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材料をゼロから作る材料をゼロから作る

材料研究

製品の競争力を上げるために欠かせないのが、色材やトナー、光学ガラスなどに使用される材料技術です。
キヤノンでは1980年代から材料研究に取り組み、「キヤノン材料バンク」に成長を蓄積。
全社で利用できるデータベースとして整備しています。

2018/12/27技術紹介

[ 高発色キサンテン系染料 ]

いつまでも色あせない鮮やかな赤を

#化学

プリンターメーカーは、色材そのものの自社開発はせず、他社から調達した共通の染料を使用することが多く、色味での差別化は困難な状況にありました。キヤノンでは、視認性の高い「赤」の染料開発のために発色性に優れたキサンテン系染料に注目し、自社で開発を開始。堅牢性(耐光性)に課題があり、実用化は難しいとされていたキサンテン系染料の弱点を克服し、堅牢性と鮮やかな赤を両立する新規マゼンタ染料の開発に成功しました。

独自の分子設計により堅牢性を高める構造を探求

#化学

キヤノンでは1980年代から新規染料の開発に取り組み、現在、1万種類を超える染料を「キヤノン材料バンク」に蓄積しています。このバンクでは合成・物性情報に加え、染料が外部からの光やオゾンガスなどの刺激を受けて崩壊するメカニズムなど、多種多様な技術ノウハウをデータベース化しています。キサンテン系染料の開発では、このバンクに蓄積された材料をもとに、シミュレーション、分子設計、合成、評価・分析を繰り返し、最適な場所に特定の置換基を配置することで、発色性と高堅牢性を両立する新たな染料を誕生させました。

独自開発した染料は、2012年発売のインクカートリッジBCI-351に初搭載。更に性能を進化させた第二世代の新規染料が2017年発売の新インクカートリッジ「XKI-N11」に搭載され、プリント画質向上に貢献しています。

実験室レベルから量産レベルヘチャレンジ

#化学

実験室では完成したものの染料の製品化は、量産対応という課題を乗り越えなければ達成されません。300mlという小型の反応容器を用いる実験室とは異なり、量産時に使う反応釜は1t以上とその規模が格段に大きくなります。特に、インク吐出量をピコリットル単位で制御するインクジェットプリンターでは、合成中にわずかでも不純物が発生すると、プリントヘッド部分にあるインクのノズルを詰まらせてしまいます。要素開発部門と事業部門が共同で研究に取り組み、不純物を100万分の1以下に抑制。量産時でもインク品質を安定させ、製品化を実現しました。

イメージイメージ

[ 鉛フリー圧電体 ]

環境負荷の少ない圧電体の開発

#品質#物理学#化学#環境配慮

圧電体は電気エネルギーを機械エネルギーに変換する特性を持ち、モーターやセンサーには欠かせない材料ですが、環境に悪影響を与える鉛を材料に使用することが、業界の課題となっています。キヤノンでは現在、ハンダやレンズ用光学ガラスの鉛フリー化に続いて圧電体の鉛フリー化にも着手し、自社製品への搭載をめざして材料開発に取り組んでいます。

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混ぜ合わせた原料粒子を焼結し分析用鉛フリー圧電体のサンプルを作製

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合成した試料を分析・評価し材料としての適性を見極める

国家プロジェクトへの参画

#オープンイノベーション#化学

キヤノンは文部科学省が2007年に開始した「元素戦略プロジェクト」へ2012年まで参画しました。物質を構成する元素の役割や性質を研究し、機能の発現機構を明らかにすることで新たな高機能材料の創生をめざすプロジェクトで、キヤノンが進める圧電体の鉛フリー化もその一環。鉛系圧電体を凌駕する圧電特性を持ちながらも、環境に有害な元素を含まない新材料の創生に取り組んだ成果が、今日の研究開発の基盤になっています。

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