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AIで実現した群衆人数カウント技術

世界各地で行われている大規模なイベントの主催者にとって、参加者の安全確保は何よりも重要です。会場内での人の動向を把握することは、万全の警備、適切な誘導のために欠かすことはできません。
キヤノンが開発したのは、AIを利用した群衆人数カウント技術。混雑が起こるさまざまな場所で、即座に人数をカウントします。

2019/12/19技術紹介

#ネットワークカメラ#産業機器#イメージング技術#AI#IoT#機械工学#電気工学#情報工学

数千人を瞬時にカウント

多くの人が集まるイベント会場や駅などに、どのくらいの人がいるのか、またその数がどう変動しているかを正確に知りたい場合、人手で数えるのには限界がありました。2016年、キヤノンはネットワークカメラの映像から、映像解析技術により人数を数えるソフトウェア「People Counter」を発売し、2019年には、ネットワークカメラの高解像度化への対応と群衆カウントAIを進化させ、数千人の群衆を数秒でカウントする群衆人数カウント機能を搭載した「People Counter Pro 」の発売を開始しました。

群衆人数カウント(18秒)

2018年に開催されたラグビーの国際試合での実証実験では、キヤノンの群衆人数カウントの技術によって約6千人を数秒でカウントできました。実証実験後の画像を人手で確認した人数と、ソフトウェアによるカウント人数の差は5%以内に収まり、ほぼリアルタイムで、群衆人数を正確に把握することに成功しました。

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人数カウント中の画面

ディープラーニングを駆使して高速・高精度を実現

キヤノンの群衆人数カウント技術は、AIを用い人の頭を検出します。混雑した場所では、人の体が重なる、あるいは顔が横向きや後ろ向きになることが多く、胴体や顔を検出する方法では、正確に人数を数えることは難しかったのです。キヤノンは人の「頭」を見分けるAIを開発し、群衆の人数を正確にカウントすることを可能にしました。

もともとキヤノンでは、ディープラーニングによるAIの研究を行っており、群衆人数カウント技術はその成果の一つです。研究当初は、研究者が一つひとつ人の頭をマーキングし、繰り返しAIに学習させることから始まり、その後ディープラーニングを駆使することで精度を高めていきました。

学習に用いた群衆映像のサンプルは、数十万にものぼります。実写サンプルだけでは用意しきれないため、さまざまな群衆パターンの映像を3DCGで作成。学習量を増やしました。

さらに使い勝手を重視し、AIモデルの軽量化を実現しました。GPUに頼ることなくCPUだけで処理できるようにし、運用コスト、消費電力を低く抑えることができたのは、この技術の大きな強みの一つとなっています。

さまざまな用途での利用を想定した精度向上にも力を入れて取り組みました。映像が暗いと、映像内のノイズの影響により頭を検出しにくく、カウント精度が低下するという課題がありました。カメラの開発者とともに低照度におけるノイズの入り方について検討することで、ノイズがある映像においても頭の検出を行うことができるようになりました。カメラと映像解析の開発者がお互いに近くにいるキヤノンだからこそ、高い精度を達成できる技術を開発できたのです。

また、キヤノンのAI技術は、さまざまな角度の映像サンプルを学習させることにより、俯角で10度から65度までの範囲に映る人の認識もできるようにしています。広い俯角に対応することで、カメラを設置する場所の自由度を大きく拡げることができました。

  • ※人体の見下ろし角度や、映像内の人物の横幅、混雑度によってはカウントされないことがあります。

設置俯角を浅くすると、広い範囲をせ撮影できる。

設置俯角を俯角すると、混雑した状況でも、人の重なりが少ない。

どちらでも検出を可能に

広範囲の領域をカバーするネットワークカメラも製品化

数千人の群衆を1台のネットワークカメラで撮影するには、広範囲を高解像度で撮影できる必要があります。キヤノンとアクシスが共同開発した高画質のネットワークカメラ「AXIS Q1659」は、画面周辺までゆがみが少なく、フルHDをはるかに超える約2000万画素の高解像度画像で撮影でき、広範囲の群衆をカウントできることが大きな強みとなっています。

  • ※スウェーデンに本拠を置くキヤノンのグループ会社で、ネットワークカメラシステムの世界大手。

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アクシスのネットワークカメラ

ネットワークカメラにAIで付加価値を

ネットワークカメラに群衆人数カウント技術が加わることにより、新たな価値を生み出すことができます。

例えば、時系列で入場者数の推移を記録できると、時間帯や曜日ごとの傾向が把握できます。マーケティングに活用すれば、予想入場者数に応じた在庫調整ができるようになり、警備においても最適な人員配置が可能となります。また、ほぼリアルタイムで人数の推移を把握できるため、混雑で入場制限を実施する時の判断に役立てることもできます。

さらに、画面内の特定エリアに限定してカウントできるので、イベント会場の特定のブースだけ、あるいは駅や空港の特定エリアだけの人数推移を知りたい場合にも、威力を発揮します。

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マーケティングへの活用

ネットワークカメラの映像をさらに有効活用できるようにする群衆人数カウント技術は、すでにさまざまな場所で活躍をはじめています。

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