定時運行100%に向けた航空整備の迅速化にネットワークカメラが貢献
航空機の安全を見守る
定時出発率100%をめざし、鮮明でクリアな映像のネットワークカメラシステムを求めていた航空機の整備場。機体や人、車両などがつねに行き交う現場で、 キヤノンのネットワークカメラシステムがその威力を発揮しています。
2019/05/16
航空機の安全を管理する現場で聞いた!
航空機の安全と品質管理を担う、株式会社JALエンジニアリングでは、格納庫エリアを中心に、キヤノンのネットワークカメラシステムが導入されています。
格納庫では、航空機の定例整備に加え、到着後から出発前までの短時間で行う運航整備、また、トラブル発生時の緊急整備などが随時行われ、機体や人、車両がつねに行き交っています。JALエンジニアリングでは、従来、60〜70台のカメラによる監視体制をとっていましたが、セキュリティ強化のニーズの高まりから、より精度の高いシステムへの刷新を決定し、採用されたのがキヤノンのネットワークカメラシステムだったのです。同社の導入責任者である羽田航空機整備センターの三澤 弘さんからキヤノンを選んでいただいた経緯についてお話を伺いました。
「さらなる高いレベルでの安全管理体制を確立するために、私たちが最も重視した条件は、鮮明でクリアな映像の実現です。しかし、格納庫は配線の都合上、カメラを設置できる場所が限られます。広い格納庫をくまなく網羅するには、ズームやレンズの向きを自由自在に変えることができ、夜間も鮮明に映し出す高度なカメラ性能が不可欠でした」と三澤さん。
キヤノンのネットワークカメラは、レンズ技術、ビデオ技術を結集し、高精細、高解像度を維持しながら、画角の広さも確保。さらに、昼夜問わずに最適な撮影を可能にする機能も搭載しているため、画面すみずみまできれいな映像を実現しました。
「とりわけ私たちが感動したのは、20倍の光学ズームで寄ると顔が認識できるほど画像が鮮明なこと。さらに、暗闇の中でもくっきりと映し出し、超広角のカメラは狭いスペースでも広く撮影できるなど、カメラメーカーの強みを感じました」と三澤さんは話してくれました。
ITとの融合、現場に応じた提案力で最適なソリューションを導き出す
システムの導入段階では、キヤノン側の担当者、エンジニアからなる「キヤノンチーム」を結成し、現場の検証とミーティングを重ねました。
「私たちが重点的に監視を強化したい場所や目的を伝え、キヤノンチームが計画に落とし込んでいきました。カメラ設置が難しいゾーンや、配線が届かないゾーンもあるのですが、エンジニアから次々と解決策が示され、128台のカメラによる網の目のようなネットワークが張り巡らされました。まさに私たちとキヤノンの共同作業でつくり上げたセキュリティシステムだと誇りに思っています」
そして、進歩したのが大容量データ管理システムだと三澤さんは付け加えます。
「最新のデータ圧縮技術のおかげで、長期間にわたる映像の保存が可能になりました。過去を遡って時系列で検証することで、トラブル発生時の問題点の追求が徹底できるようになったのです」
キヤノンは、高画質と高圧縮率が両立する映像圧縮方式に対応し、高画質配信時にもネットワークの負荷を抑えた監視システムを可能にしました。高圧縮によるハードディスクドライブ容量の削減、長時間録画が可能になり、多台数カメラ映像の大容量保存に効果を発揮しています。
現場の課題を乗り越え業務改善を実現 広がるネットワークカメラの可能性
完成したシステムが始動すると、「現場にも良い変化が表れた」と三澤さんは話します。
「航空機が遅れるときは、機側と何度も連絡を取り合っても、現場で待機するロスが生じていました。導入後は、モニターで航空機の入庫・出庫がリアルタイムで確認できるようになり、作業進捗もカメラで目視できるようになりました」
整備の現場においては、限られた時間で正確かつ万全に作業を終了させることが最大のミッションです。
「私たちJALエンジニアリングはイレギュラー運航ゼロ、運航中の機材故障ゼロをめざし、定時出発率を100%にする『ゼロ ゼロ 100』を合言葉にしています。システム一新により、セキュリティと生産性向上の両面で進化できたと感じています」
航空機整備の現場を見守り、業務改善をもたらしたキヤノンのネットワークカメラシステム。最先端のテクノロジーの力で、これからもあらゆる領域で安心安全に貢献していきます。