コガモ
カモ目カモ科 全長約37.5cm
小鴨の子鴨はわからない?
コガモで知る季節
アメリカのコガモ(亜種アメリカコガモ)はアメリカ北部からアラスカ、ヨーロッパのコガモは北欧、日本のコガモは極東ロシアが繁殖地と推測されます。日本では秋の始めから姿を見せ、春は5月の連休過ぎまで見られるものもいますが、分布域が広いので、日本で旅鳥となっているものもいるようです。9月に飛来するコガモは東南アジアまで渡って越冬している可能性もありますし、5月までいるものは日本より南で冬を越したものが繁殖地に北上する際に立ち寄っているのかもしれません。
オスがまだメスのような姿をしている9月でも、横に平たいくちばしからカモ類とわかれば、カルガモよりずっと小さいので、コガモであると気づくことができるでしょう。秋の深まりとともにオスは美しくなり、年明け頃には求愛が始まります。メスに選ばれたオスはペアとなって、メスをガードするようになります。
子ガモはどこ?
秋冬に「子ガモはどこ?」と聞かれると、困ります。カルガモのような親子連れは、初夏の繁殖地でしか見られません。春にロシアで生まれたひなも、親鳥と同じような姿になって海を渡って来ているし、親子関係はもうないからです。秋以降、野鳥の年齢が簡単にわからないのは成長が早いことと、オシドリで解説したように、番(つがい)関係が繁殖期だけということも含めて、生存率が低い自然界では当然のことと言えましょう。
コガモほど普通にはいませんが、シマアジやトモエガモも、ハトサイズの小型のカモ類です。メスや衣替え前のオスで種を見分けるには、広げた翼の模様がポイント。上の写真のように水浴後に羽ばたいたときがチャンスで、翼鏡とよばれる光る部分(次列風切)の前後に見える2本の白帯の形状がコガモの特徴です(シマアジは白帯2本が同じ幅、トモエガモの白帯は後ろ1本だけ)。