マガモ
CRFの池には、子育てのため、マガモの夫婦が定期的にやってきます。池を泳ぐ母鳥やひなたちは、毎年社員の目を楽しませています。
activities
フランス・ブルターニュ地方にあるCanon Research Centre France(CRF)は、フランスの野鳥保護団体「LPO」とパートナーシップを結び、鳥類をはじめとした生物多様性を保全する活動を行っています。
BIRDS: Biodiversity Improvement on R&D Site
CRFは、1990に設立した、キヤノンの海外R&Dセンターのひとつで、フランス西部ブルターニュ地方の都市レンヌの郊外、セソン=セヴィニェという町にあります。
周辺は、科学技術の研究開発が盛んな地区で、フランス政府指定のイメージ&ネットワーク産業クラスターに参加する企業の研究所や、大学・工業都市などが立地しています。また、居住者の拡大に向けた都市開発が進む地域でもあります。
CRFは、45000m²ある敷地面積のうち82%が緑地となっており、2011年から、地域のNGOであるLPO(バードライフインターナショナルのフランスでのパートナー)の助言のもと、この広大な緑地での生物多様性の保護および改善に向けた活動を行っています。
プロジェクト開始時点から、LPOの専門家による敷地内の定期的な生物多様性調査を行っています。
2011年、2015年、2020年の調査結果として、対象の鳥類、コオロギ、トンボ、蝶において、確認できた生物種の数は大幅に伸びています。鳥類においては、2015年の27種から7種増え2020年では34種確認されています。
主な活動
2011年調査の際のLPOの提言に基づき、生物多様性の保全や生息する生物種の拡大に向けた緑地整備の見直しを行いました。 主な整備方針は下記のとおりです。
主な活動
多様な生物が生息できるよう、敷地内に2つある人口池のレイアウトを変更しました。 池に盛土をして植物を植えたり、池の深さを段階的に変化させたりすることで、さまざまな生き物が適応しやすくしています。また、池のふちの一部に足場を設置することで、生き物が池に出入りしやすくなりました。
活動事例1
シジュウカラの仲間(Tit)のための巣箱を5台、キバシリ(Tree Creeper)のための巣箱1台設置し、必要に応じて清掃・交換を行っています。
また、自然界に餌が少ない冬の時期には餌台(バードフィーダー)を設置しています。
活動事例2
構内の渡り廊下では、時折、ガラスに衝突する鳥がみられました。そこで、ガラス窓前面に色付きフィルムを張り、そのような不幸な事故を防いでいます。
活動事例3
CRFでは、これまでに、社内外で10近くの啓蒙イベントを実施しました。CRF敷地内で行われたイベントでは、イベントごとに野鳥・チョウ類・コオロギ類などのテーマが設定され、社員が身近な自然に触れ、再発見する機会を提供しています。また、CRF近辺にあるレンヌ森やガイユ公園などでもイベントを実施しており、各イベントには平均して社員の1割以上が参加しています。
© S. Baron, CRF
CRFの池には、子育てのため、マガモの夫婦が定期的にやってきます。池を泳ぐ母鳥やひなたちは、毎年社員の目を楽しませています。
© F. Thoumy, CRF
渡り鳥であるヤツガシラは、森のある郊外や庭の明るい森の中で、4月から9月にかけて見ることができます。土の中の食料を探すため、木だけではなく、開けた環境を必要とします。
© Ph. Pulce, LPO
橋や壁、屋根など、街の人工的な建築物に好んで巣を作り、地面の上で、尻尾でバランスを取る姿から、Wagtail(尻尾を縦に振るもの)と呼ばれています。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)
© Ph. Pulce, LPO
獲物を見つけて急降下する前に空中でホバリングすることから、他と区別しやすい猛禽類です。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)
© Ph. Pulce, LPO
大型のサギ類のなかで最もポピュラーな鳥で、餌である魚やカエル、野ネズミなどを探して、水辺だけでなく草地にも現れます。
© Ph. Pulce, LPO
田畑や森のある郊外の、開けた場所を好む鳥です。いつもぼんやりしているように見えるため、tête de linotte(おっちょこちょい)と呼ばれています。
© J. L. Parmentier, LPO
他のシジュウカラの仲間(tit)とは違い、草木の中に営巣し、巣箱や木々のうろなどの空洞を必要としません。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)
© Ph. Pulce, LPO
チフチャフは、名前通りの鳴き声によってすぐに識別できます。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)
© Ph. Pulce, LPO
しばしば、「庭師の友達」と呼ばれるように、土を掘り起こしているときに出てくるミミズを取るためなら、平気で庭師にも近づいてきます。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)
© E. Boucard, LPO
フランスで最も小さい鳥の一種です。その小さい体は、営巣するために建物の亀裂や細い隙間などを通り抜けることができます。CRF敷地内での営巣が確認されています。(2015年現在)