野鳥写真図鑑

オオバン

ツル目クイナ科 全長約39cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/1250秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:340mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

各地の湖沼で一年を通してよく見られるが、北日本では冬を越さない地域、西日本では冬に増える地域が多い。カルガモなどのカモ類のように水面にいることが多いが、カモ類とは異なり、くちばしは尖り、足に水かきはない。「キョン、キョン」とか、「キュッキュー」などと甲高い声を出す。

鳴き声

※鳴き声が再生されます。

黒くて光らないツルの親戚

黒くて光らなくてよいのか?

オオバンやバンを含むクイナ科はツル目に分類され、ツルの親戚(ツル目ツル科ではないので、遠い親戚と言うべきか)になります。バンはオオバンより歩いていることが多く、「クルルー」と聞こえる大声を出すので、ツルの親戚をイメージしやすいかもしれません。
黒い鳥には、カラス類のように光沢があって光線の具合で緑や紫にも見える種と、オオバンのほか、ナベヅルやクロジのようにあまり光らない種とがいます。光沢は太陽光線を反射して熱の吸収を抑えるのに役立つはずですが、光沢がない黒色では、夏は光を吸収して暑くなるのではないでしょうか? 光沢がない鳥は北方系や山地性が多いようですが、オオバンは低地で、夏も見られます。35度前後の猛暑の中、オオバンはどうしているかと見に行ったら、さすがに、日影でじっとしていました。

オオバン オオバン。春夏の繁殖期には、湿地の茂み近くに巣を作る。足指には水かきはないが、平たく、泳ぐのに適している。

増加の謎

数が減った鳥の話題が多い昨今、逆に、なぜか増えている鳥もいます。野鳥は姿を確認できないものも多く、頻繁に移動もします。繁殖期に増え、越冬期に減ることもあって、数は簡単にはわかりません。全国的、長期的なデータを蓄積、検討して増減を推測しますが、オオバンは全国的に増加傾向にあり、とくに秋冬に増える地域が多いことは確かなようです。
オオバンが増加している理由はよくわかっていません。中国東北部などで繁殖し、越冬のため秋に南下し、日本に渡って来るオオバンも相当数おり、日本だけで要因を考えても不十分なことは確かです。

バン オオバンの額は白いが、バンの額は赤く、湿地を歩いていることが多い。あまり開けたところには出てこないので、オオバンほど人に気づかれない。
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