光がもの(物体)に当たったとき、特別な場合(※注)以外は物体の表面ではね返ります。この現象を反射といいます。反射には、当たった光が四方八方に飛び散る「乱反射」と、一方向にはね返る「鏡反射」があります。
※注 物体が完全に無色とう明で、まわりと同じくっ折率のとき、光は反射せずにとう過します。また、物体が完全な黒(そのような物体はほとんどありませんが)の場合は、光はすべて吸収されて反射しません。
レンズと反射鏡
光がもの(物体)に当たったとき、特別な場合(※注)以外は物体の表面ではね返ります。この現象を反射といいます。反射には、当たった光が四方八方に飛び散る「乱反射」と、一方向にはね返る「鏡反射」があります。
※注 物体が完全に無色とう明で、まわりと同じくっ折率のとき、光は反射せずにとう過します。また、物体が完全な黒(そのような物体はほとんどありませんが)の場合は、光はすべて吸収されて反射しません。
乱反射と鏡反射
ふだん私たちが鏡(反射鏡)と呼ぶのは、鏡反射するようなつるつるの表面を持ち、ほとんどの光をはね返す全反射(ほぼ全反射)する性質のものです。これらは、メッキをしたガラスや金属など、光を反射しやすい材料でできていて、その表面の形によって平面鏡、とつ面鏡、おう面鏡などに分類することができます。
おう面鏡・とつ面鏡・平面鏡
面の形 | はたらき | |
---|---|---|
平面鏡 | 平面 | 光をまっすぐに反射させる |
とつ面鏡 | まん中が出ている | 光を広げる 広い範囲(はんい)を映す |
おう面鏡 | まん中がへこんでいる | 光を集める 像をつくる 拡大して見せる |
写真のレフ板
とつ面鏡やおう面鏡の表面は、ふつう、球の表面の一部を切り取ったようなカーブになっています。これは球面鏡と呼ばれますが、特しゅな目的(球面収差(しゅうさ)の除去など)のために、球面でないカーブをもつ鏡もあります。その代表が、反射望遠鏡に用いられる放物面鏡です。
使用目的によっては、表面にわざとしわを作るなどして、光が散らばるようにした鏡(乱反射鏡)もあります。そのひとつの例が、写真撮影(さつえい)に使うレフ板で、被写体(ひしゃたい)に当たる光がムラにならないように、反射する面に細かいでこぼこを作ってあります。
私たちがよく目にする反射鏡は、手鏡や化しょう鏡です。これらは、ほとんどがガラスの裏側に金属をぬったもので、鏡の裏側で反射するために「裏面鏡」と呼ばれます。光は、裏面だけでなく表面でも反射するので、映った光景は少しだけぶれて見えます。
その代わり、傷つきやすい金属の皮まくがガラスの裏側にあるので、痛みにくくじょうぶです。ですから生活の中で使われる反射鏡は、ほとんどが裏面鏡になっています。
一方、カメラや望遠鏡などの光学器械に使われているのは、ガラスや金属の表面で反射する「表面鏡」です。光を正確に反射する必要があるためです。
自動車のバックミラーや銀行などの店内監視(かんし)ミラーには、とつ面鏡が使われています。これは、とつ面鏡は平面鏡よりも広い範囲(はんい)を映すことができるためです。一方、おう面鏡は光を集めたりものを大きく見せるなどの性質があります。このために懐中(かいちゅう)電灯の集光鏡や、化しょう鏡の拡大鏡などに使われています。
このほかにも道路の反射板、カメラや双眼鏡(そうがんきょう)の内部には、目的の方向に光を導いたり、像の向きを調節するための目的で反射鏡の性質を利用したしくみが組み込まれています。
裏面鏡と表面鏡
(左)とつ面鏡:自動車のバックミラー
(右)おう面鏡:拡大鏡
一眼レフカメラの中のミラー
光の“正体”は?
レンズと反射鏡
色と光