カワラヒワ
スズメ目アトリ科 全長約14.5~16cm
九州以北の低地から山地の林に生息。全長がスズメより小さいうえに、その半分近くを尾羽が占め、体重は10gに満たない。「チー」という細い声はシジュウカラ科の小鳥たちと似ているが、「ツリュリュ」という小声は独特。
※鳴き声が再生されます。
ウグイスより可哀想
似ているけれど、スズメじゃないよ!
カワラヒワは大きさや体型がスズメに近いので、意識してよく見ない限りはスズメだと思われていることでしょう。
微妙に美しい色彩は近くから順光で見ないとわかりませんし、翼の黄色い模様も飛ばないと目立ちません。さえずらない秋冬のウグイスは庭や公園にいても気づかれないので可哀想に思いますが、カワラヒワは1年中身近にいるのに見過ごされているのです。
鳴き声を知っていればスズメでないとわかるし、電線などにとまっている場合は、尾羽に注目してください。スズメと違い、さんまの尾ひれのように真ん中が凹んでいます。また、春にはスズメには見られないラブラブ行動が見られます。オスがメスに給餌する求愛給餌と呼ばれる行動で、アトリ科、シジュウカラ科、カラス科などに共通しています。
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太めのくちばしは小鳥の例外?
小鳥の多くは虫が主食。タネが主食のスズメやホオジロでも、ひなには虫を与えますが、カワラヒワはひなにもタネを運んできます。タネは消化しにくいので「素嚢(そのう)」が発達しているに違いありません。素嚢はカナリア、ブンチョウ、ジュウシマツなど飼い鳥のひなを養った経験がある方ならご存知でしょうが、食道の一部が膨れて袋のようになる消化器官で、口にしたものを蓄え、唾液でやわらかくする働きもあります。
太めのくちばしでタネを食べる小鳥は、野鳥では主流派ではありませんが、飼い鳥では普通です。虫を与えるのは大変なので、細いくちばしで虫を主食とする小鳥は飼育に不向きなのです。
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