野鳥写真図鑑

ライチョウ

キジ目キジ科 全長約37cm

絞り:F8.0|シャッタースピード:1/500秒|ISO:200|露出補正:-0.3|焦点距離:40mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:富山県

本州中部の高山で繁殖。冬はやや下るものの雪山で過ごし、雪に穴を掘って眠る。雄は「ゴアーゴアー」と、鳥とは思えない太い声で鳴く。上の写真は雄の夏羽への移行中で、雌雄とも冬羽ではほとんど白くなる。

鳴き声

※鳴き声が再生されます。

地球温暖化に追いつめられる代表的な鳥

神の使いの将来は?

日本では山岳信仰とも関わり、神の使いともされてきたライチョウですが、地球温暖化や登山者の増加が脅威になって、国内の生息数はすでに2千羽を下回ったようです。キツネやカラス、チョウゲンボウなどの捕食者が生息地となる高山に侵入するようになり、イノシシ、シカ、サルなどの侵入も植生の破壊となって数を減らしたと考えられています。縄張りの垂直分布調査から、「年平均気温が3℃上昇した場合、日本のライチョウは絶滅する可能性が高い」という指摘もされています。一方で、ライチョウ保護増殖事業により、動物園などが協力しあい、飼育下での繁殖や人口的に孵化させた個体の野外復帰などの試みがスタートしました。

ライチョウ(メス・夏羽) キジ科の雛(ひな)は孵化後すぐに、雌親に連れられて巣を離れる。

スマホに追い詰められる?

日本以外でライチョウを研究している人は、日本のライチョウが人を恐れないことを知ると驚きます。北半球の寒い地域に広く分布しているライチョウは、多くの国では狩猟対象なので、人に対する警戒心が強いからです。氷河期の生き残りとして南限となる生息地で暮らす日本のライチョウは、信仰の対象として守られてきた歴史もあって、あまり人を警戒しません。近年はそれが災いして、登山者の撮影対象として追われることが増えました。この「CANON BIRD BRANCH PROJECT」Webサイトで写真を担当している野鳥写真家・戸塚学(とづか がく)氏は雑誌に「スマホがライチョウを追い詰める」と題した一文を寄せて、ライチョウが暮らす環境への配慮とともに、撮影マナーを喚起しています。

ライチョウ(メス・冬羽) メスの冬羽は尾羽を除き、純白の羽毛になる。オスでは夏羽で見られた眼の上の赤い肉冠(にくかん)が残り、眼の前後が黒い。
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