アカハラ
スズメ目ヒタキ科 全長約24cm
美声を聞くなら3~4月
カモンカモン、チュー
アカハラやシロハラのように、ヒタキ科でスズメより大きな鳥たちは大型ツグミ類と呼ばれます。このなかまは、地上で虫やミミズを食べ、秋冬は木の実も食べ、さえずりが美しいという共通点があります。ヨーロッパではクロウタドリ(中国南部にもいるが、日本ではまれ)、北米ではコマツグミ(日本では未確認)が大型ツグミ類に相当し、クロウタドリはイギリスでは小説や歌にもよく登場し、さえずりが春を感じさせる鳥とも言われています。
アカハラは、本州中部では標高がほぼ千メートル以上で繁殖するので、低地でさえずりを聞くには、繁殖地に移動する直前の3~4月がチャンスです(北海道では4~5月に渡ってきて、低地でも繁殖する)。さえずりは3音節で「カモンカモン、チュー」という聞きなしもあります。
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2004年から激減か?
日本三大探鳥地の一つにも数えられる軽井沢(ほかに奥日光、富士山麓)では、アカハラのさえずりが次第に聞かれなくなっています。1987年から22年間、初夏の軽井沢で野鳥のさえずりを録音し続けた人が解析した結果、1989年まではうるさいくらいだった野鳥たちのさえずりが、2000年頃から次第に減り、2004年からは激減。なかでもアカハラのさえずり減少が目立つそうです。
アカハラは、秋冬の非繁殖期には中国南部まで移動するものもいますが、繁殖地は本州中部からサハリン、南千島までと限られています。皆さんの地域を含め、日本で減ってきたとしたら、大きな問題と言えましょう。
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