テクノロジー

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「速さ」と「賢さ」を備えたキヤノンのミラーレスカメラの最高峰モデル

EOS R1

最高の性能、最高の信頼性をコンセプトに開発された「EOS R1」。キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Rシリーズ」初となるフラッグシップ機です。厳しい環境下でもプロフォトグラファーの仕事を止めないために、その時代の最先端技術や最高クラスの性能を注ぎ込み、新しい撮影体験を提供します。

2024年11月6日

二度とない瞬間を捉える。プロの仕事を支えるフラッグシップ機

報道やスポーツ、ネイチャーなど、二度とない一瞬を切り取るプロフォトグラファーには、過酷な撮影現場でも確実に撮影ができること、最高の瞬間を撮ることが求められています。

キヤノンでは、50年以上にわたり、プロフォトグラファー向けにカメラを開発。「最高の性能、最高の信頼性」を提供することを使命に先進技術を搭載しプロの高いニーズに応えています。

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被写体を賢く見つけて、粘り強く追い続ける。次世代オートフォーカス

「EOS R1」では、AF(オートフォーカス)技術が進化しています。中でも、新開発の「クロスAF」により、狙った被写体にピントを合わせる捕捉精度が向上。これまで苦手としていたシーンでも、精度よく安定したAF撮影ができるようになりました。

キヤノンのAFテクノロジー「Dual Pixel Intelligent AF」で用られているAF方式は、センサーのフォトダイオード(受光素子)の画素を2つに分割し、それぞれの信号を使いピントを合わせる「位相差AF」というしくみ。
「EOS R1」では、キヤノン独自の画素構造と画素の配列パターンを開発することで、従来の縦線測距と同等の性能で横線測距も可能な「クロスAF」を実現。さらに「クロスAF」の性能を最大限に引き出すために、縦線と横線の両方の測距データから瞬時に最適なデータを選択するアルゴリズムを開発。より高精度なAFを実現します。

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横線検出用にフォトダイオードを上下に分割した画素を配置
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フォトダイオードの画素構造、画素の配列パターンを見直し実現した「クロスAF」

従来は、縦線測距のみだったため、羽を広げた野鳥のように、縦線の要素が少ない被写体や、バレーボールで手前にネットがある選手のように、被写体の顔に縦線が重なるシーンなど、ピントを合わせたい被写体に縦線の少ないシーンでは、被写体をうまく捕捉できなかったり、被写体より手前にある縦線の模様にピントが移ってしまうなどの課題がありました。被写体の形や絵柄、障害物に左右されずに撮りたい被写体にピントを合わせます。

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これまで苦手だった縦線の要素が少ない被写体や、被写体の手前に縦線の障害物がある場面でも安定したAFを実現

狙った被写体にピントを合わせ続けるトラッキング(追尾)AFも強化しています。サッカーやバスケットボールのように、攻守が頻繁に入れ替わる集団スポーツでは、選手が交錯する中から、一人の選手にピントを合わせ続けたい場合、撮影者が意図せずに、近くにいる選手にピントが乗り移り、狙った選手からピントがはずれてしまうといった課題がありました。

トラッキングAFは、最初に被写体を「見つける(検出)」処理と、見つけた被写体に「ピントを合わせ追い続ける(追尾)」処理で構成されます。従来機種では、被写体を「見つける」部分は、ディープラーニング(以下、DL)を用いた処理を、見つけた被写体を「追い続ける」処理は、被写体の形や色、明るさなど、見た目の特徴を用いた処理を行っていました。

「EOS R1」では、「追い続ける」部分にもDL処理を拡大。事前に被写体の一連の動き(=特徴データ)を学習させておき、撮影時に、直前の時刻と現在の特徴データを比較することで、追い続けるべき被写体の色や明るさ、形が刻々と変化しても追うことができ、高精度にピントを合わせ続けることが可能になりました。また、サッカーやバスケットボールの試合では、選手が交錯して、トラッキングしている選手が一時的に別の選手の背後に隠れてしまう場合がありますが、「EOS R1」では、選手の「顔」を認識する際に顔の特徴を記憶しておくことで、再び選手が現れた際に、複数の中から記憶した特定の選手を見つけ直し、追い続けることができます。

