アオジ
スズメ目ホオジロ科 全長約16cm
秋冬は本州以南で庭や公園にもいるが、低い茂みの中にいるので姿は見にくい。春夏に、本州中部では標高1000mほどの林で繁殖する。北に行くほど標高が低くなり、北海道では低地でも繁殖。秋冬の主食は草の種子で、繁殖期には虫も食べる。「チッ、チッ」と鳴き、さえずりは美声。
※鳴き声が再生されます。
ホオジロ科の共通点とは?
日陰者でも、美声
庭や公園にもいるのに、ウグイス同様、姿を見つけにくいので気づかれずにいることが多くあります。低い茂みから「ジャッ、ジャッ」とスズメの「チュン、チュン」より濁った声がしたらウグイス、「チッ、チッ」と細い声がしたら、多くはアオジでしょう。カシラダカも似た声で鳴きますが、逃げるときには茂みから出てきて、姿を見せるので判別できます。アオジやウグイスは茂みの中を潜行して逃げることが多く、見つけにくいです。
ホオジロ科にはアオジの他に、カシラダカやホオジロ、クロジが属しています。「チッ、チッ」という地鳴きは似たものが多いものの、さえずりは種ごとに独特です。ホオジロのさえずりは「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」や「札幌ラーメン、味噌ラーメン」などと聞きなしされます。ホオジロが早口なのに対し、アオジは少し間を置きながらゆったりと歌います。本州以南の低地では歌いだす頃(3〜4月)に繁殖地を去るので、短期間しか聞けませんが、繁殖地ではその美声を7月まで楽しむことができます。
アオジのあおは緑色
アオサギの「あお」は青系の色のことですが、アオジの「あお」は、信号の「あお」と同じで緑色を意味します。オスの頭の色が緑色であることがアオジの名前の由来とされています。ところが英名のBlack-faced Buntingは顔のひげ模様に由来していて「黒い顔のホオジロ」という意味です。
近縁のクロジは、オスが全身黒っぽいのでその名がつきました。メスは褐色系で、アオジのメスとよく似ています。ホオジロ科の共通点は、スズメに近い太めのくちばしで植物の種子を主食にしていること、尾羽の外側が白く、飛ぶと目立つことです(飛ぶと目立つ翼や尾の模様は、危険信号のような意味があると考えられています)。なぜかクロジには尾羽に白色部がなく、そのおかげでアオジと識別できます。