事業所の活動
富士裾野リサーチパーク・裾野の森
多くの野鳥が生息し、野鳥の楽園とも呼ばれる富士山の山麗。富士裾野リサーチパークは、そこからほど近い、静岡県裾野市に位置しています。山あいにある事業所は森に囲まれ、多くの野鳥が飛来します。
裾野の自然
富士山や箱根周辺は「富士箱根伊豆国立公園」の一部を成しており、手つかずの自然が多く残されています。富士裾野リサーチパークは、富士山と箱根のちょうど間に位置し、周囲を広大な緑に囲まれています。春は桜、秋は紅葉と、四季のうつろいを感じることができ、野鳥が飛来しやすい環境が整っています。このような周囲環境への影響を考慮しながら、事業所での活動を進めています。
裾野の広大な森に棲む野鳥たち
日本野鳥の会・東富士支部によると、富士裾野リサーチパーク周辺には56種ほどの野鳥が飛来しているとのことです。富士山のふもとなどに住んでいる静岡県の県鳥「三光鳥(さんこうちょう)」をはじめ、オオルリ、キセキレイなど、多くの野鳥に出会える日を楽しみにしながら保全活動を進めています。
また、富士裾野リサーチパークの立地はサシバの渡りのルートになっていると言われています。
主な活動
スポットセンサス
2016年より、敷地内で野鳥調査(スポットセンサス)を始めました。グラウンドや建物裏の森など、敷地内の代表的な環境を含む定点を5か所設置し、それぞれ10分間に出現した野鳥の種数と個体数を記録します。日本野鳥の会 東富士支部の指導のもと、これまでに30種類の在来種を観測しました。季節のうつろいとともに「裾野の森」を訪れる鳥が変化していくのがわかります。
主な活動
巣箱の設置
2017年、構内2か所に巣箱を設置しました。野鳥との共生に向け、引き続き鳥たちが子育てしやすい環境を整備していきます。
事業所で見られる鳥
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モズ
林の周辺、農耕地、河川敷などのやや開けた環境で繁殖。長めの尾を回すように振る。春夏は低山・山地、秋冬は低山・低地に多い。
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ホオジロ
林の周辺、農耕地、河川敷などのやや開けた環境にすむ。裾野事業所では、塀の上で一羽、遠くを見ながら鳴いていた。
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ツグミ
秋に林に飛来するが、冬には芝生、農耕地、河川敷などの開けた地上でも見られる。茶色味が濃いものと薄いものがいる。
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セグロセキレイ
日本固有種で、水辺環境に近いところで見られる。よく似たハクセキレイと違い、頬が黒く、声に濁りがある。
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シメ
林、草地、農耕地、河原で見られる。種子を主食としており、肌色で太めのくちばしが特徴的。
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ジョウビタキ
庭や公園にも飛来する冬鳥。「ヒッ、ヒッ」と澄んだ声で鳴き、時折「カッカッ」とも鳴く。
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イソヒヨドリ
主に海岸の磯や堤防にすむが、最近は内陸部でも見られる。ムクドリサイズ。
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キジ
日本の国鳥。林の緑の草地、河原や農地に住み、繁殖期の雄はケッ、ケーンと鋭い声で鳴く。
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キジバト
身近な野鳥のひとつ。背にある茶色いうろこ模様が目立ち、2羽(ペア)で見ることが多い。
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ツバメ
3月頃に東南アジアから飛来し、9月頃まで暮らす渡り鳥。構内で営巣している。古くから里山の自然の中で生きてきた、人と自然との共存を象徴する鳥。