メディカルが実現する社会
立ったままでのCT検査
健康長寿がさらに進む時代へ

慶應義塾大学病院で使われている立位CT、0.275秒の撮影で16cm幅、320列を撮影

原因がわからなかった痛みの診断が期待される立位CT

嚥下撮影専用のいすや車いすに座っての「座位」撮影も可能

脳や心臓をはじめとした全身のさまざまな部位の精密検査で、体内のわずかな変化をとらえ、病気の早期発見に貢献するX線CT(コンピューター断層撮影)装置。ドーナツ形になっている「ガントリ」のなかのX線管と検出器が対になって患者さんの周囲をジェットコースターの8倍にもなるすさまじい重力で回転し、体の断面画像を高精細に撮影します。
そんなCT装置が、いま、さらなる進化を遂げようとしています。それは、患者さんが横たわった状態(臥位)で撮影するという常識をくつがえし、立ったままで撮れる「立位CT」。先端医療をリードする慶應義塾大学病院とCTの歴史を塗り替え続けてきたグループ会社キヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノンメディカル)が共同で開発しました。嚥下(えんげ)・排尿・歩行など立ったり座ったりして行う活動の異常や、立っている時だけ現れる腰や膝の痛みの原因など、これまで難しかった診断での活用が期待されています。

  • ※ 嚥下:食べ物などを飲み込み、口から胃へと運ぶ一連の動作

薬の到達具合もわかるようになる可能性

慶應義塾大学病院の臨床研究では立位と臥位のCT画像を比較

立位での検査は姿勢が安定せず、長時間撮影では画像がぶれてしまいます。世界で初めて0.35秒で16cm幅320列を撮影する高速・高精細CTを実現したキヤノンメディカルの技術力に、立位CTの可能性を感じた慶應義塾大学が注目して共同開発が始まりました。すさまじい遠心力がかかっているガントリを上下に移動させながら撮影するという難題もこれまで培った技術の粋を尽くし、解決。立位CTなら靴を脱いで横になる必要がないため、検査時間が短縮できるだけでなく、完全非接触なので感染症リスクの回避にもつながります。
高齢化が進み、健康寿命が重視されるなか、慶應義塾大学病院では、健康に影響する機能の衰えや病気の早期発見、また、臥位との画像比較により、骨盤底筋の緩みや心不全の重症度の判定にも有効とみて臨床研究を進めています。
立位CTの歴史はまだまだ始まったばかりです。健康長寿をめざす社会の期待に応えられるよう、キヤノンは立位CTの可能性を追求し続けます。

  • ※ 2018年1月時点(キヤノン調べ)

メディカルが実現する社会

立ったままでのCT検査。健康長寿がさらに進む時代へ

キヤノンメディカルシステムズが慶應義塾大学病院と共同で開発した立位CT。立っている時だけ現れ、原因がわからなかった痛みの診断や検査時間の短縮などに大きな期待が寄せられています。

より細かく見え、患者さんへの負担も少なく次世代CTが医療の未来を切り拓きます

少ないX線でも微細な部分まで鮮明な映像が得られ、次世代CTとして注目されるフォトンカウンティングCT。キヤノンは世界の医療機関とともに検証を進めています。

カテーテル検査を減らし患者さんの負担を少なく

日本最多の病床数を誇る藤田医科大学病院などとの共同開発で、超解像画像再構成技術を実用化。心臓CT検査の新たな可能性を切り拓いています。

診察・治療をできるだけ早く、安全に

低線量で高画質の画像診断ができるハイスペックのCT装置を搭載した、移動式コンテナCTが世界中で活躍しています。

さいたま市立病院はより高度に、より親切に

新病院へ衣替えしたさいたま市立病院で、キヤノンの2台のMRIが、開放的な検査空間と圧倒的な静音化、高精細な画像により、患者さんの負担を大きく減らしています。

「小さな異変も見逃さない」医療現場の情熱に超音波が応えます

国立がん研究センター中央病院では、被ばくがない超音波診断装置が、がんの早期発見と治療精度の向上に貢献しています。

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