転時の動作音もなくしました。
このスキャナーユニットには、小型高性能の4カラーラインセンサー、白色LED、キヤノン独自の非球面レンズを採用しています。独自開発の4カラーラインセンサーは従来のセンサーに比べてデータ転送速度が速く、高速に読み取ることが可能です。さらに白色LEDを光源に採用することで、キセノンランプを使用した従来に比べ消費電力を約4分の1に低減するなど、省エネルギーも実現しています。また、非球面レンズのレンズユニットへの採用により被写界深度を深く確保でき、表面に凹凸のある物をスキャンする場合に奥行き感まで再現することも可能にしました。小型化されたスキャナーユニットにより複合機本体の省スペースにも貢献しています。

※ フィーダー
原稿を読み取り部まで自動的に搬送する機構。




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