野鳥写真図鑑

マガモ

カモ目カモ科 全長約59cm

絞り:F8.0|シャッタースピード:1/1600秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:三重県

北半球に広く分布し、日本では、冬鳥として湖沼に飛来する。(北日本などで繁殖するものもいる。)メスは地味な褐色系で、大きさが近いカルガモと似ている。秋冬のオスは緑や紫に輝く頭部が美しいが、夏の羽色はメスに似る。声は、アヒル同様のしわがれ声で「グェッグェッ」と鳴く。

鳴き声

※鳴き声が再生されます。

アヒルと同種、カルガモとは親戚関係?

アヒルとマガモは同じ種?

どんな家畜や家禽も、元を辿ると野生動物。マガモを人間が飼い慣らして家禽としたのがアヒルです。よく見られる白いアヒルでも、遺伝子の上ではマガモとほとんど変わらず、マガモと交配が可能です。生物学で、交配して子孫を残せるのが同じ種、子孫を残せないと別の種とされる観点からは、肌の色や目の色に違いがあってもヒトはただ1種ですし、マガモとアヒルは同じ種とも言えるのです。
マガモと同じ色や模様をしたアヒルもいて、これが逃げ出して野生化していると、野生のマガモと見分けるのが大変です。「野生のマガモより大きい」「太って見える」とか、「人を恐れない」など、アヒル的な要素を見極めなくてはなりません。

マガモ 美しい羽衣になる前のマガモのオス。カモ類のオスは、夏はメスに似た地味な羽色をしているが、秋から派手な姿に衣替えをして、冬までにメスに求愛する。(カルガモは例外で、オスが衣替えしない。)

カルガモ?マガモ?「マルガモ」の正体は?

カモ類は、マガモやカルガモのように主に水面で採食するグループと、潜水して採食するグループに分けられます。水面採食では水草の種子など、植物質がよく食べられていますが、潜水採食では貝のような動物質を食べる割合が高いようです。
2グループだけでも30種以上になるカモ類は、種間の遺伝的な違いが少なく、種が分化した歴史が浅いので、どの種もメスはよく似ています。しばしば交雑も起こりますが、特に多いのがマガモとカルガモで、双方の特徴を合わせ持ったハイブリッドを「マルガモ」と呼ぶ人もいます。
「異種の間で生まれた個体には繁殖能力がなく、子孫は残せない」という原則によって、それぞれの種が保たれるはずです。しかし、マルガモは繁殖能力を持っていて、さらに、次の世代、次々世代でも交雑が続いているようです。マガモとカルガモには遺伝的な違いがあまりないからこそでしょう。このことを鑑みると、野生化したアヒルとカルガモの交雑が進んでいる可能性もないとは言えません。

アヒル 写真は「アヒル」。原種のマガモに似た色彩のアヒルもいるが、お尻が大きいものは、野生のマガモでないことがわかりやすい。
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