ハシブトガラス
スズメ目カラス科 全長約56cm
カラス科は世界で130種いて、黒い大型種はどれも似ている。日本で年中見られるハシブトとハシボソ(ワタリガラスやミヤマガラスは冬鳥)を、大きな鳥の「ものさし鳥」にする。ハシブトはハシボソと比べるとやや大きく、くちばしが太めで、額が出っ張って見える。
地鳴き
幼鳥
※鳴き声が再生されます。
サルより賢い?
町に多いのは珍しいカラス?
カラス科はしわがれ声であることが多いので、「カー」とか「アー」と声が濁らないハシブトガラスは珍しいカラスとも言えます。
東京の都市部ではハシブトが増え、ハシボソガラスは珍しくなってしまいました。ハシブトは元来森林性なので、コンクリートジャングルも森に見立てて適応しているようです。
ボーカルコミュニケーションを発達させていて、鳴き真似も得意です。「ガー」とカラス科らしく濁った声のハシボソは、広い農地や草地がないと暮らしにくいようですが、都市部では冬にだけ見かけることもあります。
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子連れでなければ、怖くはない
カラス科は、食物を蓄えるとか、遊びが見られるなど賢いと思われる点が多々あります。ニューカレドニアのカラスは道具をつくり、加工まで施すことからチンパンジーを上まわるともいわれます。
カラスが怖いという人は、春夏の繁殖期に巣や子に近づかないようにしましょう。警戒した親鳥が向かってくることがあります。
巣立った後の子は親鳥とほぼ同じ大きさですが、ハシブトガラスでは「ウンアー」と甘い声を出し、子は口の中が赤いことで見分けられます(カラス科共通)。
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