野鳥写真図鑑

アオバズク

フクロウ目フクロウ科 全長27~30.5cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/200秒|ISO:200|露出補正:0|焦点距離:500mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:愛知県

青葉が茂りだす春に飛来する夏鳥。闇が迫ってくると、「ホッホー」と2声ずつ繰り返し鳴き、主に大型昆虫を捕らえる。低地から山地の林におり、大木に巣として使える洞があれば、お寺や神社の敷地内でも繁殖する。

さえずり

※鳴き声が再生されます。

身近にもいるフクロウ

「ホッホー」の正体

夜に「ホッホー」と鳴くのをフクロウと思っている方が少なくありません。でも実は、こう鳴くのはアオバズクです。フクロウはアオバズクよりずっと低い声で、「ゴロスケ、ホッホー」と鳴きます。フクロウはカラスほどのサイズがあり、巣にできるような大きな樹洞を必要とします。また、主食はノネズミなので、アオバズクほど身近な鳥とは言えません。
黄色い目のフクロウですが、地上にいると白色部が腹の一部だけしか見えないので案外気づきにくく、東海地方以外では局地的で、季節も限られることが多いようです。

住宅地や公園のアオバズクは、夜、街灯に集まる虫を狙います。近くには、アオバズクがちぎったガやセミの翅、カブトムシやクワガタムシの頭などが落ちていることがあります。フクロウの仲間は羽音をたてずに飛ぶので、声以外でアオバズクの存在に気づくことは難しいかもしれませんが、もし姿を見ることができたら、特徴的な黄色い目に注目してください。

アオバズク 左端と左から3羽目が、親鳥(胸の斑が明確で尾が長い)。その他の3羽は巣立った幼鳥。

撮影マナーは、鳥を脅かさないこと

カメラの性能が向上して、野鳥を撮影する人も増えました。ただ、野鳥についてよく知らないまま撮影すると、相手を脅かすことにもなりかねません。特に、繁殖期の親鳥は神経質で、人が巣に近づくと巣を放棄することさえあるので、注意しましょう。

野鳥撮影のマナー7か条」の1に「野鳥の巣には近づかない」とあります。監修した日本野鳥の会では、巣やヒナの写真は掲載しないことを原則にしています。
夜行性のフクロウの仲間は、繁殖中が撮影しやすいこともあって、巣の周りに人が集まって問題になるような事態が毎年繰り返されています。

ここでは野鳥をよく知るプロが、ストロボ(夜行性の鳥に悪影響があるとされる)を使わずに撮影した巣立ち後の親子の写真(右)を載せましたが、撮影者は、2羽の親鳥が体を細めて警戒しているように見えたので、直ちにその場を離れたそうです。

フクロウ 11種に及ぶ日本のフクロウ科の中で、フクロウは里山や深い森にいる。ハトサイズのアオバズクより大きく、目は茶色がかった黒。
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