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色と光

印刷と三原色の関係

色のないイラスト

右の図は、ある本に使用するためにかかれたカラーイラストの例です。カラーイラストなのに、画面で見る限り、ここには全く色がありません。各部分には「C40、M20、Y80、K10」というような記号が書き込まれているだけです。

実はこの記号は、インクの三原色であるCMYとKのこさを指定したものです。この状態では色はありませんが、印刷所でこの記号に従って色を当てはめて印刷するので、仕上がりでは下図のようなカラーのイラストに変身します。このように印刷の現場では、全く色を使わずにカラー印刷を行うこともできるのです。

一方、カラーでかかれたイラストやカラー写真を使って、カラーの印刷物を作る場合があります。このときは、あらかじめカラーの原稿(げんこう)を3種類のフィルターを使って撮影(さつえい)します。フィルターはそれぞれCMYの色の成分だけを通すようになっているので、できた3種類の写真はそれぞれが原稿(げんこう)のCMYのこさのちがいを表すことになります。そして、これに、もとの原稿(げんこう)の明るさだけを取り出した4枚目の写真(これがKになります)をくわえ、それぞれのインクで同じ紙の上に印刷すると、カラー写真ができあがります。

なお、コンピュータのプリンタでは、この分解と合成のプロセスを計算で行って、4色(あるいはもっと多くの色)のドットごとに分解・合成し、インクをずらっと並べる方法でプリントを構成しています。

指定色イラスト原稿(げんこう)と仕上がり

色指定したイラストの原稿(げんこう)と、その 仕上がりです。

色補正って何?

印刷物を作るときや、コンピュータからプリントを行うとき、写真などに特しゅなイメージを付け加えたいときがあります。また、蛍光灯(けいこうとう)や特別な照明のもとで撮影(さつえい)した写真を、普通の太陽光のもとで見たような色合いになおしたいときもあります。このような時には、色補正が行われます。

例えば、古い写真によく見られるような、やや色あせた茶色っぽいイメージにしたいときなど、「セピア調色補正」を行うと、グレーや黒が茶色に、また、さまざまな色はあざやかさが押さえられて暖色系のトーンに置きかえられセピア色中心の画像になります。

また、蛍光灯(けいこうとう)の下で撮影(さつえい)すると、全体が緑色にかぶることがありますが、これを補正して色合いを整え、すべての色を太陽光で見た色と同じように調整する「蛍光灯(けいこうとう)補正」もあります。

各補正の前後の映像

各補正の前後の映像。

2色でもできる疑似カラー

印刷では先にしょうかいしたように、色をCMYの3色に分解し、明るさ(K)と合わせて4つのインクを混ぜることで映像を構成しています。
このときCMYKのどれかひとつ以上の色を使わないと、どのようなことが起こるでしょうか?CMYのいずれかがぬけると、色を正しく表現することができなくなってしまいます。また、Kが抜けると、画面全体の調子がねぼけたようになり、あざやかさも失われてしまいます。

CMYK抜けの各写真

CMYKの色をぬくとこんな感じの写真になります。

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