光の科学者たち 光のなぞをあきらかにした科学者のすごいしごと

光の直進や反射(はんしゃ)の法則(ほうそく)を発見した科学者

ユークリッド

ユークリッド
ユークリッド
古代ギリシアの数学・天文学者。光の反射の法則※1を初めて発見しました。そして、これらをまとめた『カトプトリカ(=日本語では「反射視学(はんしゃしがく)」)』や『原論(げんろん)』という書物を残し、「幾何学(きかがく)※2の父」といわれています

※1 同じことをくりかえしても、いつも同じ結果になるという決まりごと
※2 ものの形・大きさ・位置などを研究する学問

光とはなんだろう?

わたしたちが身のまわりのものに色がついていることを感じるには光が必要です。暗やみでは何も見えません。人間は、この光が何であるかというぎもんを何千年も昔からもっていました。

わたしたちが光をかんさつして気づくのは、「光は直進する(=まっすぐ進む)」という性質(せいしつ=もともとからもっている特ちょう)です。また、鏡などにあたると「光は反射する(=はねかえる)」という性質にも気づくと思います。そして、中学校の理科で、「入射角(にゅうしゃかく=ものにあたる角度)と反射角(はんしゃかく=はねかえる角度)は等しい(=同じ)」という「反射の法則」を習いますが、わたしたちはいつもの生活の中で、反射の法則のことをなんとなく知っています。

古代の人々も、光が直進することや反射の法則をなんとなく知っていました。これらを、人類で初めて本格的な書物にまとめたのが、ユークリッド(紀元(きげん)前330~紀元前275年ごろ)です。ちなみに、ユークリッドというよび名は英語で、古代ギリシャ語ではエウクレイデスとよばれています。

ユークリッド

ユークリッド(紀元(きげん)前330~紀元前275年ころ)

光の直進や反射を書物に

ユークリッドは、古代ギリシアの数学・天文学者です。古代ギリシャでは光学は数学の一分野でした。

ユークリッドが書いた『カトプトリカ』という本では、反射の法則やおう面鏡で太陽の光を一カ所に集めてものを燃やすようす、そして、とつ面鏡で反射された光の道すじをえがいた図などがのっています。

また、『オプティカ(=視学(しがく)』という書物も残しています。この本は、「目でものが見えるのは、目から出た《放射(ほうしゃ)物》というものがものにとどいているからだ」という考え方によって書かれています。

ユークリッドは、手をのばして、ものにさわったときの感じをヒントにして、これを考えたといわれています。まだそのころは、「光」と「目でものを見ること」のちがいが、よくわかっていなかったのです。

反射(はんしゃ)の法則(ほうそく)

反射(はんしゃ)の法則(ほうそく)

おう面鏡における光の反射の解説図

おう面鏡での反射
おう面鏡によって反射した光が1点(=しょう点)に集まることをユークリッドは発見しました

「幾何学(きかがく)の父」ユークリッド

ユークリッドが書いた最も有名な書物が『原論(げんろん)』です。『原論』は「幾何学(きかがく)」についての知しきをまとめたもので、西洋では聖書(せいしょ)のつぎに読まれてきた書物であるといわれています。

幾何学とは、図形をあつかう数学の分野(=種類)のひとつで、平面の上の点、直線、角、面などについて研究する学問です。

ユークリッドはこの『原論』の中で、点や直線とは何かを定義(ていぎ)※1して「公理(=大事な決まりごと)※2」とよび、最初から正しいと決めて使うルールとしました。これは、いまの数学と同じ考え方で、ユークリッドは「幾何学の父」とよばれています。

ユークリッド本人についての記録は残っていませんが、15世紀(せいき)の画家ラファエロ・サンティ(1483-1520)は、ヴァチカン宮殿(きゅうでん)のへき画(=かべにえがかれた絵)「アテナイの学堂(がくどう)」の中に、コンパスを持って黒板に図形をえがくユークリッドをえがいています。

これはラファエロが想像(そうぞう)してえがいた絵ですが、幾何学を使って光の道すじについて書き残したユークリッドらしいすがたです。

※1 意味をはっきりとさせること
※2 公理には、たとえば「どんな2つの点もまっすぐな線で結べる」といったことがあります

ラファエロが描いたユークリッドの想像図

ラファエロがえがいたユークリッドの想像(そうぞう)図

『原論(幾何学原本)』

『原論(げんろん)』