光は、さえぎるものがなく(とう明で)、ムラのない物質の中なら、まっすぐに進みます。たとえば空気やガラス、水の中などです(※注)。ところが、水とガラス、空気と水など、性質の異なる物質のさかいめ(境界)に、光がななめに差し込んだときには、折れ曲がる性質があります。この現象を「くっ折」といいます。
ただし、くっ折が起きるのは、水とガラスのような異なる物質の境界だけではありません。同じ空気でも熱い空気と冷たい空気、同じ水でも真水と砂糖水…というように、わずかな性質の差があれば、その境界でくっ折が起きるのです。
さて、くっ折が起きるとき、光が折れ曲がる角度には一定の決まりがあります。その物質が光の通り道をどれぐらい折り曲げるか…という度合いは、「くっ折率」という角度(の数字)で表します。
※注 光は宇宙空間など、物質のない空間、つまり真空の中でもまっすぐに進みます。
実はカメラや望遠鏡などのレンズに使われているガラスには、さまざまな種類があります。ガラスにいろいろな金属などを混ぜることで、くっ折率など、光に対する性質を変化させているのです。性質のちがうガラスのレンズを組み合わせることで、レンズ全体の性能を大幅(おおはば)にアップさせることができるのです。