雨の後にできる虹は、大気中に浮かぶ水滴と太陽光によって起こります。
では、光はどのように水滴の中を通り、7色の虹となるのでしょう。
虹が7色に見えるのは、太陽光が7色に分解されているからです。プリズムを通した太陽光が、7色に分かれるのと同じ現象です。つまり、大気中の水滴がプリズムの役目をしているのですが、その光の動きは複雑です。
光は水滴に出会い、「屈折」して水滴中に入ります。そこで「分散」して7色に分かれ、色ごとに内面で「反射」して、再度水滴表面で屈折して出ていき、虹となります。
虹が7色に見えるのは、水滴中を通った太陽光が7色に分解されているからです。プリズムを通した光が、7色に分かれるのと同じ現象です。光は、ある媒質を出て他の媒質の中へと進むとき進行方向が変わり、折れ曲がります。これを「屈折」といいますが、屈折は屈折率の違いにより生じ、光の色ごと、つまり光の波長によって異なります。だから、プリズムのように条件が整えば、光の色が分離されて見えることになります。このように、波長によって屈折角が変化すること、つまり屈折率が異なることを「分散」といいます。通常の媒質では、波長が短くなるほど(青くなるほど)屈折率が大きくなります。
屈折は、媒質の中を進む光の速さの違いから起こります。この屈折現象は古くから知られていましたが、その関係性と法則を発見したのは17世紀のスネル(オランダの数学者・1580-1626)です。高速道路で見られるナトリウム灯のだいだい色の光に対する水の屈折率は、1.33です。波長が短い紫の光に対してはこれが1.34近くとなり、波長が長い赤い光に対しては1.32近くへと屈折率が変わってきます。
太陽光は、空気中の無数の水滴(球状)に出会い、屈折して水滴内に入ってきます。この屈折のときに分散して7色に分かれ、水滴の内面で「反射」して出ていくことになります(反射における光の入ってくる角度(入射角)と出ていく角度(反射角)は等しく、光は決まった方向に出ます)。水滴から出ていくときにも屈折が生じ、分散はより強調されます。主虹は1回の反射、やや暗い副虹は2回の反射で、虹を見る人の目に分散した7色の光を届けます。
虹は、太陽を背にしたときに見えます。太陽を背にして、太陽の方向から約40度の角度に見えるのが、主虹です。副虹は約53度の角度で見えることが確認されています。水滴内部で1回反射する主虹と、2回反射する副虹では、色の配列が逆になることも、横図をよく見れば理解できるでしょう。