野鳥写真図鑑

オオタカ

タカ目タカ科 全長約50~57cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/2000秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

林や里山でほぼ1年中見られるが、南西諸島では秋冬だけ。およそカラスサイズで、メスはオスよりやや大きい。主に中型の鳥を捕食するが、大型の鳥、ウサギやテンのような哺乳類を狩ることもある。繁殖期には「ケッケッケッ」や「ピャーウ」と鳴く。

鳴き声
幼鳥

※鳴き声が再生されます。

都市部に進出した猛禽類

希少種ではなくなった?

オオタカの密猟が横行していた時代には、剥製が高値で売られ、タカ狩り用に仕立てるために、巣からヒナが持ち去られることもありました。各地で懸命な保護活動が展開されていたその頃と比べると、密猟は減り、野外でオオタカを目にする機会が増えた地域もあります。東京近辺では、チョウゲンボウやツミとともに、オオタカの繁殖も都市部で確認されて、猛禽類の都心進出として話題にされるようになってきました。
これまでオオタカは、「国内希少野生動植物種」に指定され、里山の乱開発を防ぐ役割を担ってきました。2017年に個体数が増加してきたとして、その指定が解除されましたが、オオタカは豊かな里山の象徴です。これからは、地域でオオタカを見守っていきたいものです。

オオタカ(成鳥) 上面(頭、背から尾羽までの上側)は灰色をしているが、光の具合によって微妙に蒼く見えることから、「あおたか」がオオタカの名になったとされる。

メスのほうがオスより大きいわけは?

タカの仲間は、飛ぶとカラスより翼が長く見えるのが普通です。オオタカやツミはカラスほどの長さしかありませんが、これは、長めの尾羽とともに、森の中で鳥を狩るのに適しています。茂みをぬって鳥を追うには、長い翼は不向きです。また、短い尾羽では、方向転換やブレーキの役割としては不十分でしょう。
タカ科、ハヤブサ科、フクロウ科は、メスがオスより大きい傾向にありますが、その理由はよくわかっていません。これら猛禽類は元々攻撃性があるので、求愛の際にオスが攻撃的になるとメスを殺しかねないため、メスが大きいほうがよいという人もいますし、雌雄で狩る獲物の違いが子育てに都合がよいという人もいます。ヒナが小さいうちは保温が必要なのでメスは巣を離れられず、狩りはオス頼みになります。オスは小型で機敏なので、ヒナが小さいうちは食べやすい小さめの獲物を頻繁に獲ってきます。ヒナが大きくなってメスも狩りに出られるようになると、数は少ないものの比較的大きな獲物を獲ってくるので、ヒナの成長に適した給餌となるようです。

オオタカ(幼鳥) 幼鳥は褐色味があり、下面の胸から腹にかけて縦斑が目立つ(成鳥は白地に細かい横斑)。
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