野鳥写真図鑑

カッコウ

カッコウ目カッコウ科 全長約35cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/1000秒|ISO:200|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:北海道

5月中旬頃、原野や明るい林に飛来する夏鳥。オスの声はその名のごとく「カッコウ」だが、メスは「ピピピピ」と鳴く。草地や林縁の小鳥に卵を預けるが、仮親になる鳥たちとともに、近年、減少が心配されるようになった。

さえずり
地鳴き

※鳴き声が再生されます。

他人任せも楽じゃない?

子育てするカッコウもいる

日本で繁殖するカッコウ科の4種(カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチ)には、他種の巣に卵を産み込む<托卵(たくらん)>という習性があり、托卵相手に子育てまでしてもらいます。世界には、カッコウ科でも北米のミチバシリ(ロードランナー)のように自分で子育てする種もいる一方で、カッコウ科でなくても托卵する鳥がいます。 また、ムクドリやカモ類では同種の巣(ムクドリなら、同じムクドリの巣)に卵を産み込むことが知られていて、種内托卵と呼ばれています。

生存率が低い野生の命にとって、子孫を残すことは最重要の使命のはず。どうしてそれを他人任せにしてしまう鳥がいるのか? 不思議ですが、同種の巣に卵を預けることから始まって、違う種にまで卵を預ける習性が進化したのかも知れません。

カッコウ 毛虫は捕食者対策として毛を生やすような進化をしたと考えられるが、カッコウやホトトギスはそれを好物にしている。

托卵の成功率は高くない

カッコウはかつてホオジロへ托卵することが多かったようですが、近年、オナガやオオヨシキリなど複数の托卵相手が知られています。ホオジロの親鳥がだまされないようになって、相手を変えるようになったのかもしれません。一方、ホトトギスはウグイスに托卵しますが、ホトトギスが増えて、ウグイスが減ったというような話は一切ありませんので、托卵の成功率が高くないことは間違いないでしょう。

日本野鳥の会の支部(札幌支部や郡山支部)などがカッコウの調査を長年続けていますが、減少の要因ははっきりわかっていません。冬を越す東南アジアの環境の変化、托卵相手の鳥の減少、虫の減少なども関係していると思われます。

ツツドリ 写真はツツドリ。ツツドリの外見はカッコウにそっくりだが、オスは「ポポ、ポポ」と筒(つつ)を叩くように鳴くのでわかる。ホトトギスも似ているが、カッコウやツツドリよりも少し小さく、オスは「ホットトギス」と鳴く。
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