野鳥写真図鑑

カルガモ

カモ目カモ科 全長約61cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/250秒|ISO:200|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

カモの仲間は日本で30種を越えるが、ほとんどが「冬鳥」なので春夏にはいなくなる。春夏もいて普通に繁殖するのはカルガモだけ。くちばしの先が黄色いのも特徴。ひなは「ピヨピヨ」と鳴くが、成鳥はアヒルに似たしわがれ声。

成鳥
ひな

※鳴き声が再生されます。

地味なオスでもメスに選ばれる?

カルガモ以外はロシアから?

春夏に子育てするのは他の鳥と同じですが、カモは冬に結婚する点で変わっています。秋にロシアから渡って来る頃のオスはメス同様の地味な姿をしていますが、寒さとともに派手な衣装に衣替えをして、冬の間にメスに求愛してペアが誕生します。
秋冬もオスが地味なままなのはカルガモだけ。日本で繁殖するカモがほかにいないので、オスは派手になる必要がなかったのではないかと考えられています。

カルガモ カモは日中、顔を背の羽毛に入れて寝ていることが多く、くちばしの先まで見えないこともある。くちばし以外でカルガモを見分けるには、腰の部分に見える白い三日月模様がポイント。

子だくさんのワケは?

カモやキジの仲間のように毎年、10個前後も卵を産む鳥は少なくありません。増えすぎて、食物や住みかが不足することはないのでしょうか?
野鳥の原則は子だくさんで、子は成長が早く、春に生まれ、その年の冬を越せば繁殖できる体になります。しかし、その一方で天敵に囲まれ、悪天候、病気やケガも当たり前な日々サバイバルの自然界では、一冬を越せる数はわずかです。
子だくさん、早い成長、短期間で毎年繰り返される繁殖などで生存率の低さをカバーして、命を繋いでいるわけです(何百、何千と卵を産むものが多い、虫や魚ではより生存率が低いはず)。

マガモ 手前の2羽はマガモ(左がメス、右がオス)で、オスはメスに選んでもらうために派手になる。夏にはメス同様の地味な姿に戻り、秋以後に再び派手に衣替えする。種ごとに異なる派手さは、メスが違う種のオスを選ばないことに役立つ。
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