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キヤノンは、時代を先読みしながら10年後、20年後の姿を描き、事業の発展を支援する知的財産戦略を策定しています。

2025年4月30日

新たな価値創造のための特許取得

キヤノンの知的財産活動は、ドイツのライカ社が保有する特許を避けてカメラを開発するための実用新案の取得から始まりました。その後、1960年代にはキヤノンは複写機分野へ参入し、米国のゼロックス社が保有していた完璧といわれた特許網をかいくぐり、ゼロックス社の特許に触れない、新しい電子写真技術「NP方式」を開発することに成功しました。これらの経験がキヤノンの知的財産戦略の基礎となり、今日まで受け継がれています。

キヤノンの知的財産の基本方針

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キヤノンの知的財産の基本方針

通信、GUIなどの汎用技術に関わる協調領域の特許は、クロスライセンスなどに利用することで、研究開発や事業の自由度を確保し、魅力的な製品やサービスの提供につなげる

コアコンピタンス技術に関わる特許は、競争領域において事業を守る特許としてライセンスせず、競争優位性の確保に活用する

他社の知的財産権を尊重する。一方でキヤノンの知的財産権の侵害に対しては毅然と対応する

他社が容易に到達できない検証困難な発明は、ノウハウとして秘匿し守ることで、他社の追従を許さず、競争優位性を確保する

近年では、事業のコア技術に関する特許取得はもちろんのこと、事業では競合はないものの、知的財産で競合するIT系企業などとの訴訟や交渉に備えて、AIやIoT技術、標準化技術などの特許取得にも注力しています。また、SDGsなど社会課題の解決に貢献する技術の特許取得を積極的に行い、強い特許ポートフォリオを維持しています。この強い特許ポートフォリオにより、事業の競争優位性・自由度を確保しています。

米国での特許登録件数は41年連続で10位以内
日本企業としては20年連続トップ

キヤノンでは、日本国内はもとより、世界での特許取得も重視しており、地域ごとの事業戦略や技術・製品動向を踏まえた上で、特許の権利化を推進しています。特に米国は、世界最先端の技術をもつ企業が多く、市場規模も大きいことから、米国での特許取得については事業拡大、技術提携の双方から注力し、41年連続で特許登録件数は10位以内を維持し続けています。

2024年米国特許取得件数ランキング トップ15社

順位

権利者

取得件数(件)

1

Samsung Electronics Co Ltd

6,377

2

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co TSMC Ltd

3,989

3

Qualcomm Inc

3,422

4

Apple Inc

3,082

5

Huawei Technologies Co Ltd

3,046

6

LG Electronics Inc

2,768

7

Samsung Display Co Ltd

2,596

8

International Business Machines Corp

2,465

9

Canon Inc

2,329

10

Google LLC

2,054

11

Intel Corp

1,931

12

BOE Technology Group Co Ltd

1,870

13

Micron Technology Inc

1,796

14

Toyota Motor Corp

1,779

15

Microsoft Technology Licensing LLC

1,707

特許取得件数はIFI CLAIMS パテントサービスの発表(2025年1月15日時点)に基づく。

キヤノンで生まれた発明の受賞歴

日本国内で多大な功績をあげた発明などを表彰する「全国発明表彰(発明協会主催)」において、キヤノンは数々の賞を獲得しています。

過去10年(2012年以降)のキヤノンの全国発明表彰受賞歴

受賞年

賞名

応募名称

2024

朝日新聞社賞

次世代天文観測を実現する高性能回折格子の発明

2019

日本経済団体連合会会長発明賞

位置合わせ速度と精度を両立させたディスプレイ用露光装置の発明

2018

内閣総理大臣賞

撮像面位相差オートフォーカス方式を実現するイメージセンサーの発明

2015

日本経済団体連合会会長発明賞

CMOSセンサーのシェーディング低減技術の発明

2014

内閣総理大臣発明賞

機動性に優れた小型軽量デジタルシネマカメラの意匠

2013

文部科学大臣発明賞

クリーナーのない中間転写型プリンターの発明

2012

発明賞

デジタルカメラのGUIの画面意匠

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