産業機器が実現する社会
半導体そのものが進化する
半導体生産も大きく進化する

2023年10月発売のナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」

半導体デバイス生産のゲームチェンジャー「ナノインプリント」

いまの便利な生活に欠かせない半導体デバイス。自動運転、メタバース、生成系AIなど、これからの社会を変える技術も半導体デバイスの進化なしには実現できません。半導体ウエハー※1の上に細かな電気回路をくり返し形づくる半導体デバイスの生産においては、ウエハーに塗られた樹脂材料(=レジスト)に回路パターンを描くプロセスが重要です。いまは光をレンズで制御して焼き付ける「露光装置」が主流ですが、デバイスの高性能化のために回路線幅を細くすればするほど、大規模な光源装置などが必要になり、電力消費も莫大になっています。
この半導体生産の考え方そのものを大きく変えると期待されるのがキヤノンのナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術です。超高精細な型(=マスク)をスタンプのようにレジストに押し当てて回路を形づくるシンプルな方式のため、装置は小型化。消費電力も大幅に削減します。

  • ※1 薄板状にスライスした半導体

ナノインプリントリソグラフィのプロセス

1.インクジェット技術を使って、液滴状にしたレジストを回路パターンにあわせてウエハー上に塗布する
2.回路パターンが彫り込まれたマスクをスタンプのようにウエハー上のレジストに直接押し付ける
3.紫外線でレジストを硬化させて回路パターンをつくり、マスクをレジストからはがす

最先端半導体デバイスだけでなく、ナノレベル3D構造物の作製にも期待

ナノインプリントリソグラフィで一括形成した微細で複雑な構造

いま、最先端のロジック半導体デバイス※2の製造レベルは5ナノノード※3。最小で14nm(ナノメートル)という回路線幅が求められます。1mmの10億分の1というナノの世界では、微粒子の混入や重ね合わせ精度、マスクをレジストからはがす技術がネックでしたが、キヤノンは半導体製造装置で培った位置合わせ制御技術や計測技術、微粒子の発生や混入を抑制する新技術によって解決。ついに2023年、5ナノノードに対応するナノインプリント半導体製造装置を発売し、従来比10分の1の電力での量産を可能にしました。そして次世代2ナノノードの実現も期待されています。
また、ナノインプリントなら半導体デバイスだけでなく微細で複雑な3D形状も低コストで実現。たとえば、可視光の波長以下の3D構造によって光を制御するフラットレンズも夢ではなく、さまざまな産業で起こるナノインプリントによるブレイクスルーも今後の大きな楽しみです。

  • ※2 CPU(中央演算処理装置)など、電子機器の「頭脳」として、データ処理、機器の制御などを行う半導体デバイス
  • ※3 半導体製造プロセスの技術世代の呼び名

産業機器が実現する社会

半導体そのものが進化する。半導体生産も大きく進化する

最先端半導体デバイスの回路を、スタンプのように型を押し当てて形づくるキヤノンのナノインプリントリソグラフィ技術。シンプルな構造で、装置の小型化、消費電力の大幅削減を実現する技術です。

半導体デバイスの増産を支える、IoT時代のリモートサービスが広がっています

半導体デバイス生産で重要な役割を担い、「動いていることがあたりまえ」が望まれる半導体露光装置。キヤノンの新たなリモートサービスが生産性の向上に貢献しています。

有機ELディスプレイをもっと身近に、フレキシブルに

ディスプレイをさらに薄く、美しく、省エネルギーに。人々の利便性を高め、さらなる可能性を持つ有機ELディスプレイの製造で、キヤノンは世界をリードします。

ものづくりの進化なしにIT社会の進化はありえません

スマホやテレビに採用されている有機ELディスプレイの製造装置のシェアで圧倒的な地位を誇るキヤノントッキ。その他のグループ企業とも連携し次世代のものづくりを支えます。

ナノインプリントが開く、近未来デジタル社会のとびら

キオクシア四日市工場で、キヤノンの「ナノインプリント」技術を応用し、製造コストを大幅に低減できる半導体製造装置の検証が行われています。

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