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被写体の色や明るさ、形が刻々と変化してもピントを合わせ続けることが可能に

カメラが自動で判断し、ピントを移動させる新機能。カメラが判断する時代に

手に汗握るゴール際の攻防。一瞬にして主役が入れ替わるスポーツの撮影で効果を発揮するのが、「アクション優先機能」です。狙った選手にピントを合わせ続けるトラッキングAFに対して、アクション優先機能は、ボールの近くで重要なアクションを行う選手にカメラが自動でピントを切り替えていく新しいコンセプトの機能で、サッカーのシュートやヘディング、スライディングなど、決定的な瞬間を捉えやすくします。ボールの位置や関節の状態などから重要なアクションを認識し、複数の人物の中から主役となる被写体をカメラが瞬時に認識する新しいアルゴリズムにより、難易度の高い撮影をサポートします。

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サッカーのシュートを行う選手を検出し、自動でピントを切り替えるイメージ

高速、高画質、高精度AFを実現する新開発のエンジンシステム

肉眼で捉えることのできない瞬間を切り取る最高約40コマ/秒の高速連写と、狙った被写体にピントを合わせ続けるAFの高精度化を実現した「EOS R1」。高性能化の背景には、新開発のエンジンシステムが貢献しています。

デジタルカメラの性能を左右する要素として、光を取り込みデジタル情報に変換するイメージセンサーと、デジタル情報を処理して画像データをつくりだす映像エンジンがあり、これらのセンサー・映像エンジンシステムをリアルタイムかつ高精度に連携させることで、高速、高画質、高精度なAFを実現します。
新開発のイメージセンサーでは、デジタル情報の読み出し速度が高速化されており、イメージセンサーから情報を受け取って処理する映像エンジンでは、大量のデータをこれまでになく高速に処理する必要があります。従来から搭載している映像エンジンに加え、解析処理を瞬時に行う新開発の映像エンジンを搭載することで、大幅な高性能化を可能にしています。 

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イメージセンサーと2つの映像エンジンが連携

撮影後にカメラ内で画像をブラッシュアップ

「撮った写真を大きく引き伸ばして印刷したい」「画像の一部を拡大して表示したい」。
こうした期待に応えるために、カメラ内で高解像度な画像を生成できる「アップスケーリング」機能を搭載しました。

従来のアップスケーリングは、画像を拡大することで足りなくなる画素を、周囲の画素の色や明るさ情報を使ってつくりだす方法が一般的。しかしこの方法では、輪郭などの境界部分が強調されすぎたり、ボケてしまうなどの課題がありました。DL技術を活用し、境界部分の画素情報を忠実に推定することで、色や明るさを変えずに、縦横の画素数をそれぞれ2倍に拡大。自然な解像感を保ちながら、リアリティのあるアップスケーリング画像を実現しました。

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カメラ内でのノイズ低減機能も強化しています。これまでは、ノイズを除去する際に、被写体のディテールまでが失われてしまうことが多く、プロフォトグラファーからも改善の要望が高い領域でした。DL技術を活用することで、「ノイズ」と「被写体」の成分を判別し、ノイズ成分だけを取り除く機能を確立。元の被写体の質感やディテールを損なうことなく、ノイズの少ない画像をカメラ内で生成できるようになりました。

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最高の性能と最高の信頼性をコンセプトに開発したミラーレスカメラ「EOS R1」。製品名に「1」を冠する最高峰モデルには、フラッグシップ機にふさわしい先進性能を搭載し、撮影領域の拡大に貢献したいという思いが受け継がれています。キヤノンはこれからも技術を向上させ、映像表現の可能性を広げていきます。

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EOS R1(RF24-70mm F2.8 L IS USM装着時)

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