野鳥写真図鑑

コガモ

カモ目カモ科 全長約37.5cm

絞り:F8|シャッタースピード:1/1600秒|ISO:500|露出補正:0|焦点距離:1000mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:愛知県

北半球に広く分布し、日本では冬鳥として河川や湖沼に飛来する。カルガモマガモより小さく、比較的狭い水面や草が茂った水辺を好む。メス(上の写真)や飛来当初のオスは地味な色彩をしているが、オスは冬の求愛に備えて衣替えすると美しくなり、笛のような声で鳴く。

鳴き声(オス)
鳴き声(メス)

※鳴き声が再生されます。

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コガモで知る季節

アメリカのコガモ(亜種アメリカコガモ)はアメリカ北部からアラスカ、ヨーロッパのコガモは北欧、日本のコガモは極東ロシアが繁殖地と推測されます。日本では秋の始めから姿を見せ、春は5月の連休過ぎまで見られるものもいますが、分布域が広いので、日本で旅鳥となっているものもいるようです。9月に飛来するコガモは東南アジアまで渡って越冬している可能性もありますし、5月までいるものは日本より南で冬を越したものが繁殖地に北上する際に立ち寄っているのかもしれません。
オスがまだメスのような姿をしている9月でも、横に平たいくちばしからカモ類とわかれば、カルガモよりずっと小さいので、コガモであると気づくことができるでしょう。秋の深まりとともにオスは美しくなり、年明け頃には求愛が始まります。メスに選ばれたオスはペアとなって、メスをガードするようになります。

コガモ(オス) カモ類のオスは、秋以降は種ごとに特徴的な姿となる(メスはどの種も、通年よく似ている)。まれに飛来する亜種アメリカコガモも、衣替え後のオスは見分けやすくなる(亜種コガモと違い、横向きの白線はなく、胸に縦の白線がある)。

子ガモはどこ?

秋冬に「子ガモはどこ?」と聞かれると、困ります。カルガモのような親子連れは、初夏の繁殖地でしか見られません。春にロシアで生まれたひなも、親鳥と同じような姿になって海を渡って来ているし、親子関係はもうないからです。秋以降、野鳥の年齢が簡単にわからないのは成長が早いことと、オシドリで解説したように、番(つがい)関係が繁殖期だけということも含めて、生存率が低い自然界では当然のことと言えましょう。
コガモほど普通にはいませんが、シマアジやトモエガモも、ハトサイズの小型のカモ類です。メスや衣替え前のオスで種を見分けるには、広げた翼の模様がポイント。上の写真のように水浴後に羽ばたいたときがチャンスで、翼鏡とよばれる光る部分(次列風切)の前後に見える2本の白帯の形状がコガモの特徴です(シマアジは白帯2本が同じ幅、トモエガモの白帯は後ろ1本だけ)。

コガモ 中央のオスは求愛ダンスの最中で、翼や顔の光る緑、腰の黄色い三角模様などを目立たせ、メスにアピールするポーズになっている。
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