野鳥写真図鑑

ホオジロ

スズメ目エナガ科 全長約13.5cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/500秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:愛知県

本州、四国、九州の低地から山地にかけて、低木のある草地や林の縁に多く生息する(北海道では数少ない夏鳥)。繁殖期のオスは、目立つところにとまってさえずる。スズメより尾が長く見え、腹が茶色いことも識別点になる。

さえずり
地鳴き

※鳴き声が再生されます。

開けた環境で聞こえる複雑なさえずり

一筆啓上か札幌ラーメンか?

野鳥のさえずりを人の言葉に置き換えて表現する「聞きなし」では、ウグイスの「法、法華経」が有名ですが、数が多いのはホオジロでしょう。「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」「あっとおどろく為五郎(ためごろう)」「源平つつじ、白つつじ」「札幌ラーメン、味噌ラーメン」など、地域や時代によってさまざまな聞きなしがあります。
野鳥のさえずりを聞き分けるポイントは、声の質と鳴き方です。ホオジロは細い声で、早口かつ複雑に鳴きます。最初にアクセントがあるのも特徴で、「一筆啓上」で例えるなら最初の「イッ」が強く、あとは一気にピツケイジョウツカマツリソウロウと続けます。
なお、アオジ、ホオアカなどホオジロ科の多くの地鳴きはよく似ていて「チッ」と一声ずつですが、ホオジロだけは「チチチッ」などと続けて鳴きます。

ホオジロ(メス) オスの顔は黒白の模様がはっきりしているが、メスは黒い部分が褐色。また、メスはさえずらないので、目立つところで見かけることは少ない。

身近な鳥だったはずが……

ホオジロは千葉県では県の鳥に指定されており、聞きなしの多さからも身近な野鳥だったはずですが、近年は減少が心配されるようになりました。東京都のレッドデータブックには、1970年代から減少しはじめたことが記載されていて、今や区部では絶滅危惧種扱いとなっています(東京都のレッドデータブックは区部、多摩地区など地域ごとに希少種が記載されています)。 都市部や住宅地では農地が減少していますが、そのことがホオジロ以外にもモズヒバリなどの減少と関係しているに違いありません。「緑を大切に」と言われると、林の保全や植栽がイメージされやすいのですが、畑や草地のような開けた環境を好む種もいることを忘れないでほしいものです。

ホオジロ(巣立ち後の幼鳥) 小鳥の場合、巣立ち直後の短い尾は数日で伸び、成鳥と変わらない大きさ、体型になるのが普通。ホオジロの幼鳥は成鳥に比べ、顔の模様がはっきりしないこと、胸に小さな斑紋があることなどで見分けられる。
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