野鳥写真図鑑

メジロ

スズメ目メジロ科 全長約12cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/640秒|ISO:800|露出補正:-1.3|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

日本全国、沖縄県の島々にいたるまで広く分布するが、北日本や山地などでは越冬しない地域もある。スズメより小さく、尾が短い。色もサイズも木の葉のようなので、緑の茂みの中にいると探しにくいが、「チィー」と少し伸ばす地鳴きでわかる。さえずりは複雑で、「チルチルミチル青い鳥」などの聞きなしがある。

さえずり
地鳴き

※鳴き声が再生されます。

日本からハワイに持ち込まれた鳥

英語の名「ホワイト アイ」の由来は?

メジロの眼は、白くはありません。白いのは眼の周りで、瞳は黒く、虹彩は黄色とも褐色ともつかない色をしています。英語でも「ホワイトアイ(White-eye)」と呼ばれていますが、いまさら文句は言わないでおきましょう。メジロの仲間は欧米にはいないので、メジロの英語での呼び名(英名)は、おそらく日本語の名が直訳された結果でしょう。
秋冬は庭に来て木の実を食べたり、カンツバキ(寒椿)などの花の蜜を好むので姿を目にしやすい小鳥です。2羽でいると、よく「夫婦でしょう?」と聞かれますが、見た目では雌雄が見分けにくく、番(つがい)関係は繁殖期の春夏だけと思われる小鳥が多いので、なんとも言えません。春になれば、さえずるほうがオスであることがわかります。2羽で相互羽づくろいをしているところが観察できれば、ペアと考えてよいでしょう。

メジロ 緑の葉の中にいると見つけにくいが、花の蜜を求めるメジロは見つけやすい。

日本の移民による外来種

ハワイの固有生物はすでに多くが絶滅し、現在生き残っている種も、絶滅危惧種とされているものが少なくありません。ホノルルでも、町を歩けばたくさんの鳥に出会いますが、そのほとんどが外来種です。
ハワイの外来種は、移民がそれぞれの国から持ち込んだもので、なかでも日本人が持ち込んだメジロは、最も繁栄した外来種といえましょう。ワイキキビーチから、固有種が細々と生き残っている山奥まで見られるからです。
メジロは虫も木の実も食べ、さまざまな花の蜜も好みます。ハワイミツスイと呼ばれるハワイ固有の小鳥の仲間は、すでに何種もが絶滅しています。固有の花に特化した進化をしてきたと思われる種もいましたが、食性の幅が広いメジロに追いやられたものがいたかもしれません。
世界の各地で、外来種による在来種への影響が心配されるようになりましたが、まずは、自分の国や地域の在来種について知っておきたいものです。

メジロ 互いの羽づくろいをし合う「相互羽づくろい」はペアであることの証(通常の羽づくろいは自分でするもので、他の鳥にはさせない)。
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