新たな産業別グループの現況
メディカル

「診断なくして医療なし」。
患者さんや医療従事者とともに、
よりよい医療を追求しています。
ますます広がるヘルスケアへのニーズ
健康増進や病気の予防をはじめとしたヘルスケアへのニーズは、世界的なパンデミックの発生、さらなる高齢化の進展などによって、より大きく広がっています。医療従事者の負担も増すなか、キヤノンは、医療機関や大学など国内外のさまざまなパートナーと連携しながら、先端技術によってより質の高い医療を提供するために、グループ一丸となって取り組んでいます。
キヤノンメディカルを核に事業展開
高度化する医療を支えるために、キヤノンは「画像診断」「ヘルスケアIT」「体外診断」の3つの領域に注力しています。その中心的役割を担うのが、グループ会社キヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノンメディカル)です。尊い命を守る医療に貢献したいという想いを込めた「Made for Life」を経営スローガンに、診断や治療を行う臨床現場での課題を技術で解決し、患者さんにとっても、医療従事者にとっても価値のある医療ソリューションを提供し続けています。
病気の早期発見に活躍する「画像診断装置」
高度な医療は画像診断なしに考えることはできません。CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、超音波、X線などの画像診断装置において、キヤノンメディカルは高精細画像を提供することで病気の早期発見の期待に応えます。
ディープラーニング※を使った画像のノイズ除去技術をCTやMRI、PET-CT、X線装置に搭載して、画質向上を図りながら、被ばく低減や撮影時間の短縮を可能にし、患者さんの検査の負担も軽減。また、X線装置は手術中に患部の透視に使用されるなど、治療の分野でも活躍しています。


- ※開発段階でAI技術を用いており、本システムに自己学習機能は搭載していません
医療従事者の負担を減らす「ヘルスケアIT」
現代医療では、的確な診断のために医師が画像と向き合う「読影」の時間が飛躍的に増えて、大きな負担になっています。キヤノンの「ヘルスケアIT」では、臨床で集められた豊富な画像データをもとにAIを使った読影支援※を展開。脳内の出血・虚血のサインの評価支援による迅速な治療方針の決定への貢献や、COVID-19肺炎の可能性を提示する読影支援などで実績を重ねています。また、患者さんの診断画像や投薬履歴、また、日々の体温や血圧などさまざまな情報を時間軸で統合するDXも実現するなど、医療従事者の負担軽減に貢献しています。
- ※開発段階でAI技術を用いており、本システムに自己学習機能は搭載していません


検査スピードに優れた体外診断システムを提供
「体外診断」においては、短時間で新型コロナウイルスを検出する感染症検査システムをいち早く実用化するとともに、高速で大量の検体を検査できる臨床化学自動分析装置などを製品化。検査試薬などを含め、臨床検査分野でのトータルソリューションプロバイダーをめざしています。
さらなる成長をめざし、グローバルマーケティングを強化
2023年、キヤノンはメディカル市場において世界最大規模かつグローバルに影響力の大きい米国にキヤノンヘルスケアUSAを設立し、グローバルマーケティングの強化を図りました。PCCTの早期の実用化に向けた研究などを通じて、米国の先端医療を担う医療機関や研究者とネットワークを構築して、市場のニーズによりマッチした事業戦略を企画立案。トレンドや臨床現場のニーズをとらえた製品開発をグローバルに展開して、さらなる成長を図ります。

メディカルグループの主な製品:
CT装置、超音波診断装置、X線診断装置、MRI装置、検体検査装置、デジタルラジオグラフィ、眼科機器など