カケス
スズメ目カラス科 全長約33cm
屋久島から北海道まで、低山から山地の林で通年見られるが、秋に低地や暖地へ移動するものもいる。警戒心が強く、近くでじっくり見ることは難しいが、飛翔時に目立つ腰の白色部は遠目にも目立つ。「ジェーッ」というしわがれ声だが、他の鳥の声の鳴き真似もする。
鳴き声
鳴き真似
※鳴き声が再生されます。
蓄えが森づくりに貢献
カケスを利用するドングリの作戦
カラス科の共通点はハシブトガラスやオナガでも紹介しましたが、食物を蓄える「貯食」と呼ばれる習性のほか、のどの袋に食物を貯めることができます。秋、のどを膨らませてドングリを運ぶカケスを目にしたら、それは冬に備えてドングリを落ち葉の下などに隠す、貯食行動です。色づく実は小鳥に食べられることでタネが運ばれることをツグミで紹介しましたが、茶色いドングリの作戦は、殻を硬くして、すぐに食べられないことです。カケスや小型哺乳類に貯食させることで、種子散布になります。カラス科では、何千箇所もの貯食場所を記憶している鳥もいることが調べられていますが、それでも、隠された実が食べられずに発芽に至ることもあるでしょう。
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北海道のカケスはかわいい?
生物では、同じ「種」であれば姿や暮らし方も同じはずですが、地域によって色や大きさに違いがある場合、さらに「亜種」として区分することがあります。許可を得て採集した上で細部を計測しないと識別できないような亜種もいますが、エナガの亜種シマエナガやカケスの亜種ミヤマカケスは、色や模様で簡単に見分けられる亜種です。
北海道の亜種ミヤマカケスは「目つきがかわいい」と言う人もいますが、カケスは雑食性のカラス科の例にもれず、春夏は他の鳥の卵やひなを食べることもあります。
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