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宇宙に挑む宇宙に挑む

人工衛星開発の夢実現

いつの時代もフロンティアであり続けるキヤノングループが持つ技術を総動員して、キヤノン電子が超小型人工衛星ビジネスに参入。
独自開発の人工衛星から撮影した高精細画像はすでに地上に届いています。

2018/12/27活動紹介

#イメージング技術#社会貢献#宇宙#機械工学#電気工学#情報工学#物理学

次なるフロンティアへ

2017年6月23日。インド南部の発射場からキヤノン電子が開発した超小型人工衛星「CE-SAT-I」を載せたロケットが打ち上げられました。打ち上げから17分1秒後に超小型人工衛星は宇宙空間に放出され、軌道投入も予定通りに成功。500mm×500mm×850mmという小さな人工衛星は、キヤノン電子にとって大きな一歩を記しました。

始まりは鶴の一声でした。「これからは宇宙を制するのがトップ企業。その先駆者になり、若者たちに夢を与えよう」。酒巻 久キヤノン電子社長が2009年に突然、宣言したのです。さらに「2030年には宇宙ビジネスで売上高1000億円を達成する」という目標も掲げられました。

現在、開発を指揮するキヤノン電子未来技術研究所の佐藤 積利所長は「最初はかなり驚いた」と当時を振り返ります。しかし、キヤノン電子には衛星の姿勢制御に欠かせないモーター技術、マクロからズームまでに対応するレンズ技術、無駄を極限まで省く小型化技術など、超小型人工衛星開発の「確かな素地」がありました。これらに加えてキヤノングループが持つ電子技術や機械技術、光学技術、材料技術などを総動員することで、超小型人工衛星の開発を可能にしたのです。

そして、開発されたのが「CE-SAT-I」です。小さな本体には、一眼レフカメラ(反射屈折光学系含む)やコンパクトカメラ(広域撮影用)などが収まっています。デジタル一眼レフカメラを使えば、地上500kmの軌道上から5km×3kmのフレームサイズで0.9mと細かな地上分解能画像を撮影することができ、一台一台の自動車の認識も可能。さらにコンパクトカメラで、740km×560kmという広域の画像を得ることができます。

動作環境が異なる宇宙空間

「ものづくり」には自信があったキヤノン電子。しかし、超小型人工衛星の開発は一筋縄にはいきませんでした。地上と宇宙とでは、動作環境が大きく違うからです。衛星システム研究所の酒匂 信匡所長は、「苦労した技術的なポイントは3つあった」といいます。1つは重力がないこと、2つ目は真空であること、3つ目は放射線が容赦なく降り注ぐことです。

特に苦心したのが真空と放射線。真空状態は大気が存在しないので、ファンを回しても対流が発生しません。このためCPUなどで発生した熱を逃がすことができず、CPUが過熱すればシステムがシャットダウンしてしまいます。そこで、金属を巧みに利用して、発生した熱を伝導させて放射冷却する方法を編み出すことで問題を解決しました。

放射線はシステムの停止や誤動作を招く危険性があります。CPUに放射線が飛び込めば、演算中のデータが書き換えられてエラーが発生してしまうからです。開発陣は、数多くの半導体チップをテストし、安価な民生品の中から、放射線耐性を備えたものを探し出し、この問題を解決しました。

人工衛星をセミカスタム化へ

キヤノン電子の超小型人工衛星は毎日、地球上のさまざまな場所を撮影した画像データを地上に送信。プロジェクトは順調に歩みを進めています。しかし、「2030年に売上高1000億円」という目標達成には、まだまだ高いハードルを乗り越える必要があります。それは超小型人工衛星に最適なビジネスモデルの構築です。

現時点では、超小型人工衛星の販売、超小型人工衛星用部品の販売、撮影した画像データの販売という3つのビジネスを展開していく考えです。キヤノン電子では、まずビジネスを牽引するのは超小型人工衛星の販売だととらえています。超小型人工衛星をセミカスタム化することで、低価格化と納期短縮を実現して市場拡大を図ります。

しかし、衛星システム研究所 第二開発部の丹羽 佳人室長は「超小型人工衛星の販売だけでは目標達成は難しい。ビジネス拡大の鍵は画像データの販売にある」といいます。宇宙から撮影した高解像度画像には、さまざまな価値のある情報が含まれています。しかし、現時点ではまだ、情報とそれを必要とする顧客のマッチングが取れていません。どのような情報が取得可能か。その情報を必要としているのは誰か。今後、画像の解析技術を磨くとともに、最適な顧客とのマッチングを図っていきます。

イメージイメージ

さらに小型化させた人工衛星「CE-SAT-Ⅲ」を開発。
サイズは100mm×100mm×300mm

イメージ

キヤノン電子株式会社 衛星システム研究所所長
酒匂 信匡[左]

キヤノン電子株式会社 専務執行役員 未来技術研究所所長
佐藤 積利[中央]

キヤノン電子株式会社 衛星システム研究所 第二開発部 丹羽研究室長
丹羽 佳人[右]

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